継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【353話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

353話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 新しい命②

ブランシュを撫でているとき、かすかな足音が聞こえた。

ドアのほうを見たが誰もいなかった。

いや、何かはいた。

ドアの向こう側からゴソゴソと頭を出していた。

正確に言えば、ゴソゴソ動いていたのは小さな木製の人形だった。

その人形が笑いながら言った。

「王妃様、公主様。何をしていらっしゃるのですか?」

ぷっと吹き出してしまった。

その馴染みのある声に、私も思わず笑みを浮かべた。

ブランシュも小さくくすくす笑いながら、端に積まれていた人形を手に取った。

それはうさぎの形をした木製の人形だった。

うさぎが挨拶をするように、両方の手を左に動かしていた。

「お母様と弟と遊んでいたみたいですよ。」

「そうね。公主様のご主人も一緒に遊びたいと言っているけれど、入ってもいいかしら?」

木製のうさぎが少し体を揺らし、まるで照れくさそうに動きながら、口元を隠すような仕草をした。

「もちろんよ。世界で一番かわいいうさぎ様!」

いやいや、違うわ。

世界で一番かわいいのはブランシュ、あなたよ!

ドアが開くと、ベリテがそっと顔を覗かせた。

微笑むベリテの方へブランシュが駆け寄っていった。

「ようこそ、うさぎ様!」

うさぎの人形が木製の人形にそっとキスをした。

ベリテはまるで自分がキスを受けたかのように、顔を赤らめた。

その後、ベリテは軽くブランシュの頬にキスをした。

少し恥ずかしそうな顔を浮かべながら。

「ふふっ。こんにちは、公主様。義母様もこんにちは。」

目の前で照れている様子がなんとも可愛らしいベリテは、私と目を合わせることができず、控えめに微笑んで挨拶した。

「こんにちは、ベリテ。何か用事?」

「えっと、食事に行く途中で一緒に行こうと思って。シューが義母様のお部屋にいるって聞いたから。」

そういえば、もう昼食の時間ね。

私はゆっくり立ち上がり、ベリテがすぐに私のそばへ駆け寄って支えてくれた。

「食堂には椅子があるから、椅子で移動する?」

「いいえ。あまり動かないのも身体に良くないって、お医者様が言っていたわ。」

ベリテは私が数歩歩くだけで良いのに、急いで走って車椅子を持ってきてくれた。

車椅子で移動するのは楽だけれど、運動も必要だと思い、ブランシュが私を支えてくれた。

「私たちを捕まえてくださいね、お母様。もしものために!」

「ええ、義母様。しっかり捕まえてください。」

はぁ、本当にこの子たち。

私は何一つ痛くもないのに、ここまで気を使わせてもいいのだろうか。

子どもたちの小さな手を握りながら、食堂へ向かった。

食堂に着くと、暖かな雰囲気が漂っていた。

暖炉では魔法を使って灯した炎が静かに揺れていた。

席について少しすると、セイブルが入ってきた。

少し疲れた様子だったが、私を見るとすぐに顔が明るくなった。

セイブルが私の頬にキスをして言った。

「遅れてすみません。少し仕事があり処理が遅れて遅くなりました。」

「いいえ、あなた。私のせいで大変だったんでしょう?」

「そんなことありませんよ。あなたの顔を見たら疲れなんて吹き飛びます。」

「まったく、あなたったら……!」

まだ食事が始まる前なのに、まるでデザートを先に味わったような気分だ。

セイブルが席に着くと、すぐに料理が運ばれてきた。

テーブルにはさまざまな料理が並び、食欲をそそる香りが漂っていた。

空席はなかった。

ブランシュと私、そして以前は二人だけだった席が、今では四人でぎっしり埋まっている。

もうすぐ五人になるだろう。

私は家族を穏やかに見つめながら、ベリテが遠くに置かれていたスープの器を持ち、ブランシュの前にそっと置いて言った。

「義母様、シュー、このスープ好きでしょう?たくさん食べてね。」

「うん、大好き。ベリテもたくさん食べ……。」

ブランシューが話し続けている途中、誰かがふと咳払いをした。

その瞬間、フォークがテーブルから落ちた。

そして同時に不思議な音が聞こえた。

「……うっ。」

セイブルだった。

彼は青ざめた顔で口を押さえていた。

侍従が慌てて叫んだ。

「ど、毒だ!陛下の食事に毒が入っています!」

何?毒?毒だって?!

魔法で厳重に検査されているはずのこの食堂で毒殺だなんて、なんて馬鹿げたことだろう!

私は急いでセイブルのそばに駆け寄った。

そして彼の目を見つめ、魔法で状態を確認した。

……あれ?中毒は起きていない?

「毒ではないようですね……。食べ物に何か問題があったのでしょうか?他の料理を持ってこさせましょうか?」

「いいえ、大丈夫です。」

彼は静かにスプーンを置いた。

そして険しい顔をしたまま、落ち着いた声で話した。

「食事は問題ありません。ただ、ちょっとむせただけのようです。」

ああ、そうだったのか。

ただのむせただけ……。

「そんなの大丈夫なわけないでしょう!」

私が驚いて声を張り上げたが、セイブルは落ち着きを保ったままだった。

彼は私をなだめるように言った。

「一時的な症状だったようです。もう大丈夫です。」

セイブルは自分が平気であることを示そうと、一口料理を食べようとした。

しかし、また咳き込んでしまった。

「とりあえず寝室へ行きましょう!ブランシュ、ベリテ、先に食べていて!」

私がセイブルを支えようとすると、ベリテが慌てて立ち上がった。

その目には驚きと緊張がはっきりと浮かんでいた。

「義母様は妊娠中なんですから!義母様が支えるなんてだめです!早く車椅子を持ってきてください!」

ベリテの言葉を受けて、召使いたちが慌ただしく車椅子を持ってきた。

そして寝室へと続く道がすぐに整えられた。

侍従たちは慎重にセイブルを寝台に横たえた。

彼は病気にかかったように、弱々しい息を吐いていた。

ああ、愛しいあなたはどうすればいいの。

冷たくなったその手を握りしめていると、ドアが突然開いて、主治医とミラードが駆け込んできた。

「陛下!ご無事ですか?主治医がむせただけだと言っていたので安心していましたが……!」

ミラードの目に涙が浮かび、震えていた。

主治医は不安げな視線を私たちに向けながらもセイブルの状態を確認し、口を開いた。

「ええ、体は大丈夫です。ただ、稀に数か月以内にむせが再発する場合があります……。」

なんてことでしょう、こんなに辛い時期に再び症状が現れる可能性があるなんて!

妊娠初期にセイブルがむせによって重篤な状態に陥るのではと心配が募るばかりだ。

過去の苦労が蘇ってきた。

食事をまともに取れないのはもちろんのこと、嘔吐を繰り返し、ついには血まで吐くようになったあの時……。

やっと良くなったと思ったのに、また再発するなんて。

その時、セイブルの目が涙で濡れて揺れていた。

「リリー……。」

彼がかすかに目を開き、私を見つめていた。

その痛みの中でも微笑むセイブルを見て、私は涙が溢れそうになった。

その目の光、その声が鮮明に響いてきた。

かつて狩人のような鋭い目を持っていた彼が、こんなにも弱々しくなった姿を目の当たりにするとは。

その様子を見て、私は保護本能が一気に沸き上がった。

いけない、このままでは夫が命を落としてしまう!

「セイブル、今すぐ治療を受けてください。あなたがこんなに苦しんでいる姿を見るなんて、耐えられません!」

 



 

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