こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は285話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
285話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 鏡の呪い③
螺細で作られたブローチは光が当たるたびに五色にきらめいていた。
セーブルは私の胸にウンディーナのブローチを注意深くつけてくれる。
ブランシュとベリテが焦った視線で私を眺めているのが感じられた。
「その魔導具が呪いを読ませてくれてよかったです」
ブランシュの言葉に私はかすかに笑う。
ブランシュには私の魔力について話さず、このブローチが呪いを読む魔導具だと説明している。
「そうですね。読めたらいいのですが」
二人の子供をがっかりさせるわけにはいかない。
必ず読み出すよ。
私は深呼吸をした後、鏡の方に体を向ける。
ヴェリテは緊張した顔で私を見ていた。
私は全身の魔力を目に集中する。
確かにブローチをつけていると、体の中の血がいつもより早く燃え上がるのが感じられた。
でもヴェリテは普段と大きな差がないように見えるけど・・・。
そうするうちにふと、鏡にかすかなすすがついたのを発見した。
下女が掃除をあまりしなかったのか?
いや、そんなはずがない。
「・・・見えるみたい!」
汚れと勘違いしたのは魔法の数式だった。
あまりにも複雑に絡み合っていて、煤のように見えただけ。
わぁ、それにしても悪趣味だ。
どんな奴が数式をこんなに複雑に組んだの?
自分の魔力では把握できなかったことが理解できるほどだった。
魔力をさらに引き上げて数式を探ると、ブローチが振動するのが感じられた。
しばらく覗き込んだ末、やっと錠の部分を読むことができた。
私は少しめまいを感じながら口を開く。
「ヴェリテ、あなたには二つの呪いがかかっている」
「二つ?」
「うん。一つは鏡に閉じ込められる呪い、もう一つは記憶を失う呪い」
一つも足りなくて二つだなんて。
複雑な数式を見ていると、ヴェリテに向けた濃い悪意が感じられた。
「まずは鏡に閉じ込められる呪いから見てみる。鍵の部分が・・・」
鍵の部分はもっと複雑に組んである。
うぅ、頭が痛い・・・。
前の部分がよく見えない。
それでも後ろの部分は見えるんだけと・・・、え?
「えっと・・・、まず一番大事な部分は読んだのだけど・・・」
「何?呪いを解く方法が何だって?」
「くちづけ」
私はやっとのことで間違った単語をポンと吐き出した。
自分で言ったのに恥ずかしくて、私は照れくさそうに頬を掻く。
「キスだって。でも、誰のキスかは読めない」
[この呪いは・・・の口づけを受けてこそ解ける]
それにしてもこいつもあいつもどうして鍵が口付けなんだ。
呪いをかけるやつらはキス中毒者なのかな?
ヴェリテも「キス」という言葉に戸惑った様子だった。
そうするうちに、そっと私の後ろを一度見て、私を見上げた。
「対象は分からないの?」
「うん。とりあえず、もう一度読んでみる・・・、あれ?」
下を見下ろすと、螺錮で作られたブローチは半分にひびが入っていた。
「多分効力が尽きて壊れたようだね」
ヴェリテは少し憂鬱な声で言った。
私も同じ気持ちだ。
ブローチが壊れるとは。
それでも数式を読むことには成功したので、解釈は自分の力でできそうだ。
問題は時間が少しかかりそうだということだけど・・・、私はしばらく悩んで口を開いた。
「ヴェリテ、まだ鍵の部分をきちんと解釈していないけど、とりあえず、適当にやってみる?」
「うん?どういうこと?」
無知がかえって答えになる時がある。
暗証番号を0000から9999まで入れると、いつか解けるもののように。
時間がものすごくかかるだろうが、解くことはできる。
ベリテはぼんやりと私を見た。
「呪いが解けるまでキスしてみること」
「・・・」
何を想像したのか、ヴェリテの顔が真っ青になる。
私は誤解を防ぐために素早く説明を付け加えた。
「もちろん君が嫌ならやらないよ。でも唇と唇が触れるんじゃなくて、鏡に触れるんだから大丈夫じゃないかな?」
「大丈夫でしょ?そんな便法を使っても?違法でもないし、いいじゃない。人生は単純に
行かなけれはならない時があるんだよ、ヴェリテ」
「とりあえず、私が最初の打者としてチューしてみる。運が良ければすぐに・・・」
「ダメ!」
「駄目です!」
ヴェリテとセーブルが同時に叫んだ。
な、なんでこんなに焦ってるの?
私がキスするのがそんなに嫌なの?
「アビゲイルとはやらない!」
「なんで?」
「それは・・・、とにかくダメ!倫理的に!」
いや、なんで鏡にキスするのに倫理まで出てくるの?
そんな中、セーブルが熱い目つきで私を見ていた。
「殿下はどうして嫌なんですか?」
「それは私としてください。ビビの唇には私だけが触れたいのに・・・」
いや、娘の前で言うことじゃない!
私は驚いて彼の口を手で塞いだ。
「子どもがいるじゃないですか!そして直接するのではなく、鏡にするのですが?」
「それでも嫌です」
セーブルはきっばりと言った。
一向に退かない勢い。
そうして彼が何かを覚悟したように私を眺めた。
「いっそ私がやります」
「え?」
「私がヴェリテに口づけします」
「いやだ!」
ヴェリテが大声で怒鳴りつける。
まるで怒ったハリネズミがびょんびょん跳ねるようだった。
「セイブリアンもダメ!倫理的にだめだって!」
「何が問題なの?」
「お前たちはブランシュの親じゃないか!だからダメ!」
ふーむ、確かに友逹の親とキスするのはちょっとあれだよね。
やはり正攻法で行くべきか。
「それじゃ、とりあえず長くかかっても、鍵の部分を解釈する方向に行くよ」
「・・・そうだね。そうしてくれ」
ヴェリテはようやくほっとした様子だった。
ところで、もし王や王妃のキスだったらどうしよう。
短い悩みに浸っている間、ブランシュが澄んだ目で私たちを見ているのが感じられた。
ヴェリテは限りなく広く白い空間に横たわっていた。
鏡の中の世界はあまりにも広く、虚しかった。
天井は延延と伸びている。
天井だけでなく、四方がそうだった。
歩いても歩いても終わらないように。
ところが、ここを出ることもできるなんて。
「解除条件がキスでなければよかったのに・・・」
解除条件を思い出すと、アビゲイルとセイブリアンが口裏を合わせてくれると言ったことを思い出した。
ヴェリテはニヤリと笑って、腕を上げてじっと自分の目を覆った。
まだ隠れていない顔が赤かった。
「好きな子の両親とチューをすることはできないじゃん」
もう鏡の外に出られると思うと、もうブランシュが見たくなった。
「ところで、誰とキスをすれば呪いが解けるのかな?」
「チュー」という言葉を思い浮かべると、反射的にブランシュの顔が思い浮かんだ。
ヴェリテは心の中で悲鳴をあげ、左右に転がる。
「私はゴミだ!どうやってブランシュとキスしようとするの!」
しかし、ブランシュ以外の誰かとキスをしたくはなかった。
アビゲイルの言う通り、結局鏡に口を合わせるの、自分が過敏に反応するのも同じだったが。
「ところで、この鏡から出たら、私は私の本来の姿を取り戻すことになるだろう」
思わずため息が出た。
ヴェリテは鏡の中で自由自在に姿を変えることができる。
何でも変わることができるという話は、自分が何なのか分からないという話でもあった。
今はブランシュと同じ年頃の子供に姿を変えているが、本当の姿はどうなのか誰も知らない。
死ぬ直前の老人の姿かもしれない。
いや、少年を探すと言ったからそうじゃないかな。
ブランシュの同年代であることは嬉しかったが、自分の顔がとうなのかは分からなかった。
そんな考えをすると、いきなり怖くなった。
鏡の中ではどんな姿でもなれるが、鏡を出たらその時からは・・・。
「ヴェリテ、何してるの?」
思いにふけっていたベリテは、ばっと身を起こす。
すると、鏡の向こうにぽつんと座っているブランシュが見えた。
その姿にヴェリテは身なりを整え、急いで鏡の前に姿を現した。
「あ、あれ、来たの?どうしたの?」
「話があって来たんだけど。・・・ヴェリテ、表情が悪いよ。大丈夫?」
ブランシュの青い瞳が心配そうにヴェリテを調べる。
その瞳に向き合うと、ヴェリテは幸せであると同時に少し不安になった。
「ただもう外に出られると思うと、色々考えちゃって」
自分が不細工だったらどうしよう、そのせいでブランシュが自分のことを嫌いになったらどうしよう。
一生鏡から抜け出せないかもしれないという恐怖より、さらに大きな恐怖が押し寄せてきた。
ヴェリテはしばらく沈黙し、それとなく口を開いた。
「あの、ブランシュ。間きたいことがあるんだけど」
「え?何?」
「あなたはどんな人が好き?」
声の先は少し揺れていた。
ブランシュがなぜこのような質問をするのか、疑問に思いながらも快く答えた。
「よく分からないけど・・・、優しい人?」
「優しい・・・」
自分は優しい方かな?
ヴェリテは自分の過去の行跡を振り返ってみたが、特に優しそうではなかった。
ヴェリテは顔色を伺って次の質問を切り出す。
「そ、それ以外は?顔とか・・・」
「う〜ん、よくわからない。私はお母様とお父様が好きなんだけど」
あんな凶悪で冷血な顔が好みなんだね。
ヴェリテは自分のかわいい顔が改めて恨めしくなった。
ブランシュはウサギのように首をかしげる。
「ところで、どうしてそんなことを聞くの?」
「それは・・・」
なんでこんなに言葉が出ないんだろう。
誰の前でもいつも平気だったのに。
ヴェリテはしばらくためらった後、忍び寄る声で話した。
「私がすごく不細工だったりしたらどうする?それでブランシュが私のことが嫌いだったら・・・」
そうなるより鏡の中にいる方がましだった。
ブランシュにそっぽを向かれると思うと、もう涙が出そうになってくる。
ヴェリテの呪いの解除条件。
キスの対象は誰なのでしょうか?
条件は分かりましたが、しばらくは鏡の中のままかもしれませんね・・・。