こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は136話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
136話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- キエルハーンの覚悟③
マリが口を開こうとした瞬間。
「マリちゃん」
キエルは悲しそうな目で彼女を見た。
「実は、死ぬのは怖くありません。私が残念なことはただ一つ。あなたにこれ以上会えないということです」
「・・・!」
「もう少し一緒にいたいのですが。いいえ、正直な気持ちでは永遠にあなたと一緒にいたい。そうできないことが、とても残念です」
キエルは躊躇いながら、ゆっくりと手を上げる。
「本当に申し訳ありませんが、失礼をお許しください」
彼はマリの顔を注意深く撫でた。
あまりにも大切で、むやみに触れることのできないことを慰めるような慎重な手つきで。
「あなたは知らないでしょう。私がどれほどあなたを大切に思っているのか。どんな気持ちであなたを見つめているのか」
「キエル様」
「もしあなたに会った最初からこんな結末が予定されていなかったら、私はこんな風にあなたを眺めるだけでは我慢できなかったかもしれません。私の全てを捧げて、あなたと一緒にいるために努力したはずです」
マリはその言葉に今までキエルが見せた態度をある程度理解することができた。
彼は自分自身を切望しながらも皇太子とは違う距離を置いてきた。
まさにこのような自分の運命を予想していたから。
「それでも、今まで一緒にいただけでも幸せでした。あなたと一緒にいた瞬間瞬間が私には全部大切です。いつも無彩色だった私の人生は、あなたの存在によって意味を持つようになりました」
そしてキエルは言った。
「今までありがとうございました。そして・・・、愛しています」
その話を聞いた瞬間、マリはついに我慢できず口を開いた。
「死ななければいいじゃないですか!」
「マリちゃん」
「どうしてそんな選択をしようとするのですか?」
彼女は胸がグッと込み上げて歯を食いしばる。
涙が溢れそうだった。
しかし、キエルハーンは首を横に振るだけ。
「私がセイトン家の家主である以上、仕方がないことです」
こうしてキエルハーンとの対話が終わった。
マリは別の方法を考えようとしたが、彼はすでに決心している。
(ダメ、絶対このまま見守るわけにはいかない)
マリは自分の部屋に戻りながら考えた。
家門の名誉を守ろうとする彼の心は理解できる。
皇室を守護し、皇帝の意思を代行することは、セイトン家の存在意義だったからだ。
今になってトルン2世の意を破って皇太子ラエルに跪けば、セイトン家の孤高な名誉は地に落ちるだろう。
(だけど、それでもキエル様がこのまま命を失うことを見守ることはできない。いくら家門の名誉が重要でも、キエル様の命より重いわけではない)
マリは固く思った。
王女としてクローヤン王城に連れて行かれる前の幼年期を平民として送ったからだろうか?
正直よく分からない。
家門の名誉は命よりも重要なことなのか。
彼らの崇高な意志を尊重しないわけではないが、彼女はキエルハーンがこのようなことで命を失うことを受け入れることができなかった。
彼は彼女の大切な人だったから。
(想像するだけでもこんなに胸が張り裂けそうなのに、キエル様が本当に死ぬ?ダメ、絶対に止めないと。何とか方法を用意しなきゃ)
キエルハーンを説得するのは無理に見えた。
柔らかい外見とは違って、鋼鉄のような意志を持った彼は、決して自分の意思を曲げないだろう。
そのため、他の方向で方法を探さなければならない。
「どうすればいいかな?」
きっと方法はあるはずだ。
いや、なくても作り出さなければならなかった。
キエルハーンと皇太子、彼女の両方のために。
そう思っていたとき、マリの頭の中に一つの方法がひらめいた!
(殿下も実際には自分の親友だったキエル様を殺したくはないはず。政治的状況上、仕方がないだけ。だから殿下にキエルが免罪できる名分を作ればいいんじゃ?)
マリは考え続ける。
(私が大きな功績を立ててキエル様を助けてほしいとお願いすれば!)
悪くない考えだった。
そうなれば、キエルハーンと皇太子、そして彼女の両方にとって幸せな結末になるだろう。
しかし、マリはすぐに自分の考えの問題点に気づき、落ち込んだ。
(そんな功績をすぐに立てられるはずがない)
並大抵の功績を立てて出来ることではなかった。
トルン2世の崩御まで残された時間は長くて2週間余り。
その中でどのような功績を立てるというのか?
キエルの意思は固いようです。
2週間の中で大きな功績を立てるのは不可能に近いのではないでしょうか?