こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は179話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
179話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- クローネンバーグの目的
「卿。私を説得するのなら、まともな利益を提示して欲しい。この戦争でネルゲンが得るものは何か?」
セイブリアンの言葉にケインは肩を震わせる。
二人はほぼ同じ年齢だったが、それぞれの威圧感は比較すらできなかった。
片方がウサギの巣穴を漁るキツネなら、片方は他の肉食動物の首筋を噛む黒豹だ。
ケインは躊躇いがちになり、いっそう小さくなった声で話す。
「帝国の土地を・・・」
「私の民の命を要求しようとするなら、これ以上の土地など必要ありません」
黒髪の猛獣が低く唸り声を上げる。
血の匂いがしない戦争はない。
軍事と軍馬の血で染まった僅かな土地を得るためにネルゲンの人々を戦場に送る気は全くなかった。
ケインは黙り込む。
セイブリアンはこの退屈な会話を終わらせたかった。
会話を終わらせようとした時、ケインが口を開く。
「人間の王ではなく、全種族の王だとしたら?」
彼の声は奇妙なほど鋭く立っていた。
自尊心が傷ついたのか、それとも彼が吐き出す単語が重いためなのか、それは分からない。
「異種族と戦争でも起こそうと?」
「過去には敗北しましたが、人間の帝国を建設すれば可能ではないでしょうか?」
ケインの瞳がアビゲールに似た紫色で、しかし厳然と違う色で輝く。
どうしてあんなに貪欲な紫色なのだろうか。
ケインの本当の本音を知ると、その貪欲さに感心するほどだった。
レタ、モルッカを制覇するのが目的ではなく過程に過ぎない。
クローネンバーグの最終目的は異種族との戦争。
そんな考えをする者はケインが初めてではなかった。
また最後でもないだろう。
ケインは両目を輝かせながら話を続けた。
「異種族に魔力があるとしても、その数は少ないです。帝国の頭数なら十分に大勝できるでしょう。人魚と妖精の魔法を手に入れたなら、人間の帝国がどれほど輝くか想像がつくじゃないですか?
言い換えれば、頭数が異種族の3、4倍にもなるのに、彼らに無闇に接することができないのは魔法のためだ。
彼らが使う魔法がどれほど華やかで貴重なものだったか。
人間が高い値段で魔道具を買ってくるのを見ただけでも分かるだろう。
もし彼らの魔法を手に入れることができれば、人間は遥かに発展するはず。
ケインはセイブリアンは睨む。
これだけ話せば興味が湧くように。
セイブリアンは黙々とその視線を見つめ、口を開いた。
「確かに土地や呼称よりは価値がありそうだね」
その答えにケインは微笑む。
後に続く答えを聞く前までは。
「だが、まだ私の民の命に値するものではない」
セイブリアンの声は鉄のように冷たく重かった。
その言葉にケインは息が詰まりそうになる。
まだ足りないのか?
あの広い土地と海、人間の命数千個とは比べ物にならない魔法を持つこともできるのに足りないとは・・・。
「他に提示するものはありますか?」
セイブリアンが黙々と尋ねる。
怒気も皮肉もなく、ただ乾燥した問いだが、瞳の中だけは凶暴な青色で輝いていたので、さらに鳥肌が立った。
ケインとしては、これ以上提示できるものはない。
彼は拳を握りしめたまま言った。
「・・・これで失礼します」
「ゆっくり休んでください、ケイン卿」
ケインはよろめきながら席を立つ。
顔には血の気がなかった。
ケインが去っていく中でもセイブリアンは静かだった。
ドアが閉まる音が聞こえると、セイブリアンはさっき仕舞った書類を持ってきて再び政務を始める。
何事もなかったかのように。
猫が伸びをするように柔らかくて長いあくびが流れ始めた。
私は眠そうな目元をそっと擦る。
「お母様、お疲れなのですか?」
私の隣に座って本を読んでいたブランシュが尋ねた。
刺繍をしていたクララとノーマも私の方を眺める。
「ええ、少し眠いですね」
「昨日よく眠れなかったのですか?」
私は照れ臭そうに笑う。
眠くならないようにしたが、昨夜遅く寝てしまい思わずあくびが出てしまった。
睡眠不足の理由は二つだ。
一つはケインのせい。
昨日寝る前、セーブルはケインが訪れた本当の目的を教えてくれた。
その話を聞いて、私はしばらく呆然としてしまった。
戦争。
ケインが訪問するほどなら重要なことだと思ったが、戦争だとは夢にも思わなかった。
セーブルが断ったという話に胸を撫で下ろしたが、同時に心配も起きた。
『モルッカとレタが同盟を結べば、そちらから侵略する可能性もあるのではないのでしょうか?』
『それに備えて我が国が両国に平和協定を提案する方法もあります。モルッカとレタとしては、戦争よりそちらの方が利益でしょうから』
戦争で帝国を統一する方法もあるが、協定で平和を維持する方法もある。
後者の方はいつまでも続くわけではないけれど・・・。
器の違いを見せつけたセイブリアン。
ケインはこのまま諦める?
それとも、次はアビゲールに何か仕掛けてくるのでしょうか?