こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は78話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
78話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 西帝国の暗躍
帝国に西側の境界で怪しい会話をしている者たちがいた。
「ラキ、どう?全く同じじゃない?」
茶髪に黒い目をした陽気な男性は鏡を見ながらしきりに感嘆の声を上げる。
「全く同じです」
「もう少し感情を込めて答えてくれる?これは革命だよ!全く違う人になったじゃないか」
「ワクワクしすぎじゃないですか?」
「ワクワクするだろ?彼女を見に行くのに、私がどれほど彼女を恋しがっていたか知っているじゃないか」
ヨハネフ三世は笑いながら話す。
「こんなに会いたいと知っていたら、あの時に拉致していれば良かった。そしたら、すべてが簡単だったはずなのに」
彼の話す人物は他ならぬマリのことだ。
ところが、西帝国の宰相ラキの反応がおかしい。
悪戯な皇帝の言葉に頷いたのだ。
「今度は駄目ならそうでもしてください」
「本当に?」
「それだけ彼女は私たちの計画に重要な人物ですから」
ヨハネフ三世が妙な顔をした。
「そう、大事って本当に大事だよ。彼女は「計画」の鍵だから。マリは・・・、いいやモリナ王女は」
彼の口からとんでもない話が飛び出る。
すでにマリがモリナ王女であることを突き止めた状態だったのだ!
「まだ東帝国は知らないよな?」
「はい、知りません」
ラキが笑いながら答える。
「私が情報を錯乱させていますから」
「やっぱり卑劣な宰相だね」
「すべて陛下から教わったことですが」
ラキ・ド・ストルン伯爵。
平民出身でヨハネフ三世に抜擢された立志伝的な人物で、西帝国内では「人形術師」と呼ばれる恐怖の対象だ。
ちなみに前回の聖杯盗難の際、全体的な事件を設計したのも彼だった。
「それでは、そろそろ東帝国の首都に出発しようか。彼女に会えると思うとワクワクするね」
「忘れないでください。陛下には重要な任務があることを」
「忘れるはずがないさ。モリナ王女を私のものにすることを」
「・・・それ以外には?」
「他に何か?」
ラキはため息をつく。
「モリナ王女のために陛下が直接行かれるのは事実ですが、他に重要な任務がもう一つあるじゃないですか?」
「ああ、知っているさ」
ヨハネフ三世が笑う。
悪戯ない言い方と違って猛獣のような微笑みで。
「東帝国の首都に行って最大限に分裂を図ることだろ」
「はい、その通りです」
西帝国の皇帝と宰相の間で不気味な会話が交わされた。
ラキは落ち着いた口調で話す。
「私はその間に「計画」を進めていきます」
時間が流れた。
冬が深まり、新年が数日後に迫った。
空から降った雪が四方を白く染めたが、皇居には特に目立った変化はない。
依然として皇太子は国政に熱中し、キエルハーンは皇帝を守護し、マリも依然として皇太子に仕えていた。
しかし、その内面を覗いてみると、非常に大きな変化が見られる。
「殿下、今日の本会議の議題です」
「あなたが整理したのか?」
「はい、事案別に参考資料を添付しておきました」
マリは今は単なる侍女ではなく補佐官の役割をするようになったのだ。
本来、地位の高い侍女たちが主人の仕事を補佐することはしばしばあったが、まさか皇太子の仕事を補佐するというのはありふれたことではない。
そのため、彼女が皇太子の仕事を補助することについて内外で議論が起きた。
宰相オルンの場合はむしろ正式補佐官を任命するよう提案があったが、皇太子は「彼女より私の仕事をよく助けてくれる人がどこにいる?」と反対の声を静めた。
確かに彼女の仕事能力は優れている。
オルンもそれは否定できなかった。
「それでも侍女が殿下の国政を補助するのは・・・」
オルンはそのように反対を示したが、「彼女の職責が問題なら、最初から正式補佐官の地位を付与すればいいだろう」と皇太子はそのように答えた。
そのため、突然マリは皇太子の専属侍女兼補佐官になったのだ。
マリは自分に与えられた補佐官の地位を思い出し、気まずい表情を浮かべる。
(私が補佐官だなんて)
皇太子の補佐官。
それは要職中の要職だった。
職責自体も高く、帝国の支配者をすぐそばで補佐するポストだったからだ。
そんなとてつもない職責に侍女の自分が上がるなんて、信じがたいことに違いない。
(断ろうとしたけど・・・)
意外と皇太子は頑強に考えを曲げなかった。
『私に一番役に立つのはマリ、あなただ』
強い信頼が込められた言葉に、マリはため息をつく。
(補佐官になったことは悪くないけど)
もう彼女は逃げずに彼をそばで補佐することにした。
よって彼を補佐する上で補佐官の職位は大いに役立つ。
でも問題があるとしたら・・・。
「マリ、疲れて見えるね。もしかして体の調子が悪いんじゃないのか?」
「あ・・・、大丈夫です、殿下」
「無理はしないように、絶対に」
マリは気まずい表情を浮かべる。
彼女の当面の問題。
それはまさに自分に対する皇太子の心だった。
オルンがモリナ王女を見つけることができなかったのは西帝国の仕業だったのですね。
現状は西帝国の方が一歩上手のイメージがあります。
ヨハネフ三世の計画が気になるところです!