こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は127話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
127話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 運命をかけた勝負⑦
「これは?」
わざと隠しているのか、所属を区分する紋章は見えなかったが、ヨハンは彼らが皇室近衛騎士団であることに直ちに気づいた。
騎士団を率いるアルモンド子爵が後に続いた皇太子に近づく。
彼のそばには知らせを聞いて駆けつけたオルンもいた。
そんな彼らの姿を見てヨハンは首を横に振る。
「あらまあ、そもそもヒルデルンが賭けで負けていたら、私を無事に帰すつもりはなかったようですね」
皇太子が当然のように答えた。
「マリだけは絶対に譲れないからな」
「くく、そうですね」
失笑したヨハンは重く尋ねる。
「ところで、私を殺せば、後患に耐える自信はあったのでしょうか?ハンザ同盟がじっとしていなかったはずですが?いくら帝国でもハンザ同盟と争いになれば、色々と疲れませんか?」
その問いに皇太子はじっと彼の顔を見た。
「北部最大の商人集団であるハンザ同盟と争えば、どうしても疲れるだろう。しかし、西帝国と争うことは気にする必要がない」
「え?」
突然の問いにヨハンの顔が固まる。
「どうせ私たちと西帝国は敵同士なのだから。そうじゃないか、ヨハネス三世?」
「・・・!」
カタラク伯爵、いや、ヨハネフ三世の表情は、以前とは比べ物にならないほど硬くなっていた。
皇太子ラエルは、まるで知っている事実を確認するかのようにもう一度尋ねる。
「私の言葉は間違っているか、ヨハネフ三世?」
「・・・」
刹那の瞬間、ヨハネフ三世の顔色が変わった。
焦る色を帯びていたが、最終的には落ち着いた色に戻っていく。
ヨハネフ三世はニヤリと笑いながら口を開いた。
「これは一発食わされましたね。なんで分かったのですか?」
「もともと疑ってはいた。しかし、確信はできなかった。私が知っている西帝国の皇帝とカタラク伯爵は全く違う容貌だったから。雰囲気が似ていても、二人を同じ人物にするには無理だった」
「・・・」
「しかし、今回ゲームをする姿を見て確信できた。あんな陰険な姿を見せるのは、お前以外にいないのだから」
皇太子は冷たく言った。
「そして、お前がヨハネフ三世でなければ、このようなことを犯す理由がない」
その言葉にヨハンは爆笑する。
素晴らしい推測だった。
「ククク、そうですね。それで私をどうするつもりですか?まさか殺そうとしているのではないでしょう?」
余裕を取り戻したヨハンはニッコリ笑いながら尋ねる。
皇太子はヨハンの顔をじっと見つめていた。
「悩んでいる」
「・・・!」
「もちろん殺すのは無理だろう。お前を殺せば、すぐに西帝国と戦争が起きるから。しかし」
皇太子は剣を取り出し、ヨハネフ三世の首に向ける。
今にも首を切るような冷たい眼差しにヨハネフ三世の表情が固まった。
「お前がマリにしてきたことを見ると、このまま殺してしまった方がいいんじゃないかと思う」
剣が首に食い込んで血が流れ始める。
皇太子は今本気だった。
彼は本当にヨハンを殺すかどうか悩んでいた。
二人の間に息が詰まるような沈黙が降りてきた。
皇太子は剣を向けたまま無表情な顔でヨハンを見つめ、ヨハンは固い目つきでその視線と向き合う。
そのように二人の間に緊張感が爆発しそうに高まる時、皇太子が剣を動かしてヨハンの顔に向かって正面から刺した。
「陛下!」
後ろで見ていたロイスが驚愕して叫ぶ。
アルモンドと宰相オルンは、皇太子が本当に剣を突き刺すと目を大きく開けた。
ヨハンに向かって正面から刺された剣は、彼の頬をギリギリ通り過ぎ、横に柱に刺さった。
「・・・」
ヨハンは自分の頬をかすめた剣先を横目で見る。
最後の瞬間、皇太子が手首を捻らなかったら、彼は死んでいた。
「ヨハネフ三世、これは警告だ。今回は放っておくが、もし東帝国に再び手を出そうとするなら・・・。特に、マリの指先一つでも触ろうとするなら」
ラエルは冷たく宣言する。
「その時は私が直接お前たちの西帝国に行って、お前の首を切る」
「・・・」
肺俯を突くような殺意にヨハネフ三世は何の返事もできなかった。
「分かったら、すぐ消えろ」
ヨハンは唇をひねって振り向き、随行員のロイスは彼の後を追う。
そのようにヨハネフ三世が消えると、オルンが皇太子に近づいた。
オルンは次第に遠ざかるヨハネフ三世の後ろ姿を見ながら尋ねた。
「あのまま殺した方がよかったんじゃないですか?」
「ヨハネフ三世のことか?」
「はい。警告したからといって、我が東帝国に向けた策を止めることはないでしょう」
皇太子もその言葉に同意する。
「あの狡賢い奴が魔手を伸ばすのを止めるはずがない」
「それならどうして?」
「私だからと言って、あのヨハネフ三世を生かしておきたいわけではない。しかし、今の我が東帝国は戦争ができる状況ではない」
ラエルはため息をついた。
「もともと東帝国は西帝国を圧倒する国力を持っていた。しかし、今は話が違う」
それはまさに帝国を血で染めた皇子たちの内戦のためだ。
「内戦当時に死亡した兵士の数だけで40万人だ。我が東帝国の常備軍が20万人であることを考えると、莫大な犠牲だ。まだ我が東帝国は当時の被害をすべて復旧できていない」
そして皇太子は自分の考えを語る。
「あと最低3年、3年の時間が必要だ。その中で帝国内の被害を復旧すれば、もはや私たちは西帝国の顔色をうかがう必要がなくなる」
ラエルはヨハンの正体に気づいたのですね。
しかしゲームをするまで気づかなかったのは、ヨハンの変装技術が優れているということですね。
西帝国との戦争は避けられないようです。