こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は191話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
191話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 火山噴火②
エトナ島は、海路上重要な街角にあり、交易が発逹した島。
島の大きさも非常に大きかった。
島の中に海に向かう大きな川もあるほどだ。
居住する人口も1万人を超えた。
火山が溶岩を噴出すればどんな犠牲が発生するか分からないため、できるだけ早く人々を陸地に避難させなければならなかった。
「急いで動いてください!」
「はい、閣下!」
船を十分に集めたから何とか避難させることができるだろう。
ところがその瞬間、予想外の問題が発生した。
島の住民の一部が避難を拒否したのだ。
「人々が島を離れることを拒否しているんですって?」
「はい、閣下。陸地に行っても生きていく方法がないと意地を張っています」
ポンティル男爵は困った顔をした。
マリは島民の事情を理解する。
すべての人生の基盤が島にあるので、どうしても去る決定をするのが容易ではないだろう。
(それでも今は仕方ない。とりあえず命を先に救わなければならないから)
そう思ったマリは島民を説得することにした。
一刻を争っているのだ。
彼女はまず島民の代表に会った。
「時間がありません。早く島を離れて脱出しなければなりません。いつ火山が噴火するかわかりません」
しかし、彼らは首を横に振るだけだ。
「一生を島で生きてきました。あらゆる基盤でこの島にいますが、ここを離れると私たちは生きていくことができません」
「しかし、残っていれば命を失うだけです。島を離れるのが嫌になるのは理解できますが、一度生きてから考えなければならないです」
マリは急いで代表たちを説得した。
その時、一人の代表が意外な提案をする。
「閣下、火山を止める方法はないのですか?」
「当然そんな方法は・・・」
火山噴出は自然災害だ。
自然災害を防ぐ方法はなかった。
ところが、首を横に振ろうとしたマリの頭の中に一つの知識が浮かんだ。
まさに以前に見た夢、「偉大な建築家、ビトルビウス」から起因した知識だった。
(ちょっと待って。方法が一つあるじゃないか)
火山はいろいろな形がある。
静かに溶岩だけが流れ出る火山と、火山灰や火山砕屑物が噴き出す爆発型火山。
その中で火山灰や火山砕屑物が噴き出す爆発型火山は避けること以外には防ぐ方法がなかった。
(だけど、幸いエトナ島の火山は溶岩流れてくる大人しい火山だよ。このような火山の場合、溶岩が流れる道を人為的に流せば被害を防ぐことができるかもしれない)
マリは思った。
(溶岩が海に向かうことさえできれば、何の被害もなく終わらせることができる)
しかし、彼女はすぐに首を横に振った。
(いや、理論的にはできるけど、危険すぎる。避難するのが答えだよ)
その瞬間だった。
代表者たちは一斉にマリに頭を下げた。
「どうかお願いします、閣下!方法があれば私たちを助けてください!」
「この島は先代から続くすべてのものが残っているところです。どうか助けてください!」
マリは苦悩に陥る。
断ろうとしたが、彼らは必死になりすぎた。
結局、彼女は条件をかけた。
「地形地物を使って溶岩の道を海の方に回してみます。その代わり、作業に参加できない子供や高齢者は、あらかじめ船に乗って陸地に避難しなけれはなりません。そして沿岸に船を待機させていて、火山の噴出が迫ってきたら、その時は必ず皆避難しなければなりません」
もっとも合理的な判断だ。
みんなが彼女に頭を下げる。
「ありがとうございます、閣下!」
作業はすぐに始まった。
ひとまず子供や老弱者をあらかじめ船で待避させ、仕事ができる人々はマリの指示に従って作業を始めた。
(こちらの地域が他の所より地帯が多少低い。土でできた地域なので、土を掘るのも容易で。海に向かって堀のように道を作れは溶岩の進行方向を変えることができるだろう)
もちろん、決して容易なことではなかった。
災難に対抗しようとするなんて、無謀なことかも知れない。
しかし、シャベルを持った住民たちは意志に燃え上がった。
「総督閣下が我々と共にする!」
「総督閣下が奇跡を起こしてくれるはずだ!」
これまでマリがやり遂げたことは、エトナ島にも広がっていた。
彼らは数多くの奇跡を起こしたマリ・フォン・ヒルデルンが彼と一緒にいるという事実に勇気を出して飛び込んだ。
そのように作業に飛び込んだ人はなんと1万人に近かった。
男女を問わず、一部の老弱者と子供を除くすべての人が参加したのだ。
「もっと深く掘ってください!外側には溶岩が溢れないように堤防を築いてください!」
マリは火山から都市に向かう街角の中で地帯が低い地域に海に向かう堀を掘り、側面に堤防を上げる。
一瞬にしてできることではないが、1万人に近い人々が一体になって動くと、作業は速い速度で進められた。
(どうか。もう少し時間があれば)
マリはいらいらした目で火山を見る。
火山がいつ噴火を始めるかは誰も知らなかった。
それでも兆候を見せてからもう2週間だったので、もうすぐであることは明らかだろう。
「もう少し頑張ってください!時間があまりありません!」
「はい、閣下!」
島民全員が雄々しく答える。
その時だった。
じっとマリを眺めていたバルハン伯爵が歯を食いしばって口を開いた。
「殿下、申し上げたいことがあります」
「伯爵?」
マリは驚いた表情をした。
バルハンの顔が、見るのが怖いほど硬くなっていたのだ。
「もう島を離れなければなりません」
マリはそっと首を横に振った。
「私は離れません」
「もっと島にいると火山に襲われるかもしれません!」
バルハンは胸が張り裂けそうだった。
モリナ王女は王家の最後の血筋だ。
もし間違いでもしたらどうする!
「王家の血筋を受け継いだ殿下は誰よりも貴重です。殿下はこんな所で危険を甘受するほどの方ではないということです!」
それを聞いたマリの顔が冷ややかになった。
「私たちの命?彼らの命は大切ではないのですか?」
いつもと違って冷たい声にバルハンはびくっとした。
「私は王家なんて、そんなことはよくわかりません。しかし、今この瞬間、彼らのためにすることより重要なことは何もないと思います」
「・・・」
バルハンは何の返事もできなかった。
マリはバハルンを置き去りにして、再び人々を指揮し始める。
「さあ、もう少し頑張ってください!そちらにはもっと傾斜を深めて作業してください!」
そのように昼夜を問わず作業を指揮する彼女の顔には汗がにじんで落ちた。
バルハンはそんなマリの姿を木のようにじっと見つめた。
マリの残した言葉が彼の胸に押し込まれた。
みんながマリに期待しているなか、バハルン伯爵の心中は穏やかではないですね。
島民だけでなく、島も救うことはできるのでしょうか?