こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は282話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
282話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 次のステップへ②
茶髪だと間いたとき、私はすぐギデオンを思い出した。
明白な証拠はないが、最初から彼が怪しいと思っていたところだ。
「私は茶髪の宮廷楽師ギデオンが気になります。確実な証拠はありませんが、あの人に
監視者を付けるといいですね。ストーク公爵にも」
ストーク公爵は金髪で、ブランシュを害する理由はないが、怪しいのはこちらも同じ。
セーブルは軽くうなずいた。
「はい。そうします。他にもっと必要なものはありませんか?」
他に怪しい人が誰かいたかな?
そうするうちにふとレイブンの顔と共に、今日交わした話が浮び上がる。
彼が犯人だろうか?
心証だが、彼はこのことと無関係な気がする。
彼の立場からして、ブランシュは明らかに障害ではあるが、殺すなら別の方法を使っただろう。
レイブンがブランシュに口付けしても得にならない。
私はしばらく悩んだ末、口を開いた。
「実は今日レイブン卿と話したんですが」
「・・・レイブンと?」
セーブルの瞳が一瞬にして刃のように冷たくなる。
眼鏡越しに見える目つきが今日に限って冷たかった。
「彼が何をしたんですか?」
「いいえ。そうではありません。ただ・・・、殿下と親しくなりたいと言っていました」
私の話にセーブルの表情が妙に変わる。
疑問と警戒が浮かんだ顔だった。
「家族がいない人だから、殿下が死んだ時の衝撃が大きかったようですね。それで殿下と今からでも親密になれたらいいなと・・・」
この言葉を伝えるのが正しいことなのか、判断ができない。
無視した方がよかったかな?
レイブンには近付きたくない。
しかし、それはレイブンが不幸になってほしいという意味ではない。
彼が私たちに害を及ぼしたわけではないのだから。
セーブルは黙々と私の話を聞いていた。
そうして私の言葉が終わった後になってようやく、ゆっくりと口を開く。
「子供の頃、私とレイヴンはそんなに悪い仲ではありませんでした」
「え?本当ですか?」
意外だね、今はすごく距離を置いてるんだけど。
セーブルは静かに話し続ける。
「向き合うこと自体がありませんでした。母がレイブンを嫌ったので自然に遠ざかったんです」
確かに、備えとしてはレイブンが目の上のたんこぶだっただろう。
セーブルの代わりになれる人だから。
「あの時は私も余裕がなくてレイブンの立場を理解できなかったが、今考えてみれば彼もやはり辛かったでしょう。実母も早死にしましたから」
忘れようとした憐憫が静かに胸に染み込んだ。
レイブンの子供時代もセーブルと同じくらい寂しかったと思う。
兄が死んでこそ光を見る弟。
セーブルを義務の奴隷にした王室がレイヴンだと放っておいたのだろうか。
母も父もなく宮殿で代替材として過ごす人生はどうだったのだろうか。
多分寂しかったんだろう。
そんな考えをしているうちに、セーブルがこっそり私のそばに席を移す。
そして、私の腰を抱きしめた。
「しかし、あなたに近づくことは許せません」
トネリコの木のように固い声と覗線。
「もしレイブンがよければ、私が止めることはできませんが・・・」
「いいえ!私は殿下が一番好きです!」
私は確認印でも押すように彼にキスをした。
セーブルは初めて花をもらった人のように微笑んだ。
「ありがとうございます、ビビ。私もあなたを世界で一番愛しています」
くう、私もあなたを世界で一番愛している!
私は彼の手をいじくり回して言った。
「あ、ありがとう。それではレイブンはどうしましょうか?」
「彼は私の勝手にします。レイブンとは別に話しますから、ビビは心配しないでください」
彼はそう言って私をぎゅっと抱きしめる。
ああ、本当に可愛い。
まるで甘えん坊の子犬のようで、私は彼の背中を軽く撫でた。
セーブルはしばらく私を抱きかかえて、私の耳元でささやいた。
「キスしてもいいですか・・・?」
低い低音に心臓が震える。
彼の要請が嫌なはずがないので、私はうなずいた。
セーブルが抱擁を解いて私の方に頭を傾け、しばらく、止まる。
な、なんで止まるの?
ふと今日食べた食事を思い出した。
そういえばメニューにキャビアが含まれていたけど、まさか?
不安が押し寄せてきた瞬間、セーブルが静かに手を上げた。
「これが邪魔になるんですね」
彼はかけていた眼鏡を乱暴にはずす。
それから、何の隠し事もなく、はっきりとした覗線で私を見つめ、キスをした。
彼は水中で空気を渇望する人のようにキスし、私は人を水中に引き込む人魚のように彼の首を抱きしめる。
軽いキスが何度も続いた。
いや、実はキスじゃないてキスだけど。
セーブルは多分知らないんじゃないかな。
よし、これを機にもう一歩前に出てみよう。
これは人類にとっては小さな一歩だが、私たちにとっては偉大な跳躍だ!
私は静かにキスをして、彼の唇を、彼の息の入った道を舐めた。
セーブルがびっくりして唇を引き離す。
自分の口元を手で撫でて、戸惑った目で私を見た。
「今のはなんですか?」
ああ、ダンビ!罪悪感が嵐のように押し寄せてくる。
いや、私がこの純真な人に何をしたんだろう。
「え、キ、キスなのですが・・・」
「これがキスなのですね・・・」
彼はぽかんとした目で私の唇を見た。
嫌ではないようでよかったのだが、なんだか少し悲しくなってしまう。
子供を産んだ人がキスはしたことがないなんて、本当に愛のない関係だったんだね。
彼にたくさんキスしてあげたかった。
これまで寂しかった記憶を隠すことができるほど。
しかし、少し早かったのかもしれない。
彼の顔色を注意深く見ていたところ、セーブルが私のところに近づいてきた。
涼やかな香りが口づけとともに伝わってくる。
彼は唇を重ねた後、ついさっきの私の行動を真似し始めた。
先にお手本を見せると、続いて演奏をする学生のように。
彼は私についてきて、私の唇と口の中を舐めた。
私がそっと唇を噛むと彼も、私の唇を噛み、首筋を撫でると彼も同じところを辿る。
「セーブル・・・」
私はなんとか唇を引き離して彼の名前を呼んだ。
セーブルはキスに酔った人のように私を見つめていた。
あの哀切な目つきに心臓が止まりそうだ。
ああ、やばい。
すごくいいんだけど、どうすればいいんだろう。
セーブルをぎゅっと抱きしめてまたキスしようとしたら、ノックの音が聞こえてきた。
「殿下、ミラード卿が謁見をお願いしています」
侍従の声だ。
その声のおかげでやっと魔法から覚めたる。
セーブルは依然として残念そうな表情だったけど。
視線だけだったが、何の話をしたいのか分かるような気がした。
私は平気を装って言った。
「大事なことかもしれませんからね」
「はい、分かりました」
彼は残念そうに私を放してくれた。
淡々としたふりをしていたが、心臓が破裂するかと思った。
確かに最初は私がリードしていたが、ある瞬間からリードされていた。
私は恥ずかしくて訳もなく頬を撫でながら言った。
「殿下、初めてだと言いながらすごく・・・、お上手ですね」
「よかったです。一度見たりしてみたのはすぐ体得する方でもあり、あなたがよく教えてくれたおかげです」
私も初めてやってみたんだけど、そんなに上手だったつけ?
私にキスのオ能があったとは、自分の才能が怖い。
セーブルは私をじっと見つめながら、私の耳元でささやいた。
「練習すればもっとうまくできます」
な、何だって?
私が間き間違えたのかな?
セーブルの顔が赤くなったのを見ると、幻聴ではないようだった。
本当に望ましくて愛らしい限りだ。
もっと上手になるなんて。
一つ教えれば十を体得するタイプだったんだね。
楽しみであると同時に、好勝心が燃え上がった。
こんなに学習能力が速いとは、年上のプライドが泣く!
もっと一生懸命勉強しなきゃ!
レイブンの本心を知ったら、セーブルも激怒するのは必然でしょう。
ミラードが訪れた理由が気になりますね。