こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は７９話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい？」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女！最高の彫刻家！天才音楽家！
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる！
マリ：本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル：皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル：皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン：公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世：西帝国の皇帝。
オスカー：第十皇子殿下。
アリエル：皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル：皇太子妃候補。イーストバーン家。
７９話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- キエルへの答え
『君のすべて、すべての心を私のものにするまで、君を待つ』
あの日のこと以来、皇太子は自分の心を隠していない。
燃える目つきでマリを見つめながら、自分の心を表していた。
（私は殿下の心を受け入れられない。いいえ、受け入れてはいけない）
マリは胸の中でため息をつく。
しかし、実際に最も大きな問題は別にあった。
彼女は自分を渇望する彼の目つきに最後まで揺れない自信がなかったのだ。
それがマリの最大の問題だった。
「あ、雨粒が・・・」
遅い時間まで書類を見ていて遅れて獅子宮を出たマリは、空を見て困った表情を浮かべた。
「どうしよう？宿舎まで行ったら、びしょ濡れになりそうだけど」
悩んでいると、柔らかい声が彼女を呼んだ。
「傘でも貸しましょうか、レディ？」
「キエルさん！」
マリは驚いた表情で首を傾げる。
そこには銀髪のキエルが傘を持ったまま薄く微笑んでいた。
「ここにはどうして？もしかして私のせいで・・・？」
マリが申し訳なさそうな表情を浮かべる。
しかし、キエルは気にしないでというように首を横に振った。
「ただ偶然すれ違っただけなので、気にしないでください。特にマリちゃんのために待っていたわけではありませんから」
彼の言葉にマリは微笑んだ。
馬鹿でなければ、彼がわざと自分のために待っていたことが分かる。
自分が負担に思うかと思ってそう言ったのだろう。
「忙しいのに次からはやめてくださいね。私は雨や雪に濡れても大丈夫ですから」
「考えておきますね」
「必ずです」
実際、キエルがマリを出迎えたのは今回が初めてではなかった。
以前、彼女が雪でびしょ濡れになっているのを偶然目撃した彼は、それ以来雨や雪の日ごとに彼女を待っていたのだ。
どれだけ大丈夫だと言ってもキエルは意地を曲げてくれない。
「キエルさん」
マリは思わずため息をつく。
皇太子と同様に、彼女はキエルの心も受け入れることができなかった。
彼が自分に優しくすればするほど申し訳ない気持ちになってしまう。
一方、彼女がため息をつくと、キエルは体をビクッとさせてしまった。
「マリちゃん」
「え？」
キエルは躊躇いながら尋ねる。
「もしかして私の行動は不便でしょうか？」
その言葉に彼女はカッと首を横に振った
「そ、それは違います。ただ・・・」
「ただ？」
「・・・この前申し上げたように申し訳なくて」
しばらく沈黙が流れた。
実はマリは先日、キエルの心を押し退けたのだ。
これ以上彼の心に背を向けることができなかったから。
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「申し訳ありません。私は閣下の心を受け入れることができません」
その日、マリは余地を残さないように、できるだけ硬い口調で話した。
ところがキエルの答えは意外にも。
「受け入れてくれなくても構いません。そもそも恩返しを望んでマリちゃんが好きだったわけではないですからね」
彼はマリの手を優しく掴んだ。
そして彼女の手を注意深く自分の唇に導きながら言った。
「あなたを愛しています。ただこう見ているだけでも、一緒にいるだけでもいいので、その程度だけ許してもらえませんか？」
「でも・・・」
「お願いします」
そのように話す彼の目つきがとても切実で、マリはどうしても断ることができなかった。
「マリちゃん」
その時、キエルが想念に陥っていたマリを呼んだ。
「この前申し上げたように、私に申し訳ないと思う必要はないと言いましたよね」
「・・・」
「ただ私が好きでやっていることです。私はマリちゃんとこのように一緒にいられるだけでも幸せで嬉しいです。だから、マリちゃんは気楽に考えていただければ幸いです」
気楽に。
到底彼の言葉のように考えることはできないが、マリは仕方なく頷いた。
淡い笑みを浮かべたまま、しばらくじっと彼女を見ていたキエルが尋ねる。
「マリちゃん」
「はい？」
「もしかして、今年の新年パーティーに出席されますか？」
マリは頷く。
以前の下級侍女ならともかく、現在の彼女は爵位を受けた貴族だから新年パーティーに出席する義務があった。
「はい。それが何か？」
「その・・・」
キエルは躊躇いながら口を開く。
「もしよければ・・・、その日の新年パーティーで私のパートナーになってもらえませんか？」
「・・・！」
マリが驚いて彼を見ると、キエルが慎重な口調で言った。
「ただ・・・、私はマリちゃんと一緒ならいいので・・・。もし不便だったら断ってもらっても大丈夫です」
マリはしばらく躊躇ったが、うなずく。
大した頼みでもなく、せいぜい宴会のパートナーだ。
あそこまで言われて断るのも礼儀に反する。
「ええ、分かりました。ですが私が同行すれば侯爵様と不釣り合いかと・・・」
彼女もそれなりの貴族爵位を受けたが、大貴族のキエルと比べると格がかなり落ちた。
しかし、キエルは首を横に振る。
「不釣り合い？そんなことを言わないでください」
そして強い口調で話した。
「むしろ光栄の極みです」
ところが、マリは翌日に皇太子から思いもよらない話を聞く。
「新年パーティーの時、私のパートナーになってくれないか？」
マリが鈍感な主人公ではなく、自分を想ってくれている二人に対して答えたのはグッドですよね！
キエルもマリのことを諦めていません。
今回はキエルのパートナーになりましたが、ラエルにはどう答えるのでしょうか？
