こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は126話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
126話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 運命をかけた勝負⑥
「・・・」
ヨハンはマリの言葉にしばらく沈黙した。
到底信じられない様子だ。
その瞬間、寒気の落ちる声が彼らの間に落ちる。
「終わり。そこまで。もう終わりだ」
無面の仮面をかぶった金髪の青年。
マリは聞き慣れた声と話し方にビックリした。
(まさか?)
彼が仮面を脱ぐとマリは心臓が震えるほど驚く。
絵のように美しい外見。
皇太子ラエルだった。
「で、殿下?」
彼女は唾をごくりと飲み込む。
なんとなく見慣れた感じだと思ったら皇太子だったのだ。
彼の顔を見抜いたのはマリだけではない。
仮面をかぶった参観者の中にも、当然皇太子の顔を見抜いた人がいた。
「で、殿下!?ど、どうしてこんなところに・・・!」
「えっ!?皇太子殿下だって!?」
彼らは仰向けに跪いてうつ伏せになる。
このような非道徳的な賭博に参観しただけでは足りず、皇太子に無礼まで犯したのだ。
怒ったラエルが彼らに罰を与えても反論できない。
ラエルは虫を見るように彼らを見た。
「仮面をかぶっているからといって、私があなたたちが誰なのか分からないと思うわけではないだろう?」
「申し訳ありません。お許しを・・・!」
「お願いですから命だけは・・・」
彼らはうつ伏せになったまま震えていた。
あの血の皇太子なら、自分たちに大きな罰を与えてもおかしくない。
皇太子は軽蔑のこもった声で語った。
「今すぐ消えろ。まだ目の前に見えたら首を切ってしまいそうだ」
その言葉を最後に、彼らは一目散に逃げ出していく。
「ゴミ見たいな奴らめ」
皇太子は舌打ちした。
彼は今度はマリの方向を見つめる。
「マリ」
「・・・はい、殿下」
「君のした過ちは分かっているだろう?」
「・・・はい」
「誰がこんな危険なことを許した?」
「申し訳ありません」
「もちろん、あなたがどんな意図でギャンブルをしたかは理解している。しかし、このような危険なことに乗り出すのは決して容認できない。今すぐ皇居に戻るように。今度のことに対する罰は別に下す」
マリは彼の顔色をうかがって立ち止まった。
今度はカタラク伯爵、いや、ヨハネフ3世の番。
皇太子は他の人たちを見た時とは比べ物にならない冷たい目つきでヨハネフ三世を眺める。
「カタラク伯爵、賭けの内容は聞いていた。あなたの家の債務返済はもちろん、あなたが持ってきた財産をすべて置いて帝国を去るということだね?」
「ええ、その通りです」
ヨハネフ三世は頷いた。
「お前とは長く話したくない。今すぐに去れ」
「分かりました。約束は約束ですから、そのまま守らなければなりません」
ヨハンは皇帝らしく、ラエルの目つきにも全く気後れしない。
むしろ特有のしなやかな口調で話した。
「ですが今すぐはあまりにも薄情じゃないですか。せっかく来たのですから東帝国を観光してから帰りたいのですが?数ヶ月だけ猶予をください」
「何ヶ月?たった一日も与えることはない。今すぐ去れ」
ヨハンはどうしようもないかのように肩をすくめる。
「分かりました、仕方ないですね。今すぐ出発するようにしましょう。ただ・・・」
ヨハンはまだ場内を出ておらず、様子を伺っていたマリに話しかけた。
「フォン・ヒルデルン!」
「・・・!」
「1億ペナであれ、2億ペナであれ、お金を失ったのは一つも惜しくありません。あなたを得られなかったのは胸が張り裂けますが」
彼は本当に悲しい表情で言った。
「私の恋煩いは解決できないようです。今夜も、明日の夜も、これからも永遠にあなたのせいで苦しむ運命のようです」
「・・・」
「でも安心しないでください。恋煩いに苦しんでいた私が、あなたの夢の中に現れて拉致を試みるかもしれないから」
マリはこんな状況でもそんな事を言うヨハンを見てうんざりした表情を浮かべ、皇太子は心からカッと怒った。
「消えろ!今すぐ!」
ヨハンは残念そうな表情をして、執事ロイスに声をかける。
「すぐに去らなければならない。無一文で追い出されるのだから、荷物を纏めるものがなくてかえって良かったと言うべきか」
「・・・はい、伯爵様」
ロイスはため息をついて頷く。
まさかこんな風に潰れて追い出されることになるとは、ただの一度も考えらなかったことだ。
「行こう」
そのようにヨハンがロイスと一緒に密室から出て宴会ホールに降りたとき、彼らは驚いた表情を浮かべた。
「・・・!」
カジノの客でごった返していた宴会ホールががらんと空いていたのだ。
まるで誰かが追い出したかのように。
顔を固めて外に出ると、さらに驚くべき光景が広げられていた。
「・・・!」
屋敷を包囲している無数の軍馬。
今にも戦闘を行おうとするかのように完全武装した騎士たちだった。
マリに与えられる罰が気になりますね。
ヨハネス三世は、このまま帰ることができるのでしょうか?