こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は171話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

171話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 思いもよらない奇跡
「・・・はあ」
ラエルは深いため息をつく。
マリは当然反対すると思い、何とか彼を説得するつもりだった。
ところが、彼が意外な話をする。
「よし、許可する」
「・・・」
マリは驚いた表情で彼を見ると、ラエルは苦々しい表情で言った。
「君は絶対に私の言うことを聞かないだろう?」
「・・・」
「君の意地を曲げられないなら、いざこざを起こす時間に一刻も早く工事を始めた方が良いと判断して許すのだ。これは時間との戦いだから。但し、一つ条件がある」
そこまで話したラエルが固い表情で話した。
「この工事には私も参加する」
「へ、陛下?」
マリはまるで馬鹿げているかのように首を横に振った。
「それはいけません。危ないです」
「危ない?あなたは?」
「私と陛下は立場が違うじゃないですか!」
マリは声を張り上げた。
彼は皇帝だ。
いや、そんなことは別として、彼がこの危険な工事に参加するのが嫌だった。
利己的な考えかもしれないが、危険を冒すのは自分だけで十分だ。
「この国の民のためだ。いちばん前に民を守る義務がある私は黙っていて、あなただけ出ると?」
「・・・」
「ーそして、これはあなたが危険にさらされる
確率を少しでも減らすためだ。”
ラエルは続けた。
「どうせあなた一人でできる作業でもないじゃないか?今になって人を救うためには、また時間があっという間に過ぎるだろう。そして、私はこう見えても色々な作業をたくさんしているので、普通の熟練工に劣らない」
彼は近衛騎士団のメンバーを指差す。
「それは彼らも同じことだ」
マリは口を開いた。
「いや、皇子と騎士の方々が何の作業を?」
「内戦の初期には,我々はいつも劣勢だったので身元を突き詰めるような状況ではなかった。両腕があるなら何でもしなければならなかったよ」
ニヤリと笑ったラエルは、じっと待機していた近衛騎士たちを振り返った。
秘密裏に彼がラエルであることを知っていた彼らだったので、彼らは命令に従う。
「大体の状況は聞いて知っているはずだ。命にかかわることだから強要はしない」
その場についてきた五十の近衛騎士は、一瞬も躊躇わずに前に出た。
一人も欠かさず、みんな。
ラエルは眉をひそめる。
「もう一度言うが、これは命令ではない。責めないから、抜けたければ抜けてもいい。命は一つしかないのだから」
「ただ成功すればいいのではないですか?」
アルモンドは何が問題なのかと言わんばかりに言った。
他の近衛騎士たちも口を開く。
「そのとおりです。成功すればそれで十分です。そして、私たちは失敗しません。陛下と一緒ですから。内戦当時、これより大変な状況がどれだけ多かったですか?」
「そのとおりです!あの時に比べればこの程度のことは危険なことでもないですね。陛下と一緒である限り、私たちは不敗です!」
近衛騎士は騎士道のスローガンを叫んだ。
「主君に忠誠を捧げて!」
「レディーを尊重して!」
「弱者を保護する!」
「ですから時間がないから、早く始めてもいいじゃないですか!」
「終わったら危険手当としてお酒でも滝れてください!」
彼らの勇気ある叫び声にラエルは肩をすくめてマリを見た。
「時間がないからすぐに始めよう」
その姿を見て、マリは訳もなく心が熱くなる。
胸が熱くなる光景だった。
「そうすると、まず水漏れするところを修理しなければならないよね?」
ラエルの質問にマリは「建築家」の視線でダムを眺めた後、首を横に振る。
「いいえ。漏水よりもっと急なことがあります」
「何だろう?」
「麗水路の整備です」
ラエルはすぐに彼女の言葉の意味を理解した。
「そうなんだ。ダムの崩壊を防ぐためには、麗水を先に通らなければならない」
麗水路。
ダムから水が下流に流れていく道で、このダムの場合には一定水位以上に水が満ちれば水門が開かれ自然に水が流れるように麗水路が設置されていた。
「はい、堆積物がたまっているせいか、麗水路がすべて本来の機能を果たせずにいます。そのため水が抜けず、ダムの受ける圧力が大きくなり漏水が発生したのです。だから一旦麗水路を開けて圧力を解消してあげなければなりません」
「分かった。それでは君は近衛騎士たちを連れて麗水路を通るように。漏水がこれ以上ひどくならないように補強作業をする」
そうして時間との戦争が始まった。
多くの人の命がかかった戦争が。
「できるだけ早く終わらせないと。いつ崩壊が始まるかわからない!」
漏水箇所がだんだん増えていた。
このままでは、あっという間に崩壊するだろう。
「よいしょ!」
「そこ早く片付けろ!」
近衛騎士たちは汗をだらだら流して麗水への堆積物を片付けた。
しかし、堆積物を片付けても問題は解決されない。
何らかの理由で水門がまともに作動していないのだ。
(なんでだろう?今まで問題がなかったと思うんだけど?)
マリは不思議に思ったが、今は原因を突き詰める余裕がなかった。
ひとまず問題を解決してみなければならない。
「このドアの構造は・・・・」
彼女は水門に発生した問題を解決していく。
複雑な構造だったが、建築家の能力を十分活用して解決することができた。
そしてやがて。
ジャーン!
冷たい水が下流に伸びていく。
麗水路の1ヵ所がついに開通したのだ。
「わあ! 」
作業中の近衛士たちが歓声を上げたが、マリの表情は良くない。
(作業速度が遅すぎる)
そうせざるを得ないのが、このダムはローマ時代に建築されたもので、全長だけで1kmを越えている。
そのようなダムを50人しかいない人員で整備しているので、時間が長くかかるしかなかった。
(このままでは崩壊する速度の方が早いかもしれない。どうしよう?)
いくら彼女が能力を持っていても、人材が不足している問題は解決できなかった。
その時、ドキッとするようなことが起こった。
「漏水がさらに酷くなる!」
ダムの側面で追加的に漏水が発生し始めたのだ。
「ダメ!」
良くないシグナルだった。
ダムの耐久性が次第に限界に達し始めたのだ。
「どうしよう?」
マリはつばをごくりと飲み込んだ。
(ダムを放棄すべき?)
もしかしたら、それが正しい選択かもしれない。
ダムが崩壊すれば、この場のみんなは命を落とすだろうから。
しかし、あの下流で避難できなかった人たちを思い出すと、到底諦めることはできなかった。
諦めた瞬間、どれだけ多くの人が死ぬか分からなかった。
(どうしよう?)
その瞬間、思いもよらない奇跡が起きた。
大きな歓声がダムに向かって響き渡ったのだ。
「私たちも出よう!」
「私たちも一緒にやります!」
「帝国だけに任せておくのはやめよう!ダムの崩壊を防ぐんだ!」
マリの瞳が震えた。
何百人もの人々がダムに向かって押し寄せていた。
近隣の王国民が消息を聞いて、仕事を手伝うために乗り出したのだ。
「あ・・・」
帝国の騎士と王国民が一体となって.混じって働き始める姿を見たマリは胸が熱くなった。
彼女が今まで切望していた光景。
王国民は体を顧みない彼らの姿に心が動くようになったのだ。
「指示を出してください、閣下!」
王国民の誰かが叫んだ。
マリも声をあげて指示を出す。
「人員を分けて一部は麗水への堆積物を片付け、一部は漏水する部位に強化作業をしてください!時間がないので、できるだけ早く動いてください!』
「はい、わかりました!」
人員が10倍近く増えると、作業はあっという間に進められた。
いったん漏水部位を修理して水が漏れることを防ぎ、麗水路を開けてあげた。
水門が相次いで開かれ、水が滝のような勢いで落ち、下流に流れ始める。
胸がすっきりする光景だった。
幸い雨脚も弱くなり、ダムの水位が次第に下がり始めた。
「もういい!」
マリは安全な場所に人々と共に避難した後、焦りながらダムを眺める。
できることは全部やった。
今や水位が安定的に下がるまで、修理したダムが持ちこたえることを祈るしかなかった。
「どうか、神よ」
その時、ラエルが彼女に近づいてきて言った。
「大丈夫だろう。あまり心配しないように」
「はい」
そうして時間が経る。
やがて雨がやんで虹が浮かんだ。
大雨の後に浮かんだ虹は、眩しく美しい姿だった。
そしてその時までダムは何の問題もなく無事だった。
彼女と人々の努力が奇跡を起こしたのだ。
「わあ!」
人々は喜びの歓声を上げる。
その喜びには、帝国の騎士も王国民も区別がなかった。
今この瞬間だけは、すべてのことを忘れてお互いを見つめ合って喜んだ。
そのように生活の基盤を守ることになった王国民たちがマリがいるところに上がってきた。
そんな彼らをアルモンド子爵が阻止する。
「ずっとダムを見ていたら、ついさっき眠ってしまった。とても無理な状態だから、邪魔しないように」
その言葉に王国民は木に寄りかかって座っている少女を眺めた。
額に雨に濡れた包帯を巻いている少女は疲れた表情で目を閉じていた。
その姿を見ると、王国民は胸が揺れた。
誰もが、あの小さな女の子が自分たちのためにどれだけ努力しているかを知っているのだ。
今回もあの少女の命をかけた努力のおかげで、自分たちは生きることができた。
いくら彼らがモリナ王女を待っているとしても、心が揺れないわけにはいかなかった。
その時、誰かが躊躇いながらアルモンドに近づく。
「何だろう?」
「寒いと思って毛布を持ってきました。水に濡れない毛布です」
アルモンドは目に異彩を放つ。
ただでさえ、布という布が雨に濡れて覆ってくれるものがなかったところだ。
「ありがとう」
王国民の一人がマリに直接毛布をかけてあげた。
深く眠ったのか、マリは目を覚まさず、息を均ーに吐き出している。
毛布の温かみがいいのか、マリーの顔にそっと笑みが浮かんだ。
そんな彼女を眺める王国民の顔にも笑みが浮かぶ。
雨が止んで暖かい日差しが皆の肩に落ちた。
その日の出来事はクローヤン地方全体に広がった。
王国の人々は何とも言うべき言葉を見つけることができなかった。
民を救うために自分の命を失うことを覚悟するとは。
とても信じられない話だ。
「嘘じゃないよね?それがあり得る話なのか?」
「おい!そんなこと言うなよ!当時、総督と帝国騎士たちがどれほど大きな危険を冒したか!」
「そう、彼らが憎くても今回のことだけはこき下ろそうとするな」
当時の状況を目撃した彼らが声を高める。
人々は信じられないようにつぶやいた。
「それが・・・本当だって?」
「とんでもない」
これは政治的な問題を問う事項ではなかった。
誰がその状況で人のために出ることができるというのか?
人を救おうとして自分が死ぬ危険がはるかに高い状況だったのに。
しかし、あの新任総督はその危険を甘受した。
まさに彼らのために。
「いったい・・・」
対話を交わしていた彼らは、王城がある方に向かって首をかしげる。
みんなの目に説明しがたい感情がよぎった。
ダムの崩壊を防ぐことができたマリ。
帝国と王国が一つになった姿には感動ですね!







