こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は316話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
316話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 王子の帰還②
「オ、オベロン。お前がどうやってここに・・・」
自分の末弟のオベロンが幻影のようにそこに立っていた。
頭がこんがらがった。
どうやってあの呪いを解いたんだ?
自分の魔力をすべて注ぎ込み、他の魔法使いの魔力まで引き出して完成させた呪いだ。
いくら不世出の天才であるオベロンだとしても、解決できないようにした呪いだったのに・・・。
その呪いを解いて悪夢のように弟が帰ってきていた。
ベリテは久しぶりに遭遇した家族を眺めながら、にっこりと笑う。
「なんで?戻れないと思ったの?私を魔導具に封印する時、こんな事態も予想すべきだったのに」
ベリテの言葉に皆が驚愕を禁じえなかった。
妖精王は失われた息子との再会に喜びと混乱を同時に感じる。
「ドビン,お前がオベロンを封印したって?」
妖精王の声に身にしみる裏切り感が漂っていた。
ドビンは慌てて気を取り直して、悔しそうに泣きべそをかく。
「いいえ、お父さん、お母さん!オベロンが今、何か勘違いを・・・!」
「お兄さん。勘違いだなんて、寂しいですね」
ベリテが指を一度鳴らすと、壁の鏡から音が流れ出した。
鏡は何年も前、ベリテの部屋を照らしている。
今より少し若いベリテとドビンがそこにいた。
[ドビン兄さん、これは何?]
[蜂蜜を入れた牛乳だよ。飲んでぐっすり寝てね]
ベリテは無邪気な顔でそれを飲んだ。
そして、すぐに気絶するかのように倒れる姿が映る。
ドビンは黙々とその姿を見て手を伸ばした。
指先から流れ出る黒い魔力がベリテを包み込む場面が鏡で再生されている。
自分の罪を目撃して、ドビンは固まっていた。
どうやってこの場面が記録されているのか混乱した。
しかし、それはもはや重要なことではない。
自分を見抜くような鋭い気運にドビンが後ろを振り返った。
妖精の目はすべて火鉢のように熱していた。
特に妖精王の瞳には深さの分からない怒りがあふれている。
「お前の弟を魔導具に閉じ込めておいて、今まで知らん振りをしていたのか?お前がどうやって・・・!」
病人とは信じられないほど激しい声。
ドビンが凍りついて反論もできないと、彼が鋭く言った。
「この罪は黙過できない。オベロンの思い通りに処罰を決める」
妖精王の判決を聞くと、ドビンは数千本の刃に露出された気分になる。
オベロンの決定によって自分の命が決まった。
拘禁や島流しではなく、死刑を言い渡すかもしれないということだ。
ドビンは急いでベリテの前にひざまずく。
もはや王位が問題ではなかった。
「オベロン、私はしばらく王権に目がくらみ、このような過ちを犯した。どうか私を許してくれ。お願い・・・!」
先ほどまでは帝国統一を夢見ていた王子は、地に崩れていた。
ベリテはそのようなドビンを、多少無感でさえ一目で見下ろしている。
彼はしばらく睨みつけて口を開いた。
「私の頼みを聞いてくれれば、流刑くらいに変えてあげることはできるが」
「お、お願いって?」
「連合軍に魔弾販売を中止しろ。そして、ネルゲンに無償で武器を提供すること」
ベリテの要求にドビンだけでなく、皆が驚いている様子だ。
意図が分からない要求。
ドビンは躊躇いがちに質問を投げかけた。
「ネルゲンにはなぜ?」
その質問にベリテはしばらく沈黙する。
短い静けさの後、少年は自分の兄を見つめながら言った。
「私の愛する人がそこにいるから」
迷いのないはっきりした声。
ブランシュがそこにいるだけでも、ベリテは全力でネルゲンを守らなければならなかった。
その答えに皆が驚いた目になっている。
ドビンもぼんやりと弟を見つめ、一瞬瞳に光が戻ってきた。
「・・・魔弾販売を中止してみないとネルゲンは滅びるぞ」
「え?何言ってるの?」
「私が武器を売ったのはクローネンバーグだけではない」
ドビンの声にかすかな喜びと生気がにじみ出ていた。
崩れる中、ベリテに最後に復讐できる機会であることを悟ったためだ。
「モルカに艦船の主砲を売った。今頃は公海付近に到着しているはずだよ?」
連合軍の力だけでは序盤に敗北する可能性があると判断し、ドビンは密かにモルカに接触していた。
モルカもやはりネルゲンに不満を持っていたところだったので、取引を成功させるには困難がなかった。
その知らせにベリテの顔は真っ青になる。
現在、ネルゲンの軍隊の多くが戦争に派遣されている。
主砲をつけた艦船が東部を侵略すれば、いくら強国のネルゲンとしても苦戦を強いられることは明らかだ。
すでに販売した武器を奪うこともできない。
その時、外に立っていた侍従がおずおずと近づいてきた。
「あ、あの・・・恐縮ですが。モルカから連絡がありました・・・」
「モルカが?何だって?早く言って!」
ベリテは驚いた目で侍従の腕を掴む。
戸惑った侍従がたどたどしく口を開く。
その口からこぼれる内容に、ベリテの瞳が激しく揺れた。
砲撃と悲鳴が津波のように押し寄せていた。
数十台の軍艦がぎっしりと集まっていて、海の色が何なのか区別できないほどだ。
そして、その軍艦のうち十数台はすでに転覆し、浸水して沈んでいる。
海軍が悲鳴をあげながら沈没する船から脱出している中でも、砲撃音は止まらない。
「何をしているのか!撃て、撃て!」
司令官は首に青筋を立てて怒鳴りつけた。
租国の紋章をつけている軍艦が凄惨に沈むのを見ていると、血が逆に上がる。
「し、司令官!無理です、私たちの武器では・・・!」
その言葉にモルカの司令官が目を光らせながら部下を睨んだ。
彼が腹いせでもするように大声を張り上げた。
「妖精たちから買ってきた主砲なのに、一体どうして!」
「海の中にいる人魚たちをどうやって砲撃させるんですか!?」
モルカの軍艦を沈没させるのはネルゲンではなかった。
ネルゲンの艦船は遠く離れてこの状況を見守っているだけ。
彼らを遮ったのは人魚たちだった。
彼らは甲板に上がって、激しい波のように戦場を荒らしていたのだ。
それだけではない。
戦闘組ではない人魚たちは船の下に近づき、船体に穴を開ける。
いくら優れた武器を持っているとしても、人間が船の下の四角で起こることを防ぐことはできなかった。
あっという間に海水が押し寄せて沈没した艦船がすでに十数台に逹している。
修理をしようとしても戦闘で余裕がなかった。
海戦で人魚に勝てる種族はいない。
司令官は頭が煮えくり返って気が狂いそうだった。
遠くに見える赤毛の人魚のせいで、さらに腹が立つ。
人魚たちはみな立派な戦士だったが、彼女ほど圧倒的な者はいなかった。
ナディアの摘発が勝機のようにはためく中、嵐のような声が戦場を泣かせる。
「全軍、ネルゲンの艦船を保護し、モルカの艦除を壊滅させろ!」
「はい!ナディア殿下!」
指示に従って人魚たちが一糸乱れず戦場を凌辱していく。
ナディアは血まみれの三叉槍を持っていた。
それは王位を継承する者だけが握ることができる王家の武器。
ナディアが王位継承権をかけた決闘を申請して勝利したのがつい最近のこと。
海の規則は弱肉強食だ。
最も強い者だけが海の支配者になることができ、ナディアはそれに挑戦した。
父を倒し、自分の姉妹兄弟との決闘でも勝利だけを成し遂げた。
王位を継承することになり指揮権を得ることになり、またナディアほどアビゲールを支持する者もいた。
今、誰よりも怒りながら敵軍を虐殺する人魚たち。
密輪屋に捕まったが、アビゲイルのおかげで帰ってきた者たちだ。
「敵の血と涙で海を覆え!」
しかも、モルカは人魚を最も多く拉致して殺した国。
恨みが刃とともに輝いていた。
司令官は自分の軍隊が海に落ちて敗退するのをただ見るしかなかった。
彼は悪につられて魔弾を取り出す。
敗北するしかないなら、一つでも殺さなければならなかった。
司令官がナディアを狙った瞬間。
お腹に雷でも落ちたように、ドカンという音が鼓膜を打つ。
船体がぐらぐらと傾くのを感じた。
「司令官!司令船がやられました!沈没します!」
悲鳴が上がり、司令官は内臓が乾いているようだった。
船が完全に沈没する前に脱出しなければならないという考えさえできなかったところ。
その前に、グンヒルドが骨で作った剣を持ったまま、獣のように笑っていた。
司令官は怒りと憤りを同時に感じる。
彼はグンヒルドに向かって大声で叫んだ。
「人魚がどうして人間たちの戦いに割り込むんだ?私たちはあなたたちと戦うつもりはない!私たちの目標はネルゲンだ!」
人魚たちが誤解をして自分を攻撃したのだと思った。
しかし、グンヒルドは驚き一つもなく、落ち着いて答える。
「知ってるよ」
その返事に司令官は気が抜けてしまう。
何十台もの軍艦が無力に沈む中、彼はぼんやりとした顔で尋ねた。
「なんで?なんでネルゲンを助けるんだ?」
グンヒルドは返事をする代わりに、足でカいっぱい床を打ち下ろした。
船が地面にひび割れ、沈没する中、グンヒルドはにっこりと笑う。
「その家の子供と夏にぶどうを食べることにしているから」
ドビンの失墜にも満足しましたが、ナディアの出世に驚きです。
これでネルゲンが敗北する可能性はなくなりましたね。