こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は79話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
79話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 愛らしい音色
アビゲールが笑っている。
彼女が私の言葉に笑ってくれている。
セイブリアンは愚かな人のように、彼女の微笑みを目に留めることだけに集中していた。
もっと見ていたい。
もう少しの間、笑っていてくれないだろうか。
アビゲールは恥ずかしくなったのか頬を撫でながら口を開く。
「ご、ごほん。まあ、とにかく。色々とお心遣いありがとうございます。誤解するところでした」
誤解?
「もしかして、これを着て出てくることを願ったとか・・・」
「そんなはずがないじゃないですか」
セイブリアンは慌てて否定した。
アビゲールが自分の邪な心を覗き込んだようで焦ってしまう。
彼女は悪戯っぽく笑った。
「分かりました。そして、そのようなことをもう一度すれば予算を削ると仰ったじゃないですか。ですから、そんなつもりは微塵もありません」
アビゲールの断言にセイブリアンはさっきと似たような気分に。
半分の安堵と、半分の悔しさ。
いいや、違う。
安堵は嘘だ。
ひたすら名残惜しいばかりだ。
「今後そのようなことで予算を削るつもりはありませんのでご安心ください」
「え?」
アビゲールはどういう意味かと言わんばかりに眺めた。
セイブリアンは慌てて首を横に振る。
「もう遅い時間ですね。良い夜をお過ごしください、アビゲール」
これ以上滞在していたら、腹黒い本音がバレるのではないかと恐れた。
セイブリアンは夜の挨拶を残して部屋を出る。
来る時も行く時も同じ道なのに、一度も行ったことのない新しい道を歩いているような気がした。
無味乾燥だった世界がオルゴールの音を立てているようだ。
その愛らしい音色は彼の心臓の音に似ていた。
アビゲールは深呼吸をしたまま鏡の前に立っていた。
素肌に届く空気がひんやりとしている。
「ヴェリテ、本当に見ていないわよね?」
「見てないって!」
ヴェリテが少し離れた場所で大声で叫んでいるのが聞こえた。
鏡の中にはアビゲールが立っていた。
いつも見る顔だが、今日は一際他人のように見える。
彼女は白い下着を着ていた。
シルクとレースの下着がアビゲールの肌を隠している。
わ、わあ・・・、この前クララが持ってきたランジェリーよりは派手ではないけど、なぜか恥ずかしさはもっと大きかった。
セイブリアンが贈ったものだから?
「それを着て、セイブリアンに見せてあげようとしているの?」
「違うわよ!どうせ捨てるのだから、勿体無くて着ているだけよ!」
普通に下着を着ているだけ!
どうせ上に服を着たら分からないのだから着るだけよ。
本当に。
ところで白なのはセイブリアンの好み?
セクシーな下着よりはちょっと清純なタイプが好きなのかもしれないけど、私は・・・。
・・・ちょっと待って、どうして彼の好みを分析しているの?
私はそそくさとドレスを着た。
「もう着終わったわ。ヴェリテ、出てきてもいいわよ」
私の許可が下りた後にヴェリテが姿を現す。
全身鏡に映った彼の表情は尋常ではなかった。
「な、何よ?」
「君、セイブリアンのことが好きなの?」
「え!?ど、どういう意味よ!」
突然の質問に声が跳ねる。
ヴェリテは疑い深い目つきをしていた。
「好きじゃないのなら、なんでプレゼントで貰った下着を着るの?」
「着てみただけよ。それと昨日、本当にセイブリアンと会っている時は見ていないわよね?」
「二人きりでいる時は見るなと言ったじゃないか。見てないよ!」
ヴェリテが悔しそうに言った。
そうだよね、今朝私がセイブリアンから下着のプレゼントを貰ったという話にもビックリしてたし。
「とにかく!好きなわけじゃないから!」
「本当?じゃあ、セイブリアンのことは嫌いなの?」
「嫌いじゃないけど・・・」
初めて会った時よりは色々と印象は良くなった。
少し可愛くもあるし?
特に昨夜はちょっと驚いた。
クララを呼んで、私の好みを聞いたというのもそうだし。
全く想像も出来なかったことだった。
そしてその事実を言って緊張した彼の姿が・・・、愛おしかった。
そう、愛おしかったのよ!
あの図体が大きくて冷たい風が漂う男が、おやつを盗み食いしてバレた子犬のような姿が!
あんな姿を見たら可愛がらないわけにはいかないわよ。
けれど、それが彼を愛するという意味ではない気がする。
愛「らしい」ものだよ!
どちらにせよ、そんなことを言えばヴェリテがどんな表情をするか想像できない。
私はその感想を飲み込んだ。
ヴェりては依然として不満そうな顔をしている。
「とにかく!百歩譲って、セイブリアンが好きだとして。何か問題があるの?」
「あるよ」
「え?ヴェリテ、あなた・・・」
私は口を塞いだままヴェリテを見つめる。
「あなた・・・、私のことが好きなの?」
アビゲールが笑ったのは、セイブリアンの落ち込んでいる様子が愛らしかったからなのですね♪
そして、セイブリアンから貰ったランジェリーを着るアビゲール。
セイブリアンがそれを知ったら、どんな反応をするのでしょうか?
そして、ヴェリテはもしかしてアビゲールのことが気になっている?