こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は137話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
137話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 変曲点の始まり
「はあ、それでも何か方法があるはずよ。考えてみよう」
マリは深くため息をついて宿舎に入る。
おそらく今夜は悩みで一睡もできないだろう。
ところが、自分の部屋に到着した彼女はビクッとした。
「これは手紙?」
ベッドの真ん中に古風に飾られた手紙が置いてあったのだ。
「何?どうして手紙が宿舎のベッドの上に?」
マリは首を傾げて手紙を開く。
そして、便箋の表に書かれた文章を見た彼女の顔色が固まった。
<私の心の中のフィアンセに。君を切望する可憐な人が送る>
一見、単なる連署のように見えたが、そうではない。
彼女はこんな言い方をする人を知っていた。
「まさか?」
マリは急いで便箋を剥がす。
手紙の内容はこうだった。
<会いたいです。数日会っていないと胸が焦がれるようで懐かしいですね。こんなに辛いと知っていたら、本当に拉致でもすればよかったです>
ここまで読んだ彼女は、手紙を送った人が誰なのかハッキリと気づく。
(ヨハネフ三世からの手紙!)
明らかだった。
筆跡もそうだし、文体もそうだし、ヨハネフ三世なのは明らかだろう。
手紙には明確な日時と場所まで明示され、自分に会いたいと書かれていた。
(無視しよう)
マリは心の中で考える。
彼女は彼に二度と会いたくなかった。
だが、次に続いた内容を見た瞬間、マリの顔が青ざめる。
<ひょっとして会いにきてくださらないのではないかと思って付け加えます。首都に訪れる災いがこの前のことで終わったとお考えではないでしょうね?>
「何ですって?首都に災いがまた訪れると!?」
<昨夜予知夢を見たのですが、まもなく東帝国の首都に大きな災いが来ると思われます。今までとは比べ物にならない恐ろしい災いが・・・>
続いて書かれた内容はこうだ。
<私に会いに来てくだされば、あなたに会えた嬉しい気持ちで災いのヒントを差し上げるかもしれません>
そこで手紙の内容は終わった。
マリは青白い顔で手紙を見る。
「災いが訪れる?それも今までとは比べ物にならない?」
予知夢と表現されているが、それは全てヨハネフ三世が企てた陰謀に違いなかった。
「今回はどんな陰謀を企てたの?」
ヨハンが直接以前とは比べ物にならないほど酷いと表現したので、普通の陰謀とは違うだろう。
実際、彼女の心配通り帝国の首都には大きな災いが押し寄せていた。
ただの修飾的表現ではなく、本当に文字通りの「災い」が。
そしてその災いは、結論としてマリとラエルの両方に大きな影響を与えることになる。
今回の大惨事をはじめ、連続的な出来事により、彼らの運命は大きな変革を迎えることになった。
変曲点の始まり。
深い夜、マリは目を見開いた。
約束した時間だ。
「ヨハネフ三世に会いに行かないと」
人目を避けて行かなければならないので慎重に。
マリは夜遅くの皇居を後にして、用意しておいた馬車に乗って約束の場所に向かった。
ヨハネフ三世が指定した場所は、首都近くの人影のない野山。
しばらく走って目的地に到着した彼女は、遠くに見える男の姿に気を引き締める。
黒髪に黒の瞳。
知的な印象の美しいルックス。
ヨハネフ三世だった。
そばには執事だったルイスもいる。
「どうして東帝国を離れなかったのですか?」
マリは彼に問い詰めるように尋ねた。
カードゲームに負けた見返りとして東帝国を去る約束をしていたはず。
それだけでなく、皇太子にも正体がバレて、すぐに出発することにしたのに、こんなに堂々と首都の近くに滞在しているなんて?
ヨハネフ三世は首を横に振った。
「約束を破るつもりはありません。東帝国はすぐに出発します。ただ、私の心の中のフィアンセであるあなたと最後にもう一度だけお会いしたくて、しばらく猶予を置いていたのです」
彼はマリの手を握り、自分の口元に引っ張ってキスしようとすると、マリは慌てて手を引いた。
いくらレディーに向けた礼儀の表現でも、ヨハンのキスは・・・、絶対に嫌だ。
「ああ、残念です。挨拶することも許されないのですか?私はあなたをこんなにも恋しがっているのに」
「ご用件だけどうぞ。すぐ災いが訪れるとは、どういう意味でしょうか?」
マリが冷たい口調で尋ねると、ヨハンは肩をすくめる。
「その通りです。私は予知夢を見たのですが、帝国の首都に大きな災いが来る未来でした。いくら東帝国が西帝国の敵国だと言っても、私の胸が痛くなるほどでした」
本当に面白くもない言葉だ。
自分が企てた陰謀で胸が痛むだなんて!
「一体何を企んでいるのですか?」
「言いたくないのですが?」
「・・・何ですって?」
ヨハンはニッコリと笑う。
「王女がいくら私の心の中のフィアンセだとしても、私が申し上げる理由がないじゃないですか?」
マリは唇を噛んだ。
彼が言いたくなければ、言わせる方法もない。
彼女は深くため息ををついた。
「分かりました。それでは私たちがこれ以上対話を交わす理由はないですね。もう行きますので、すぐに東帝国を離れてください」
ヨハンは首を横に振りながら口を開く。
「ああ、怒らないでください。私の話はまだ終わっていないのですから。私の言葉に従っていただければ、災いの内容はもちろん、解決策までお知らせしますから」
「それは何ですか?」
ヨハンはふざけた口調で話した
「私にキスしてくれれば申しあげます」
マリとラエルに訪れる変革・・・。
ラエルの要求も呆れますが、マリは受け入れるのでしょうか?