こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は66話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
66話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 約束の証
その後、少しの時間が経過した。
天気がもう少し寒くなり、皇居には誰も知らないうちに裏手に鋭い気運が流れる。
皇太子ラエルは、レイチェルを密かに見ていた。
「理由もなく聖杯を盗むはずがない。必ず誰かが背後にいる。それを突き止めないと」
実際、レイチェルよりも重要なのは彼女の背後にいる本当に背後だ。
ラエルは心の中で呟く。
(待っていろ、きっと隙を露呈する。その時は以前のように逃さない)
そう思っていたラエルは、ふと深いため息をついた。
先日、キエルハーンが自分に投げた言葉を思い出したのだ。
彼の視線に、書類を整理している少女の姿が入ってくる。
「マリ」
彼女を見ていると胸が苦しくなってきた。
「殿下?何か頼まれることでもありますか?」
マリが訝しげな表情で自分を見つめている。
「いや、何も」
彼は首を横に振りながら心の中で悲しげな表情を浮かべた。
(マリ、君は私が君についてどんな考えをしているのか分からないだろうね)
時間が経つにつれて彼女への思いはますます大きくなり、今では到底どうすればいいのか分からない状況になってしまっていた。
(一緒にいるだけでは我慢できない)
そう、我慢できなかった。
この渇望と渇きは、彼女のすべてを望んでいる。
切実に、狂いそうに。
(私の個人的な感情は重要ではないと思っていたのに・・・)
ラエルは苦しそうな顔で考えた。
(この気持ちは一体どうすればいいのか)
そのように彼が苦しんでいるとき、新しいイベントが近づいてきた。
冬を迎える前の皇居恒例の晩秋狩りだった。
「今回の狩猟場所は、首都南ジパン山脈のアルト森よね?」
「ええ、毎回猛獣がたくさん出る場所だから」
「騎士様たちがあまり怪我をしないでほしいですね」
侍女たちは、これからの大規模な狩りについて大騒ぎしていた。
皇居の恒例行事である晩秋狩りは貴族の遊戯のためではない。
むしろその反対。
猛獣が多く出没する地域を指定して大規模な掃討を行、猛獣による民の被害を減らし、騎士団の訓練を兼ねるための東帝国の古い伝統である。
「今回はデルフィナの方々も同行するのでしょ?」
「当然そうでしょう。在宅期間中、ほぼ最後のイベントですから」
「もうそんな時期なのですね」
侍女の一人が言った。
狩りが終われば冬になり、皇太子妃争いも終わる。
これで両候補のうち一人が最終的に皇太子妃に選ばれるだろう。
ところが、誰かが首を傾げて呟く。
「お二人のうち、どちらが皇太子妃になるのでしょうか?今の雰囲気から見ては全然見当がつかないので」
「そうですね」
他の侍女たちも、その言葉に同意した。
誰が皇太子妃になるのか全く見当がつかないのだ。
両者の競合が激しかったからではない。
逆に、どちらも皇太子と全く近くなく、どちらが皇太子妃になる見当がつかなかったからだ。
「熱心だったアリエル公女殿下もなぜか最近は何の活動もなく、レイチェル令嬢も同じだし。どうなるか分かりませんね」
「このままだと、本当にフォン・ヒルデルンが皇太子妃になるのではないでしょうか?」
誰かがマリのことを話した。
しかし、大半はその意見に反対する。
「いいえ、いくら殿下があの方を寵愛されているとしても、それはないでしょう」
「そうですね、殿下は帝国に得になる権勢のある家柄の令嬢を選ぶでしょう」
ほとんどの人はそう思った。
時間が過ぎ、首都南ジパン山脈のアルト森に狩りに行く日が近づいてきた。
狩りを率いる者が皇太子だったので、マリも当然ついて行くことに。
ただ、意外にもキエルは皇居に残った。
それは彼が皇帝を守護する親衛隊の団長だからだ。
「必ず気をつけなければなりません。ジパン山脈は猛獣がたくさん出没するので、危険な場所には行かないでください」
狩りに行く前日、マリはキエルに会った。
キエルはマリのことが心配なのか何度も忠告する。
「心配しないでください、閣下。どうせ私が狩りをするわけではないのですから」
「それでも危ないかもしれないので、ぜひ気をつけてください。兵舎の外には絶対に離れないでください」
マリは微笑んだ。
キエルの姿が、なんだか母親が娘を心配している姿のようだったから。
「私が一緒に行かなければならないのに」
キエルが本当に悲しそうな声で呟く。
マリは微笑みながら首を横に振った。
「本当に気をつけますので、心配しないでください。約束しましょ?」
マリが小指を差し出す。
キエルがどういう意味なのか分からず、不思議そうな表情をすると、彼女は説明した。
「こうやって小指をかけて約束するんです」
その説明にキエルが優しい笑みを浮かべる。
「そうなのですね。それでは、必ず気をつけることを約束してください」
「はい、約束です」
二人の小指が重なった。
幼い友達の間でする約束の証。
そう約束した後、キエルはもう一つお願いをする。
「ところで、いつ頃私をキエルと呼んでくださるのですか?」
「あ・・・」
マリは悩み、結局言った。
「・・・キエル様」
そう呼ぶと、何だかむずむずした感じがして頭を下げようとした瞬間。
キエルが限りなく嬉しそうな表情をしたので、マリは少し驚いた。
「いいですね」
「え?」
「マリちゃんが私の名前を呼んでくれて、もっと親しくなったような気がして嬉しいのです」
それを聞いたマリは理由もなく顔が少し赤くなる。
キエルからは、いつも自分を大事にしてくれる気持ちが感じた。
もちろん彼女も彼のことが好きだ。
「はい、私も嬉しいです」
次は狩猟イベント。
レイチェルがこのまま黙って終わるとは思えません。
キエルは今回来れませんので、ラエルに頑張ってほしいですね。
今回も何か予知夢を見るのでしょうか?