こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は64話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
64話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 犯人を追って
「何があっても捕まえるんだ」
「分かりました!」
命を受けた近衛騎士団の騎士たちが大声で叫んだ。
その時、キエルハーンが皇太子に言った。
「私も追撃に参加することを許してください、殿下」
「君が?君は皇居に・・・」
皇太子が訝しげな顔でキエルの顔を眺める。
キエルは石のように硬い表情で、犯人が逃走した北側をじっと見守っていた。
何か怒りを抑えているような。
「分かった。ただし条件がある」
「何でしょうか?」
「マリを罠に陥れた奴だ。絶対にそのまま帰ってこないように」
「心配しないでください」
キエルは自分の黒馬に乗り込みながら答えた。
「彼女のためにも、絶対に手ぶらで帰ってくることはありません」
追撃が始まる。
追撃される働き手は正体が何なのか、奇想天外な逃走実力を見せた。
追撃隊の耳目を何度も騙しながらあちこち抜け出したが、見逃しそうになったのは一度や二度ではない。
追撃隊を率いる人物がキエルハーンでなかったら、きっと逃していただろう。
キエルはマリに見せていた柔らかい姿が嘘だったように限りなく冷たい目つきで執拗に追撃を続けた。
「団長どうしたんだろう?」
同行した騎士たちが首を傾げる。
キエルハーンが怒った理由はただ一つ、
犯人がマリに悪辣な濡れ衣を着せたからだ。
「絶対に逃さない」
そんな執拗な追跡のおかげで、キエルはついに犯人に追いつくことに成功した。
キエルは犯人と荒れた急流が流れる切り下げられた絶壁の上で向き合う。
しかし、結局犯人を逮捕することは失敗した。
犯人が最後の瞬間、急流の下に飛び降りたためだ。
「くそっ!すぐに追いかけるように!」
キエルは急いで崖の下に降りた。
しかし、すでに絶壁の下に降りた時、犯人は行方をくらました後。
意識を失って急流に流されたのか、それとも無事に途中で脱出したのか分からなかった。
「マリちゃんを陰謀に陥れた背後を知るためには、必ず生け捕りにしなければならなかったのに・・・」
キエルは困惑した表情を浮かべる。
聖杯を盗もうとした理由も突き止めなければならなかったが、逃してしまったのだ。
それでも幸いなことがあった。
「団長!川の下で聖杯を見つけました!」
今回の事件で最も重要な聖杯を取り戻したのだ。
しかし、聖杯を奪取したにもかかわらず、キエルは暗い表情を緩めなかった。
「それでも犯人を捕まえるべきだったのに」
実際、彼には聖杯の行方よりも犯人の正体の方が重要だった。
彼にとって最も重要なことは、誰がマリを陰謀に陥れようとしたかだったから。
「泥棒は逃したが」とキエルは低く呟く。
「誰が彼女を害そうとしたのか最後まで追跡してみせる」
皇居をひっくり返した聖杯盗難事件がひと段落した。
人々は濡れ衣を着せられているにもかかわらず、今回の事件を解決するのに最大の貢献をしたマリを褒め称えた。
「今回のことも、フォン・ヒルデルンが解決したそうですよ?」
「皇太子殿下とキエルハーン閣下ではなくて?」
「はい、その方たちもう功を立てましたが、一番決定的な役割を果たしたのは彼女だそうです」
その通りだった。
大聖堂の秘密通路を発見し、聖杯が外部に持ち込まれた方法を推測したのはマリだ。
もちろん、皇太子とキエルハーンの助力がなければ犯人を捕まえることは不可能だっただろうが、一番大きな功績を立てたのは誰が何と言おうとマリだった。
「すごいですね、本当に。前回の帝国教国との問題を解決する方法を思いついたのも彼女ではなかったでしょうか?」
「その通りです。皇太子が彼女を大事にしているのも納得ですね」
皇居のすべてがマリに対して賛辞を吐いた。
皇太子が彼女を寵愛することに不満を抱き、貶していた人々も彼女を認めるようになった。
「先日、フォン・ヒルデルンのことを悪く言ってしまって申し訳なくなります」
「そうですね。私も何も知らずに悪気と言ってしまったので」
「次からはフォン・ヒルデルンについての変な噂は聞くべきではありませんね」
また、こんな話をする人もいた。
「知っていますか?」
「何をですか?」
「フォン・ヒルデルンが、実は皇居の天使だという話があります」
「本当ですか?」
皇居の天使。
以前から有名な存在だった。
「ええ、よく考えてみると彼女にピッタリでしょう。まあ、正確なことは分かりませんが、本当に皇居の天使が実在するなら、それはフォン・ヒルデルンではないかと思います」
「確かに・・・、そうかもしれませんね」
人々は同意する。
マリを感心し褒めるのは宮人だけではない。
皇太子も大いにお祝いをした。
「今回も君のおかげで問題を乗り越えることができた。本当にありがとう」
マリは慌てて首を横に振る。
「いいえ、殿下。すべて殿下が私を信じて導いてくれたおかげです」
彼女の言葉は空言ではなかった。
実際に皇太子が彼女を信じてくれなかったら、マリは何もできなかっただろう。
「殿下のおかげで、私の足りない能力でも役に立ちました」
彼女はそのように感謝の意を表す。
犯人は逃がしましたが、聖杯は無事に取り戻すことができました。
残るはレイチェルですが、彼女の共犯はバレていないのでしょうか?