継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【342話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

342話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 再会③

私はドレスルームにいた。

2年間誰も使っていなかったドレスルームだが、ほんの少し前まで大切に管理されていたようだ。

薄暗い中、ドレスをそっと眺めるだけだったが、微かな月明かりが差し込む中で一着の衣装に手を伸ばす。

戴冠式の際に着たシュミーズドレスだった。

この衣装をまとい、ブランシュと踊ったことを思い出した。

セーブルと一生懸命踊った記憶がよみがえり、思わずくすっと笑った。

今では手をつないでキスを交わすことが当たり前になっているが、あの時は想像すらできなかった。

そんな思い出に浸りながら、ドレスを体に当ててみた。

そのドレスはとても細く、そして小さすぎた。

このドレスだけではなかった。

ドレスルームにある衣装はすべて私のものだったが、一着も着られるものはなかった。

鏡に映った自分の姿はひどく不格好で、ふっくらした顔が映っていた。

その時、ドアの向こうから声が聞こえた。

「ビビ、入ってもいいですか?」

セーブルだった。

私はそっとドアに近づき、それを開けた。

彼は私を見て、輝くような笑顔を浮かべ、部屋の明かりを点けようとした。

「暗くないですか?明かりを点けましょうか?」

「いいえ、暗い方が好きです。」

彼はその理由を聞くことも、二度と勧めることもなかった。

彼はただ中に入ってきて、私をしっかりと抱きしめ、私の額に軽くキスをした。

「今日は大臣たちと会議をすると言っていましたが、彼らの反応はどうでしたか? 私の処遇について・・・また魔女裁判が開かれることになるのでしょうか?」

宮殿に戻った私は、自分自身を証明するための手続きを踏まなければならなかった。

その一つが魔力の確認だった。

ダリアがその魔力を使い、私が同一人物であることを証明してくれた。

確認が取れたのは良かったが、その結果、私は魔女であることが皆に知られることとなった。

セーブルは優しく私の肩を撫でながら言った。

「大丈夫です。これ以上、魔力を理由に人々が処罰されることはありません。」

「本当ですか?」

「ええ。ベリテが人々を説得するために多くの努力をしてくれました。あなたがいつ戻ってきても良いように。ここで心安らかに過ごせるようにするためです。」

その言葉を聞いた途端、鼻の奥がツンとした。

ベリテがどれほど苦労してきたかが目に浮かんだ。

もう火刑に処される心配はない。

しかし、それだけで素直に喜べるわけでもなかった。

セーブルが慎重な口調で言った。

「魔力のせいで人々を避けるのであれば、心配しないでください。最近、居間で一人ぼっちでいることが多いのが気がかりです。」

「・・・魔力のせいだけではありません。」

魔力がないとしても、人々の視線は変わらなかった。

白服の身でよく目にした視線。

軽蔑しだったり、同情だったり。

使用人たちでさえ時折、私に冷ややかな視線を向けることがあった。

そうした視線は私にとって、刑罰そのものだった。

そして私は罪人だった。

『美女と野獣』の野獣がその姿を恐れ、城に身を潜めて暮らしていたことが、今ならよく理解できる気がした。

「この姿で人前に出るのが怖いんです。私は・・・」

薄暗いドレスルームに私の声だけが響いた。

明るい場所だったら、セーブルと目を合わせるのが難しかっただろう。

彼の愛を疑っているわけではなかった。

しかし、この姿で戻ってきたいとは思えなかった。

セーブルは私の言葉に答えず、ただ私をぎゅっと抱きしめているだけだった。

「ベリテに呪いを解く手伝いを頼みましたが・・・どうなるか分かりません。」

スレビエン側の協力を得ているものの、反乱軍であるギデオンが命を懸けて守ろうとした主君のように、簡単に決着をつけることはできなかった。

セーブルは依然として何も言わず、私は彼の胸に頭をもたせかけたまま、そっと口を開いた。

「レイブンはどうなったんですか?」

宮殿に戻ってから、私はレイブンに会うことができなかった。

もし彼があの宝石を手にしているなら、それを私の手に渡すことができたらと願った。

たとえ短い夜であっても、美しい姿でいられるなら、彼はまるで私の救済者のようだった。

レイブンの行方を尋ねると、セーブルは一瞬ためらったような表情を浮かべた。

彼がため息をついて口を開いた。

「レイブンは現在、投獄されています。」

「投獄ですか?」

私が逃げ出したと思っていたが、まだ彼がここにいるという事実に驚いた。

セーブルは少し困惑した顔で口を開いた。

「話したくはありませんが、半年前、彼が私を探しに来ました。」

一体レイブンが何を話したのか。

沈黙の中で、セーブルの目は冷たく鋭くなった。

「彼は自分がアビゲイルを裏切り、今は姿が変わっていると言われましたが、どのように変わったのかは教えてもらえませんでした。」

その言葉は驚きというよりも、むしろ困惑を引き起こした。

彼が何も持ち合わせていないためでした。レイブンが自分を弁護する理由は何一つなかったのだ。

明らかに、何か恐ろしい陰謀があるのは間違いない。

セーブルも同じように考えているのか、彼の表情には警戒心が漂っていた。

「正直なところ、私はレイブンを殺したいと思っていました。でも彼は唯一の証人なので、裁判所で幽閉されている状態です。ところで、なぜ彼について尋ねるのですか?」

「彼が・・・私の呪いを解く方法を知っているんです。」

私はセーブルの顔に喜びが浮かぶことを期待したが、彼の表情は少し驚いた様子を見せただけ。

彼を失望させたくないという恐れから、私はためらいがちに言葉を続けた。

「呪いを完全に解くわけではありませんが、夜だけでも本来の姿に戻れるんです。」

「そうですか。」

「はい・・・。だからレイブンと話をしたいのですが、可能ですか?今すぐ彼に会いたいんです。」

レイブンがどんな思惑を抱いているのかは分かりませんでしたが、恐怖や疑念よりも切実な気持ちの方が勝っていた。

セーブルの表情から何も読み取れない。

しばらくの沈黙が続いた後、彼の決然とした声が響いた。

「分かりました。しかし危険なことだと思います。同行してもよろしいですか?」

「はい、一緒に行きましょう。」

一刻も待ちたくなかった。

この曖昧な状態を早く解消したかったのだ。

私は急いで外出の準備を終え、セイブルと共に宮殿の外れにある別館へ向かう。

入口に足を踏み入れた瞬間、ひんやりとした空気が漂ってきた。

長い間人が入らなかった廃墟のようだった。

入口からすぐのところには鉄格子が設置されており、さらに不気味な雰囲気を醸し出していた。

セーブルが視線を送ると、警備兵が扉を開けてくれた。

「万が一レイブンが魔法で脱出を試みるかもしれないと考え、魔力抑制装置を設置してあります。」

警備兵はランプを手に持ち、前を進んだ。私たちの影が幽霊のように長く伸びていた。

薄暗い廊下を進んでいくと、奥から光が漏れているのが見えた。

そこはよく整えられた部屋で、入口と同じく鉄格子が施されていた。

貴族の書斎と居間、寝室を一つにまとめたような部屋。

暗赤色のベルベットのソファには誰かが静かに座り、本を読んでいた。

レイブンだ。

最後に会ったときにはセイブルのように短い髪だったのに、いつの間にか長く伸びていた。

 



 

 

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