できるメイド様

できるメイド様【202話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「できるメイド様」を紹介させていただきます。

今回は202をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【できるメイド様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「できるメイド様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっておりま...

 




 

202話 ネタバレ

できるメイド様【201話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「できるメイド様」を紹介させていただきます。 今回は201話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 皇帝の苦悩

一方、マリアが第3軍団と戦いながら血の戦場を繰り広げている間、東帝国の南部地域では別の血の嵐が巻き起こっていた。

「全員捕まえろ!一人も逃がすな!」

多くの叫び声と共に悲鳴が響き渡る。

それは、東帝国内で反乱を起こしたイーストバン伯爵の命令だった。

「誤解だ!誤解なんだ・・・!皆さん、誤解です!」

かつての栄華を示すような壮麗な邸宅の中で、皇太子妃候補だったレイチェルにそっくりな中年の男が、まるで笹の葉のように震えながら必死に訴える。

「誤解?」

ラエルが問い返した。

鉄仮面で覆われたその顔の前で、敵の血がぽたぽたと滴り落ちた。

中年の男、イーストバン伯爵は地面に崩れ落ちた。

「私が間違っていました!ヨハネフ3世の陰謀に嵌ったのです!すべて誤解なんです・・・!」

しかし伯爵はそれ以上言葉を続けることはできなかった。

ラエルの剣が彼の首を貫いてしまったのだ。

野心的に反乱を起こしたイーストバン伯爵は、ついに命令を遂行することなく命を落とす。

「・・・」

ラエルは無言で倒れた姿勢のままの死体となった伯爵を冷たく見下ろした。

その冷ややかな視線には怒りも哀れみも感じられず、ただ無機質な物体を見るような無感情さだけがあった。

それがかえってより一層恐ろしい雰囲気を漂わせていた。

「・・・陛下。」

オルンがためらいながら彼に近づいてきた。

「何があった?」

「・・・アルモンド伯爵が全て報告してきました。反乱に加担した者たちは全員処刑されたとのことです。」

「そうか、ご苦労だった。」

ラエルは軽く頷いた。

その顔には冷徹な表情が浮かんでいた。

血がぽたぽたと滴り落ちた。

それはすべて敵の血だった。

「・・・」

オルンは何か言いたそうに口を開いたが、結局閉じて答えた。

「どうした?」

「いえ、何でもありません。」

オルンは慌てて頭を下げながら内心で思った。

(普段の敗北感とは全然違う。)

まるで刃が切り裂いたような冷たい雰囲気。

当然ながら、ラエルはもともと冷徹な性格だった。

しかし今は何かが違う感じがする。

まるで空っぽの無法者を見つめるかのような目つき。

冷たい青い瞳には、何の感情も浮かばず、ただ冷たく沈黙していた。

(職務遂行に問題があるわけではない。)

そう、問題は何もなかった。

むしろラエルは迅速にイーストバン伯爵の反乱を鎮圧するという成果を成し遂げた。

(どれだけ反乱に備えて準備をしていたとしても、これほどまでに短期間で終わるとは。内部で反乱を鎮圧するのは不可能だったはずだ。)

しかし、ラエルはやり遂げた。

イーストバン伯爵の喉元を突くような作戦を次々と実行し、迅速に制圧してしまったのだ。

大胆不敵で成功した作戦だったが、オルンはどうしても不安な気持ちを拭えなかった。

ラエルが自分自身を顧みず、ひたすら突き進んでいるように感じられた。

(あまりにも無理をしている。これまでの作戦も、通常のやり方なら危険すぎて実行しなかったようなものばかりだ。)

オルンはため息をつく。

ラエルがこうした行動を取る理由はただ一つしか思い当たらなかった。

(・・・彼女のためだろう。)

そうだ。ラエルがこれほど変わってしまったのは、マリアの消息を聞いてからだった。

オルンには、ラエルが今どんな気持ちでいるのか察することができなかった。

ただ悲しんでいるのか?それとも絶望しているのか?

互いに誰よりも愛し合っていた二人だったが、今や敵国の軍司令官と化してしまった。

ラエルがどれだけマリアを愛していたかを知っているオルンには、彼の心情を見極めることはできなかった。

そのため、彼に話しかける気にもならず、静かにその場を立ち去るしかなかった。

 



 

その時、ラエルが尋ねた。

「東方教国は?」

「間もなく東南部地域に到着する予定です。」

「戦場は東部地域になるというわけだな。総勢15万人だと?」

オルンは慎重に頷いた。

15万人。その数だけで気が遠くなりそうだった。

「倍以上の兵力の差がある。東帝国が支援できる兵力は7万人が限界だからな。」

元々、東帝国の兵力は20万人以上だった。

しかし、いまだ皇族同士の内戦の傷が癒えない状況だったため、兵力は減少していた。

「はい、首都にも最低3万人以上の防衛兵力を割く必要があります。明らかに西帝国が進軍してくるでしょう。」

さらに恐ろしいのは、東方教国の15万大軍が終わりではないという事実だった。

それはまさにヨハネフ3世の西帝国。

彼らはクローヤン王国を通り過ぎ、東帝国の首都を侵略するつもりであるのは明白だった。

(西帝国が送り込む兵力は少なくとも10万人以上だ。この兵力に対抗する方法は実質的にない。)

オルンは苦々しい気持ちで考えていた。

東方教国の15万の大軍ならば問題はない。

ラエルの卓越した軍事的才能があれば、2倍の兵力差でも十分に対応できる。

しかし、ここに西帝国の大軍が加われば、もはや手の施しようがなかった。

(もしクローヤン地方があのような状況にならなければ、我々東帝国がこれほどまでに危機に陥ることもなかっただろうに。)

クローヤン王国が東帝国の影響圏から抜け出したことで、事態は最悪の状況に陥ってしまった。

オルンは内心で再びため息をついた。

もはや手遅れの話だ。

考え込んでも無駄なことばかりで、対策を立てなければならなかったが、どう工夫しても確実な方法は思いつかなかった。

(モリナ女王がクローヤン地方で西帝国軍を食い止められるかもしれない。それ以外には手立てがない。)

そんな考えが頭をよぎったオルンは苦々しく笑った。

クローヤン王国が西帝国軍を防ぐだなんて、絶対にあり得ない話だから。

その時、ラエルが命じた。

「兵力を整えろ。東方教国をすぐに迎え撃つ。」

「はい、陛下。」

頭を下げたオルンは、彼から離れる前に一瞬ためらいながら口を開いた。

「陛下、裏切った第3軍団がモリナ女王と戦ったとの報告があります。」

「・・・!」

その瞬間、ラエルの体がわずかに硬直した。

「・・・結果は?」

「まだ届いておりません。」

第3軍団とマリアの戦闘結果はまだここ東帝国には伝わっていなかった。

ラエルは一度大きく息をついてから、平静を装う低い声で言った。

「わかった。兵力を整えておけ。」

「・・・はい、陛下。」

オルンは彼を一人にしておくべきではないという思いが湧いたが、ラエルは軽く手で合図を送った。

「戦闘を終えたばかりで疲れている。少し休むとしよう。すぐに追いかける。」

「・・・はい、陛下。」

こうして一人残されたラエルは、歯を食いしばりながら黙り込んだ。

かすれた祈りのような声が漏れる。

「マリ、今・・・無事なのか?」

胸に深く沈んだ苦悩が滲み出るような声だった。

ラエルは鉄仮面を外す。

そして、現れた彼の顔は・・・かすかに震えていた。

まるで抑えきれない感情をなんとか押し殺そうとしているかのように。彼女が第3軍団と交戦したという知らせを聞いたときから、何一つ考えがまとまらなくなっていた。

彼女は果たして無事なのか、どこか負傷してはいないのか・・・頭の中には裂けるような心配だけが渦巻いていた。

(もしお前が戦闘で傷ついていたら?もし・・・最悪の事態が起きたら?)

現状でクローヤン王国にとって最も有利な選択肢は、極力戦闘を避け、西帝国と同盟を結ぶことだ。

それでもなお彼女が第3軍団との戦闘を選び、和平協定を結ばなかった理由には、きっと彼女自身の信念があるのだろう。

今、自分は彼女のために何ができるか考え、全力で行動しようとしている。

(マリ、どうか。お願いだ。無事でいてくれ。頼む・・・)

もし彼女に何か一つでも危害が及ぶことがあれば、それを許すことは決してできないだろう。

彼は耐えられなかった。

視線は西へ向けられた。

彼女がいるであろうクローヤン地方の方向へ。

彼は彼女に会いたくてたまらなかった。

 



 

一方その頃、クローヤン王国では強大な第3軍団を打ち破り、束の間の幸福を味わっていた。

「クローヤン王国万歳!」

「モリナ女王万歳!」

第3軍団は彼らに比べ物にならないほどの強兵だったが、圧倒的な勝利を収めた。

さらに王国軍の被害者はほとんどいなかった。

奇跡としか言いようのない勝利だった。

すべては彼らの女王、モリナのおかげだった。

「さすが女王陛下だ。」

「そうだ、あの方がいる限り、我らクローヤン王国は何だってできる!」

王国民たちは歓喜の声を上げた。

「偉大なお方だ!」

「女王陛下に栄光あれ!」

「神の祝福が永遠にあらんことを!」

このような歓声が王国全体に広がった。

王国軍の士気が大いに高まったのは当然のことだった。

自発的に王国軍へ参加する者も多くなり、それまで傍観していた王国貴族たちも完全にモリナを認めて協力するようになった。

こうしてクローヤン王国はモリナ女王を中心に、さらに堅実に安定し始めた。

 



 

 

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