継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【305話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

今回は305をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

305話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • side カリン

部屋の中には静かな芳香だけが漂っていた。

宮に設けられた個室は優雅で美しかったが、カリンはなぜか寂しさを感じる。

おそらく、これ以上ここに住めないために感じる感情だったのだろう。

裁判長を出た後、数日間が流れた。

アビゲールが嫌疑なしを受けた後、まもなくストーク公爵とカリンは裁判所に立つことになった。

彼は有罪判決を受けた。

カリンの証言と証拠、そして買収された下女たちまで背を向けたためだ。

セイブリアンは彼を死刑にしようとしたが、アビゲイルの引き止めで公爵位を返還し、島流しの刑に終わることになった。

カリンは荷造りをし、しばらく手を止める。

自分で荷造りをするのは初めてなので、長い時間をかけても相変わらずごちゃごちゃしていた。

ストークが公爵位を返還することになったので、カリンももはや貴族ではない。

父親を裏切った破倫児で、公女から平民に没落するのはあっという間だった。

内部告発をした事実を参酌して拘禁刑は免れたが、彼女はすべてを失うことに。

職位も、不渡り、名誉も。

「あの時、父の肩を持っていたら」

後悔がなければ嘘だ。

証言をした後、毎晩涙で後悔したりした。

もし父の言いなりになっていたら、そうしていたら宮で暮らせただろうか?

王妃になれたのだろうか?

しかし、過去に戻ったとしても、血の涙を流しても、カリンは証言をしたはずだ。

アビゲイルから勇気を渡された以上、逃げることはできないのだから。

 



 

「カリン、入ってもいい?」

その時、外からナディアの声が聞こえてきた。

あのみっともない顔ももう最後だと思い、カリンは素直に承諾する。

「お入りください」

ナディアは頭をひょいと突き出して中に入ってきた。

カリンの部屋に来るのは初めてだ。

彼女はきちんと整理された部屋をちらりと見る。

「もう出発するの?」

「正確に言えば、追い出されるのです。私はもう貴族ではないから」

「家は?」

「小さな邸宅を救ったと聞きました。果たして、お母様が私を受け入れてくれるかは疑問ですが」

母は父を食った娘だと怒鳴りつけていた。

あれから顔を見たこともないから、たぶん追い出されるだろう。

漠然としていたが、仕方なかった。

掘り出し物を売れば小さな家一軒は手に入れることができるのではないか。

そんな世間知らずのことを考えていたところ、ナディアが後頭部を掻きながら聞いた。

「行き場がなければ海に行く?」

「え?」

カリンは当惑しているかのようにナディアの方を振り返る。

海って?

その視線を見ても、ナディアはのんきに話し続けた。

「行くところがないって?アトランシアに行けば、私が居場所を用意してあげられるのに」

「嫌です。海で人がどうやって暮らせますか?」

「嫌ならやめなさい」

ナディアが不満そうな顔をすると、カリンはくすくす笑う。

こんな会話をしているのが生硬に感じられた。

自分はもう公女でも貴族でもない。

にもかかわらず、ナディアの態度には変わりがなかった。

カリンはいたずらっぽく言った。

「私がどん底に落ちましたね。そんな提案まで受けて。私がとれだけ滑稽に見えたら・・・」

「とんでもない」

カリンは確かに冗談のような口調だったが、ナディアはそれを冗談で言い返さなかった。

カリンは真剣な表情にかなり当惑する。

ナディアはにっこりと笑いながら言った。

「かっこよかった、カリン。本当に」

「お、お世辞なんて言われても嬉しくない!」

「お世辞じゃないけど?」

ナディアがくすくす笑うと、カリンは訳もなくむっとして首をかしげた。

 



 

そんな中、ノックの音が聞こえてくる。

「王妃様が訪問されました」

ノマの声にカリンは慌てて姿勢を正した。

すぐにアビゲイルとノマが中に入ってきた。

裁判以来、アビゲイルと向き合うのは初めてで、カリンは彼女と目を合わせることができなかった。.

罪人がどうして頭を上げることができるだろうか。

ただ息を殺していたところ、アビゲイルの声が聞こえてきた。

「カリンさん、何をしていたんですか?」

静かな声。

恨みや憎しみは感じられなかったが、優しさもない。

カリンは躊躇いがちにやっと口を開いた。

「・・・発つ準備をしていました」

アビゲイルは静かにカリンを見下ろす。

微笑むことなく静寂な顔で。

しばらく沈黙が続いている間,彼女は冷ややかな口調で話した。

「私は行けと許しませんでしたが」

その言葉にカリンは当惑して頭をもたげる。

アビゲイルの顔にいつの間にか彼女らしい笑みが漂っていた。

「出なくても大丈夫です。殿下に頼んで恩赦を受けました。そして、この宮殿でずっと泊まってもいいという許可も」

カリンは突然太陽の下から引きずり出されたようにまごつく。

宮に泊まってもいいなんて。

王族を害そうとした者が享受できない特恵だ。

あえてそのようなことを享受する資格も良心もなかった。

カリンはどもりながら口を開く。

「王妃様、私は王妃様に濡れ衣を着せようとした者です」

「そして、その濡れ衣を晴らしてくれた人でもあります」

アビゲイルはためらわずに彼女の言葉を打ち返す。

そして、ナディアに視線を向けた。

「ナディア、貴族ではない侍女は嫌いですか?」

「いいえ、カリンだったら大歓迎だよ。カリンは私の友逹だから」

「そうですね。そして、私の友人でもあるんですよ」

その優しい言葉にカリンは鼻筋がずきずきして体をひねる。

泣く姿を二度と見せたくなかったが、ナディアが顔を見ようとした。

「泣いてるの?泣いてるの?」

「泣いていません!」

「ええ?泣いてるみたいだけど」

「泣いてないですって!」

カリンは大声で叫び、いつものようにナディアと喧嘩を始める。

ノマもその姿をじっと見て、そっと微笑んでいた。

アビゲイルは本当に不思議な風景だと思った。

異種族、醜女、悪女、魔女と後ろ指を差される人たちが一ヵ所に集まっている。

それでも雰囲気はただ穏やかだった。

歓迎されない人たちも幸せになる話が一つくらいはあってもいいのではないか。

アビゲイルはそう思ってカリンを見つメル。

幼い悪女を眺める魔女の視線は、長年の幼なじみに接するように、ただ優しいだけだった。

 



 

カリンが救われて良かった!

ギデオンの消息が不穏ですが、とりあえずの危機は脱出できましたね。

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