こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は108話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
108話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カタラク伯爵の望み④
ヨハネフ三世の甘い提案を聞いた瞬間に浮かんだ顔。
それは自分を見つめるラエルの顔だった。
今や、マリは本当に避けられない状況でなければ彼の元を離れたくなかった。
そして何より重要な理由がもう一つある。
「私は陛下を信頼していません。もしこの東帝国を去ることになったとしても、それは私自らの歩みによるものであって、陛下について行くことはないでしょう」
「・・・!」
マリの確固たる声にヨハンの表情が固まった。
彼はしばらく沈黙し、口を開く。
「王女は祖国クローヤン王国の再建を望んでいないのですか?」
「それは私が望んで決める問題ではなく、クローヤン王国の真の主人である民が決める問題です」
マリは鋭く話し続けた。
「そして陛下の意思によれば、クローヤン王国は真のクローヤン王国ではなく、ひたすら西帝国のためのクローヤン王国になるでしょう。私の言葉は間違っていますか?」
正確に核心を貫く言葉にヨハンは口をつぐんだ。
二人の間に沈黙が漂い、息が切れるような緊張感が生まれる。
しかし、それもしばらくの間。
ヨハンは首を横に振りながらため息をついた。
「ふぅ、分かりました。やはり簡単ではないですね」
「・・・」
「でも、どうしましょうか?どうせ包丁の柄は私が握っているのですから?私が王女の正体を漏らした瞬間、どんなことが起こるかは予想していますよね?」
彼の言葉が正しかった。
話をした瞬間、マリはすぐに刑務所に入れられ、最悪の場合、殺されるだろう。
「私の正体を漏らしたら、私もじっとしているわけではありません」
「まるで私の正体を流すということですよね?まあ、ご勝手に。どうせ正体が明らかになったとしても、私はせいぜい追放程度で終わると思いますが、王女の立場は違うと思いますよ?」
「・・・」
マリは拳を握りしめた。
悔しいが彼の言う通りだ。
皇太子が西帝国との戦争を望まない限り、ヨハネフ三世に直接触れることは出来ない。
彼が東帝国に重大な過ちを犯したわけでもないのだから。
「王女に私の提案を受け入れてもらえれば良かったのですが、こうなった以上仕方がありません」
ヨハンの言葉にマリの顔色が変わる。
「私を強制的に西帝国に連れて行くということですか?」
「まあ、それも一つの選択肢です。そんなに難しいことでもありませんし」
ヨハンは彼女を見た。
「しかし、それは一旦保留にしておきましょう。強制的に連れて行くとしても、あなたの全てを手に入れるのは難しそうですからね」
彼はニッコリ笑って指を上げる。
「王女は拒否しますが、私はあなたを何とか連れて行きたいです。ですから、こうしてはどうでしょうか?」
「何をですか?」
「私とゲームを一つすることです」
「・・・ゲームですか?」
突然の話にマリは眉をひそめた。
「ここで進行中のカードゲームのことですか?」
「それではありません。もちろん、ある程度含まれていると言えますが、私が提案するゲームはこの帝国首都を巡って繰り広げるゲームのことです」
理解できない言葉だ。
帝国首都を巡って繰り広げるゲーム?
「これは王女にだけ話す秘密ですが、私には実は予言の異能があります」
「・・・」
「ああ、そんなに変な目で見ないでください。とにかく、その予言の能力から見て、この帝国の首都にはまもなく様々な災いが訪れるでしょう」
首都に災いが起きる?
「それは・・・、どういう意味ですか?」
「私も正確には分かりません。もともと予言というものはそういうものでは?ただ、災いが来ることだけが分かっています」
もちろん、マリは彼の言葉が嘘であることに気づいた。
(予言じゃない。皇帝が何か陰謀を企てているに違いない!)
ヨハネフ三世は西帝国を平定した時から陰険な計略家として有名だ。
きっと東帝国に対しても、悪質な計略を企てていることは明らかだった。
(ところで、どうして私に自分の陰謀を暗示してくれるの?)
マリが疑問に思ったとき、彼は自分の意志を明らかにする。
「私は気になるのです。神の加護を受けたという聖人ヒルデガルドの再臨と呼ばれるあなたが、その災いを迎えてどのような能力を見せてくれるのかを」
「・・・!」
「もしあなたがその災いを何の問題もなく解決すれば、神の意思と考えてあなたを素直に諦めて退きます。あなたの正体も永遠に黙っていましょう。これは西帝国の皇帝である私の名前を賭けて誓いますから信じてください。しかし、もしあなたがそれらの災害を解決できなければ!」
ヨハネフ三世は狂気の眼差しでマリを見つめた。
「その時は、あなたが私についてくるのです。どうですか、私が提案するゲームは?もちろんご存じでしょう?あなたには選択権がないということを」
「・・・!」
この上なく不当なゲーム。
しかし、彼が言ったように、彼女には選択権がなかった。
「一体・・・、どうして私にこんなことをするのですか?」
ヨハンは肩をすくめ、当然のように告げる。
「言いませんでしたか?あなたを本気で欲しがっているからですよ」
皇帝との不当なゲーム。
大きな災いとは?
マリはその災いを防ぐことができるのでしょうか?