こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は179話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
179話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- それぞれの思い
いずれにせよ、海賊侵攻事件は成功裏に終結した。
全面的にマリの功績であり、彼女が成し遂げたことはあっという間にクローヤン地方、いや、帝国全体に広がった。
「何だって?クローヤン地方に海賊が?」
「はい、陛下」
ラエルは皇居でその知らせを聞いて固くなる。
クローヤン地方との距離のため、彼が消息を聞いたのはずいぶん後だった。
「マリは?彼女は大丈夫かな?」
ラエルは何よりも彼女の安全が最も重要だった。
「なんてこった。私が去るのではなかったのに」
ラエルはマリのことをよく知っている。
民が危機に瀕しているのに、一人で安全なところにいるはずがなかった。
きっと今回も先頭に立って危険を甘受したのだろう。
「もし怪我でもしたら」
彼女が怪我をする場面がラエルの頭の中に浮かんだ。
毛先1本だけ傷ついても耐えられないのに、もし本当にひどい怪我をしたら?
いや、もし最悪の場合が起きたら?
「だめだよ、絶対に」
ラエルは歯を食いしばって玉座から立ち上がる。
「陛下?」
オルンは驚いて彼を振り返った。
「クローヤン地方に行く。一番早い騎兵隊を準備するように」
「陛下!状況は終わっているはずです!もし事態が長期化しても3軍団で自分で解決します!」
ラエルは歯を食いしばる。
彼も知っている。
今自分が走っていくのは何の意味もないということを。
しかし、彼女が危機に瀕しているかもしれないと思うと、心臓が止まってしまうようだった。
頭の中が真っ白になり、狂ってしまいそうな気持ちだった。
(去るのではなかったのに。いや、来る時にとんな手を使ってでも一緒に来るべきだったのに)
「クローヤン地方に行く」
「駄目です。どうせ行っても何の意味もありません!」
そのようにラエルとオルンが激しく対立する瞬間だった。
クローヤン地方から新しいニュースが届く。
まさにマリが海賊を掃討したという内容が。
「はあ・・・・」
手紙を読んだラエルとオルンは安堵の表情を浮かべる。
「さすがですね」
「・・・そうだね」
ラエルは手紙を何度も何度も見て、彼女が何をしたかについての詳細な説明が読む。
オルンは舌を巻いて言った。
「ヒルデルン子爵の能力はどこまでが終わりなのか分かりません」
彼女の能力だけは認めないわけがないと、オルンは思った。
「しかも危険を甘受する犠牲まで。だからクローヤン地方の人たちもヒルデルン子爵に感化せざるを得ないのでしょう」
一方、手紙を見ているラエルは何も言わなかった。
ラエルは彼女に感心するオルンの感情とは違うものを感じていた。
(海賊たちの目の前まで出る危険を甘受したと?間違っていたらどうするつもりだ?)
ラエルは拳を握りしめた。
もちろん知っている。
彼女も望んでしたことではないということを。
やむを得ず出たことだということを。
とても恐ろしくて震えただろうが、他の人々のために無理に我慢して出たということを全て知っている。
そのため、ラエルはさらに腹を立てた。
自分のすべてのような彼女だから。
彼女が危険を冒したことも、恐ろしい気持ちの中でも無理なことも全て悔しくて心が痛かった。
「マリ」
ラエルは目を閉じる。
彼女の明るい笑顔が浮かんだ。
離れたばかりだけど、会いたかった。
とても気が狂いそうに。
そしてその時、ラエル以外にも残念ながらマリを考えている人がもう一人いた。
まさに皇室親衛隊専任団長であり、帝国西北部地方の辺境伯であるキエルハーン侯爵だ。
彼は彫刻のような顔を氷のように冷たく固めていた。
「それでもうまく解決できてよかったです、閣下」
ある部下が彼に言った。
キエルハーンは静かにうなずいた。
「よかった」
彼は団長職から退いた後、国境地帯の領地に留まり辺境伯としての業務を遂行中だった。
しかし、そんな中でも一瞬も彼女を忘れたことがない。
いつも彼女のことを考えているうちに海賊侵攻の消息を聞いた。
心臓が落ちるように驚いた時、すぐに新しいニュースが伝えられる。
マリが驚くべき機転を利かせて海賊を掃討したというニュースだった。
「すべてうまく解決したのに、どうしてそんなに表情が良くないんですか、閣下?」
キエルハーンは苦笑いする。
「残念で」
「え?」
(あの弱い性格で海賊の前に立つなんて)
どんなに緊張して怖かっただろうか。
(その考えをすると気持ちがよくないね)
キエルハーンは重い表情をした。
「私がそばにいたら、彼女にそのような危険を甘受させておかなかったのに」
彼は嘆くように思った。
いつか私の助けが必要な時、あなたのそばに行きます。
「必ず」
彼女と最後に別れる前にした騎士の誓い。
マリは当時の誓いを深く考えていなかったが、キエルハーンは違う。
彼は自分の誓いを一瞬も忘れたことがなかった。
「私のレディーよ」
一方、危機から脱したクローヤン人たちはお祭りムードだった。
「わあ!」
「クローヤン万歳!」
人々は通りに出て歓声を上げる。
そしてその歓声の多くは、彼らを危機から救ってくれたマリに向かっていた。
「総督閣下万歳!」
「ヒルデルン閣下万歳!」
マリも彼らの呼びかけに応えて城壁の上に上がり、手を振る。
彼女を見るために集まった人々が雷のような歓声を上げた。
わあああ!
マリは彼らの歓声を間きながら胸がいっぱいになった。
ついにクローヤン王国民が自分を真に認め始めたのだ。
(まだ越えなければならない山はあるが、それでも最も重要な峠を越えた)
マリは包帯に巻かれた首をなでた。
矢が残した傷は思ったより深く、彼女はきちんと治療を受けなければならなかった。
一寸の深さでも命を落としたはずの傷。
(前王室の騎士団はきっとまた暗殺を試みるだろう。彼らの立場で私は目の敵同然だから)
滑稽なことだ。
モリナ王女に追従する彼らが、本物のモリナ王女である彼女を殺そうとしているとは。
とにかく彼女は彼らの脅威を克服するだけでなく、彼らを心の中で受け入れる必要があった。
(それでも彼らさえ収まればクローヤン地方は完全に安定するだろうし、もう私は本当に
彼の前に出ることができる)
マリは震える気持ちで考えた。
今まで切望していたこと。
ラエルの前に自分の真実の姿を現す瞬間が遠くない。
(もう少しだけ頑張ろう)
久しぶりのキエルの登場。
彼とマリの再会も遠くない?
目下の問題は王室騎士団ですね。