こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は128話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
128話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- side オルン
皇太子の言葉は正しかった。
国力を回復すれば、東帝国の力は西帝国の力を圧倒する。
その時は、あのヨハネフ三世もあえてこのような計略をすることはできないだろう。
(こんな情勢で最も重要なのはクローヤン地方だ)
オルンは内心考えた。
西帝国との関係が悪化するほど、クローヤン地方の地政学的価値が上がる。
もしクローヤンが西帝国の影響圏に移れば、東帝国には悪夢のようなことになるだろう。
結局、最も重要なのはモリナ王女の行方。
クローヤン王国の国民は、今でもモリナ王女を慕っている。
彼女を恋しがって前王朝への郷愁を忘れられずにいた。
「マリ」
オルンは屋敷の奥に向かって首を傾げる。
彼の視線が向けられたところの端には、一人の少女がいた。
オルンの目つきが冷たく深まる。
ますます深まりつつある疑いは確信に近く変わっていった。
(マリ、あなたは本当にモリナ王女と関係がないのか?)
オルンは心の中で自分の考えを吐き出す。
(それとも、君がモリナ王女なのではないのか?)
マリが知ったら胸がドキドキするだろう。
結局、オルンも真実に近づいていたのだ。
もちろん、まだ証拠はない。
しかし、入り込むほどマリとモリナ王女が同一人物ではないかという疑いを振り払うことが難しかった。
(もしマリがモリナ王女だったら、殿下はどんな決断を下すのだろうか?)
オルンは重く思った。
皇太子はモリナ王女を殺し、クローヤン王国の混乱の種をなくすつもりだ。
最近になって極度に悪化したクローヤンの状況を考えれば、それが最も正しい選択。
でもあんなに大事にしているマリがモリナ王女だったら?
果たして殿下はどんな選択をするのか?
オルンは彼の意中を察するために首を傾げた。
ところが、心の見当がつかないラエルの顔を見た瞬間、オルンは突然一つの疑問を思う。
(そういえば、殿下はなぜマリを疑わないのか?)
彼の背筋に寒気がよぎった。
そういえばどうして?どうして殿下は何の疑いもしていない?
(夢中すぎて?いや、そんなはずがない・・・)
いくら恋に落ちていたとしても、盲目の皇太子ではない。
一介の侍女というにはあまりにも優れた彼女の姿に疑問を抱くのが当然のことではないだろうか?
そういえば、オルンは皇太子がマリに対して疑問を示したことが一度もないということを思い出した。
どうしてそんなことができる?
わざと目を閉じない限り、これは自然なことなのか?
(どうして?)
オルンは唾をごくりと飲み込んだ。
「もしかして・・・、殿下は?」
追放を命じられたヨハネフ三世とロイスはしばらく馬に乗って走り、ある丘で止まった。
「はあ、ちょっと休んでから行こう。私はもともと少し体力が弱いからね」
「大丈夫ですか?」
「ああ。けれど、これは馬鹿げているね。まともに出来たことが一つもなく追い出されてしまったよ。ラキに凄く怒られそうだ」
人形術師ラキ。
ヨハネフ三世の側近で、西帝国の宰相であり策略家だ。
「ラキさんは確かに一言言うような気はします」
「そうだろう?」
「はい、計画通りに行われたことが一つもありませんから」
部下の冷静な評価にヨハネフ三世は挫折した表情を浮かべた。
「まあ、私もこんなことになるとは想像もできなかった。東帝国のためにプレゼントを4つも用意したのに、ちゃんと解く前にモリナ王女が全部解決してしまったのだから」
ヨハネフ三世は悪党のように致命的な陰謀を準備してきたが、まともに進行する前に全て遮られてしまったのだ。
麻薬密輸、偽造貨幣、詐欺賭博。
本来なら一つ一つが東帝国を揺るがす陰謀だったが、モリナ王女のために蕾を咲かせることもできなかった。
「陛下の責任もある程度はあるのではないですか?あの時にされた賭けさえなければ、モリナ王女もすぐに陰謀に気づくことはできなかったでしょう」
ロイスの指摘は正しかった。
確かにヨハンがヒントさえ与えなかったら、ここまで簡単に計略が詰まることはなかっただろう。
「それはそうだけど、賭けを口実にでも彼女が欲しかったんだって」
「それでもあの時の賭けは陛下が間違っていたようです」
ロイスは冷静に言った。
「ああ知らない、知らない。とにかく、これは私が悪かったのではなく、モリナ王女があまりにも優れているせいだよ」
ヨハネフ三世は三流悪党にでもなったかのように呟く。
「今日の侮辱は必ず返してやる、モリナ王女。必ず私のものにしてこの侮辱を返してやる。今日は失敗したけど、絶対に諦めない」
ヨハネフらしい言葉にロイスは舌打ちする。
どうしてこんなに皇帝としての威厳がないのか。
ところが、その時だった。
ヨハンの表情が急に固まる。
彼の顔色は青白くなり、冷や汗が流れ始めた。
「陛下?」
ラエルはマリの正体に気づいている?
もし気づいているとしたら、あえて正体をバラさないのはマリのため?
ヨハネフ三世も、まだ諦めていない様子です。