こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は304話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
304話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 魔女裁判③
いつの間にか声が一つ二つ増え始めた。
王妃の無罪を叫ぶ人々が風を逆風に変え始める。
アビゲイルは驚いた目で彼らを見ていた。
セイブリアンも同じ。
ストーク公爵はあわてて途方に暮れていた。
数十の声が無罪を叫ぶと、最高裁判事が急いで法の棒を叩く。
「静かに!みんな静かにしなさい!これ以上騒ぎ立てたらみんな退廷させます!」
最高裁判事の脅しにようやく騒ぎが収まる。
ノマはまだ腰をまっすぐにしていた。
最高裁判事がノマに向かって言った。
「証人の言葉はすべて情況証拠に過ぎません。呪われた物が出てきたのは、確かに王妃のドレスルームですね」
「・・・」
「昔から王妃は魔導具を好んで集めていたと聞きました。これもまた嘘ですか?」
「・・・魔導具を集める趣味がありますが」
ノマのためらいに最高裁判事は十分だというようにうなずいた。
ストーク公爵は口をつぐんだノマをにらみつける。
彼女は仕事を台無しにしたが、まだ終わっていない。
アビゲールの無罪を主張する者たちは皆、一介の侍従や侍女たちだけ。
最高裁判事を含め、多くの高位貴族が自分の味方だった。
また、王妃が魔導具を集めていたということだけでも十分に処罰することができる。
この部分を食い止めようとした瞬間、法廷のドアがばっと開かれた。
中に入ってきた人を見ると、ストーク公爵の顔が明るくなった。
彼女はふさふさしたクリノリンのドレスを着ていた。
一歩一歩踏み出すたびにハイーヒルが言い争う音がうるさい。
ドレスの幅が広すぎて、証言台に立つことさえ使用人の助けを借りなければならなかった。
彼女は証言台に立った後、口を開いた。
「裁判長、証言したいことがあります」
「あなたの身分から明らかにしてください。あなたは誰ですか?」
彼女は白いこわばった顔でドレスの裾をぎゅっと握る。
緊張のために痩せた肩が砕けるように震えてきた。
「私はストーク公爵の娘、カリン・ストークです」
セイブリアンは静かにその姿を見守っていた。
口は閉ざされていたが、その瞳には数多くの憎悪が込められている。
もしアビゲイルが守勢に立たされるなら、彼は迷わずカリンを告発するだろう。
「カリン公女。証人名簿にありますね」
カリンは青白い顔でうなずいた。
ストーク公爵はそんなカリンを嬉しそうに見る。
先ほとど、カリンが子供のように泣きながら駄々をこねる時に積もった怒りが溶け落ちるようだった。
(やっと正気に返ったみたいだね)
カリンが証言する内容は、アビゲイルが生贄を捧げながら不審な儀式を行うことを目撃し、アビゲイルとナディアが謀略を企んでいるということだ。
王妃が人魚と情がわいて、国を丸ごと渡そうとしているという謀略。
ナディアの女中と同じくらい信憑性があるように聞こえるだろう。
「カリン公女。証言してください」
彼女がしばらく沈黙すると、最高裁判事が口を開いた。
カリンは真鍮の木のように震えている。
まるで水に溺れて死んだ人のように血の気一つない顔だった。
「その・・・私は・・・」
カリンの言葉がぷつぷつと途切れる。
今にも倒れそうな格好で、カリンは証言を手探りで続けた。
「お、王妃様と呪われた靴について証言したいと思います」
従順は美徳である。
父の言うことに従わなければならない。
アビゲールが廃位すれば、自分は安全になれるだろう。
「おっしゃってください」
「その靴は・・・」
カリンは何百もの覗線が自分を貫くのを感じることができた。
アビゲール、セイブリアン、ブランシュ、ナディア、そして父・・・。
その他にも場内のすべての人が自分を見ていた。
怖くてすぐに逃げ出したかった。
倒れたかった。
彼女は証言台の手すりにしっかりとつかまる。
そして、歯を食いしばったまま、涙に濡れた目で最高裁判事を見上げた。
「その靴は私が持ってきました」
一瞬、法廷内が真空状態に変わったようだった。
沈黙だけが満ちたそこで、誰もあえて言葉を出すことができなかった。
犯人の自白に皆が驚愕を禁じえなかったのだ。
それにしてもストーク公爵の驚愕には比べ物にならなかった。
カリンは震えながら証言を続ける。
「お、お父様がその靴を渡して、王妃様のドレスルームにこっそり隠しておくように言われました。その靴を履いた女中も、父の命令を受けて・・・」
「カリン!」
ストーク公爵が怒嗚りつけると、カリンはぎくりと声を切った。
彼は証言台に大股で歩いて行き、カリンを引きずり下ろそうとする。
「今、正気か!一体お前が何を言っていると思って・・・!」
彼が娘に向かって手を伸ばした瞬間、何かが2人の間に素早く飛んできた。
公爵は驚いて後ずさりする。
矢のように飛んできたものが床に着くと、ばちばちと水になって散った。
矢が飛んできた方向を眺めよう、そこに憎しみで燃える目があった。
ナディアは彼を不機嫌そうな目でにらみつけていた。
「退け、ストーク公爵。カリンは証言中だ。この国では証人を脅迫することは可能なのか?」
警備兵たちが後になって公爵を妨害する。
しかし、ストーク公爵は警備兵たちが押しのけ、わめき声を上げた。
彼の全身から狂気が沸き起こった。
「私の娘が魔女に魅せられ、偽りの証言をしています!私はそのようなことを指示したことはありません!」
最高裁判事は困った状況に置かれてしまう。
ストーク公爵の肩を持ちたくても、その子が自白をした状況をどのようにもみ消すべきかと思った。
「証人が証言するような状態ではなく判断して、しばらく休廷を___」
「最高裁判事」
席に座っていたセイブリアンが口を開く。
その冷たくて殺伐とした気運を遠くからも感じることができた。
「今休廷しようとする根拠がないようだが?」
「あの、それが・・・公女の調子が正常ではなさそうで・・・」
「公女が現在証言できない状態なのか?人事不省でもなく、自ら判断して証言台に立った者を引き下ろす根拠がない」
セイブリアンの言葉が鋭く剌さる。
国王が阻止しただけでなく、彼の言う通り休廷をする根拠が足りなかった。
最高裁判事は困った目で結局うなずいた。
カリンは震えながら紙を取り出す。
「しょ、証拠もあります。宮廷楽師ギデオンが父親に呪われた靴を伝え、手紙を残しておきました」
その手紙を調べると、ストーク公爵の顔が真っ青になる。
「[アビゲイル王妃はいろいろと怪しい点が多い人です。生き返った後、彼女が繰り広げる奇行を見てください。魔女と言っても遜色がありません。この品物をうまく利用すれば彼女を廃位させることができるでしょう。これは履いた人が自分で脱げない、呪われた靴です]
緊張によって声がかすれ、声は崩れ、発音は絡み合って何度もどもりながらも、カリンは最後まで手紙を読み上げた。
公爵がぼんやりとその姿を眺めていると、セイブリアンが口を開いた。
「最高裁判事。被告人を変えなければならないようだね」
彼は一人で降りてきた。
両目には冷たい怒り、声には軽蔑を込めたまま。
「王妃に濡れ衣を着せようとしたストーク公爵を逮捕せよ。これは王命だ」
ストーク公爵は息をのんだ。
さっきまでは風が自分の背中を押してくれていたのに、そうだったのに。
警備兵の手が公爵に届くと、彼はばっと気がついた。
彼は大声でもがきながら大声を上げる。
「違う!王妃は魔女だ!国王殿下が魔女に取り憑かれた!殿下を治療しなければならない!」
泣き叫ぶ声がみっともなかった。
警備兵たちは獣のように暴れる公爵を捕まえて、法廷の外に引きずり出す。
「カリン!この恩知らずめ!あなたが私を裏切ったんだね!あなたが私だけでなく私の家族を皆死刑場に送るようにした・・・!」
大声を出して法廷の門が閉ざされた後になってようやく彼の言葉が途絶える。
カリンは何も言わずに涙を流していたが、証言を覆すことはなかった。
カリンがアビゲイルの味方のままで良かったです!
これでストーク公爵も終わりでしょう。
問題は、公爵令嬢のカリンの処遇ですね・・・。