こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は30話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
30話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 主人の元へ
アセラは最も望ましくない刑罰を受けることになった。
まさにダーリントン伯爵夫妻に送られることになったのだ。
それも彼女の妊娠を確認した公爵領医師の診断書まできちんとまとめて。
「ダメです!お願い、公爵様。お父様が私を修道院に行かせます!お願いします!」
アセラは服が汚れるのも気にせず、マクシミリアンの前に平伏する。
「心配することはない」
マクシミリアンが淡々と話した話に、アセラは希望を抱いて慎重に顔を上げた。
「彼には修道院に寄付する金さえ残らなくなるだろう」
「・・・はい?」
公爵は地下牢にいたベッシーを呼び寄せた。
ブリエルを監覗するために送った下女のことだ。
「君の主人を連れて帰るように」
「・・・」
ベッシーは青ざめた顔で首を横に振る。
このような状況で、伯爵家に戻ったところで、推薦書もなく厳冬の寒さに追い出されることは明らかだったからだ。
「どうか私がここで公爵夫人をお迎えください、公爵様!何でもやります!その、給料ももらわなくてもいいです。ですから!」
痩せた下女が床に伏せて涙で訴える場面は、誰が見ても心が揺れそうだった。
しかしマクシミリアンはすでに彼女の立ち居振る舞いについてすべて聞いた後。
主人に仕えるべき女中だったが,彼女は自分の気持ちに合わせてブリエルをもてなすだろう。
太ったというとんでもないことを言って食事を与えないこともあったというから、マクシミリアンは絶対にベッシーをブリエルのそばに置きたくなかった
彼はベッシーの懇願に何の応答もなく、移送を担当したクエンティンに向かって立ち去った。
「伯爵にこの手紙を伝えるように。返信は不要である」
クエンティンは泣き叫ぶ二人の女性を不快な目で眺め、マクシミリアンが渡す手紙を受け取る。
「はい、公爵様」
公爵は別の封筒を取り出して彼に渡した。
表にはブリエルの書体で「愛する母へ」と書かれていた。
「これはウッズ夫人に伝えるように」
「えっと・・・つまり、公爵夫人のお母様になる方のことですね?」
「そうだね、どんな方であれ、非常に礼儀をわきまえるべきだ」
「もちろんです」
クエンティンはブリエルの手紙も胸に入れてにっこりと微笑んだ。
「もともと娘は母親に似るものだと言っていました。ウッズ夫人は雪花の王妃である公爵夫人のように美しく優雅な方でしょう。そうじゃないですか?」
「・・・そうだろうね」
マクシミリアンはなぜかぎこちなく答え、こっそりと視線をそらした。
「公爵様、まさか今照れているのですか!?」
そうではなかった。
絶対に違うが、マクシミリアンはどうして的を射た人のように何も答えることができなかった。
「なんてこった、皆さんここを見てください!うちの公爵様が・・・ああっ!そんなに睨まないでくださいよ!私の寿命が縮まると・・・あ、何でもありません」
クエンティンは、遠くで公爵夫人と目をこすっているクラリスを見つけ、すぐに口をつぐんだ。
「すぐに出発しなさい」
「ああ、わかりました。それでは首都でお会いしましょう」
「ああ」
待機していた兵士たちが、アセラとベッシーを一つの馬車に押し込んだ。
先頭馬車に乗ったクエンティンが合図を送ることで伯爵令に向かう行列が出発する。
クラリスは庭の片側にほうきを持っていた。
「本当によかった」
公爵夫人が公爵様に嘘をついていることを知った時は、シェリデンに暗い雲でもたくさん集まってくるのではないかと心配していた。
「でも大丈夫だった。それは公爵様と公爵夫人がお互いを心から愛しているからだ」
そしてクラリスは彼らを観察してきた壁にもとても感謝の気持ちがした。
「壁が私に状況を教えてくれてよかった」
クラリスはこれからも内壁の話にもう少し耳を傾けなければならないと思った。
公爵と公爵夫人に恩返しをするためにも。
「いや、ありがたいのはお二人だけではない」
この邸宅には彼らの他にもクラリスのために努力してくれる人が多かった。
いつも近くで面倒を見てくれるロザリーとベンソン卿の他にも、おいしい料理を作ってくれる料理人、庭で遊ぶたびに新しい木や草を紹介してくれる庭師、薪を持ってきてくれる使用人まで・・・。
クラリスは彼ら全員に恩返しをしたかった。
自分は囚人だから大したことはできないだろうが。
「外での活動時間かな?」
クラリスの前にマクシミリアンがやってきた。
「こんにちは、公爵様!」
彼女はすぐに礼儀正しく挨拶する。
「雪かきを習っていました。シェリデンの子供たちは皆これができなければならないそうです」
クラリスは公爵に対する礼儀として耳を覆う帽子を脱ごうとした。
しかし、彼はなぜか帽子についたリボンを引っ張って、帽子をしっかりと固定してくれた。
帽子についた毛が頬まで覆ってくれると、さらに暖かくなる。
「風邪を引いてはいけない」
クラリスは帽子の結び目をいじりながらたくましく答えた。
「絶対に引きません!」
「そうだね」
そしてマクシミリアンがクラリスの後ろをちらっと見た。
そこにはブリエルがいたので、クラリスはこの辺でそっと席を外したほうがいいと思った。
「公爵様、あそこですごく長い木の枝を見つけたんですが、拾いに行ってもいいですか?一人で!」
クラリスは「一人」という言葉をあえて強調した。
こうしないと、優しい公爵夫人が自分の後をついてくるような気がして。
「そう、毎日拾った木の枝の長さと毛量を記録しているというか」
「ええ、もしかしたら最高に長い木の枝を見つけるかもしれません!」
「庭園を離れることがあってはならない」
「もちろんです。許していただいてありがとうございます」
クラリスは2人に挨拶し、すぐに振り向いて走り出した。
少し離れた所で並んで立っている二人を眺めると・・・。
ちょうどマクシミリアンは帽子を、ブリエルは髪にリボンをつけていた。
「やっばりあの雪だるまに似てるんだ」
そう考えたクラリスは再び外壁の下にぴょんびょんと走った。
ブリエルの母親も無事に保護されるようです。
これで事件は解決ですね!