こんにちは、ちゃむです。
「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。
今回は127話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
127話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 一つの事実
ペステローズ邸にも春がやってきた。
冬の間、息を殺した木に若葉が生えた。
後園はチューリップやクロカス、フリージア、ムスカリがたくさん咲いた。
ダリアはその間に自分の能力について一つの事実を知る。
昨年の冬、ダリアとヒーカンは皇帝から突然の手紙を受け取った。
彼は真剣にダリアに伝えなければならない話があると、自分がペステローズ邸に直接来ると言った。
いや、実は今すぐ向かってるって。
遅ればせながら見えたが、公爵家の人間を皇居と呼ぶ代わりに、直接体を引きずって邸宅に来たこと自体が大変な特恵だ。
それほど急なことでなければ、皇帝がそのようにする人物ではなかった。
皇帝はすぐ到着する。
彼は皇居馬車から降りるやいなや、礼を表そうとする二人を阻止し、素早く歩いてきた。
彼のそばにはケルシオンがいた。
ケルシオンはあの日から完全に皇帝の忠犬となり、忠実に彼に従っている。
皇帝が振り向いて彼を見て手を振る。
「お前は帰れ」
「分かりました」
ケルシオンは2人に黙礼して帰っていく。
ダリアはしばしば彼の空虚な目が気になったが、わざと目を背けようとしていた。
ヒーカンが一歩歩いて皇帝に言った。
「・・・またどういうことで、ダリアはなぜ呼んだのですか?」
皇帝は何度か舌打ちをした後、深刻な表情で話した。
「もっと遅くなる前に二人に話さなければならない話がある」
「・・・」
二人とも皇帝の表情から尋常でない雰囲気を感じた。
ヒーカンはすぐに彼を応接間に連れて行く。
皇帝は応接室に用意した紅茶は見向きもせず、すぐに本論に入った。
「今日は二人に一つ告白をしようとしてね」
「・・・」
ヒーカンとダリアはお互いに向き合う。
突然告白だというから戸惑った。
皇帝は気にせず話を続けた。
「来春、我々の予想通り、アセラスが条約更新のためにフレデリック帝国に来るんだ。戦犯アルトス公爵が渡した情報が偽物だということに気づいたとしても、彼はそうするだろう。相変わらず彼はダリアちゃんを狙っているはずだから。分かるけど、これといって防ぐ名分はない」
「・・・」
「彼が来るなら、私たちもそれなりに備えなければならないのではないか?もちろん、その中で最も重要なのはダリアちゃんを守ることで。同意してくれるかな?」
ヒーカンはうなずいた。
皇帝もうなずいた後、片方の眉をひそめて言った。
「私が実は、これまでダリアちゃんの能力について話していないことが一つある」
「え?」
ダリアは思わず聞き返した。
彼女の能力について皇帝が知っていることって?
自分の能力についてダリアほどよく知っている人がどこにいるって?
しかし、皇帝の表情は嘘をついていないようだ。
ダリアは膝の上に手を合わせて集中した。
「私の能力は知ってるよね?ダリアちゃん、私は身体接触で感情を読む」
「はい」
彼女はうなずいた。
皇帝が二人を見つめながら言った。
「私がこれまで見守った結果、ダリアちゃんの能力はダリアちゃんが相手に抱いた感情に影響を受ける」
「・・・それはどういう意味ですか?」
ヒーカンが鋭く問い返した。
「言葉通りだよ。まあ、何も考えていない人にも聞いてはいるようだけど。憎む人には全く力が通じないだろう」
「・・・」
「つまり、アセラスがダリア嬢を手に入れたところで、彼は何も得られないということだ。その事実を彼が知ったら、どう出るか分かるんじゃない?いっそ、誰も得をとれないように・・・」
「陛下、言葉を慎んでください。ダリアが聞いています」
ヒーカンの言葉に、皇帝は肩をすくめる。
ダリアも慌てて皇帝をじっと見つめた。
「いつも陛下は、重要なお話をするのが遅すぎますね」
ヒーカンは歯を食いしばってゆっくりと話した。
皇帝はため息をついた。
それなりに彼にも弁解の余地があるようだ。
「今までは・・・この話をするようなはっきりした理由がなかった。調べてみたところでどこに使うか?むしろ、アセラスが私の下にいる時、彼の魂胆を知っていたら、彼にこの事実を伝えて、より大きな悲劇を防いだかもしれない。しかし、もうあまりにも遠くまで来た。彼は戻れないね。もうこれを隠すことだけが残ったんだ」
「それにしても、ダリアは自分の能力について知らなければなりませんでした」
「認める。すまないね」
皇帝が両手をあげてきれいに謝る。
アセラスがこの帝国に来る前の今が残った時期の中で、唯一の敵機だということを二人とも頭では知った。
それにしても、あまりにも遅い悟りだった。
今更ダリアは自分の手を見下ろす。
自分の感情に能力が影響を受けるなんて。
考えたこともない不思議な話だ。
特に他の人に悪感情を抱いたことがないため、今まで浄化が全てうまく行われたためだ。
しかし、アセラスは決してそうではないだろう。
先代メアリー・ブルーポート公爵のためにも。
(もしこの事実を知ったら、アセラスはどう出るんだろう?)
奪っても必要ないから殺そうとする?
いや、それ以上にすべての希望を失って全部暴走してしまうんじゃないかな?
ダリアはアセラスのことを考えるたびに腹が立って怖かった。
しかし、一方では何が彼をそうさせるのか分からず、しきりに彼のことが気になった。
原作のすべての人物を変えなければならないという変な責任感のためだろうか?
それとも彼が彼女にとって脅威的すぎる存在だから?
皇帝がずっと下を向いているダリアの様子をより慎重に話した。
「それで、ダリアちゃん・・・」
ダリアは頭を上げずに答えた。
「陛下とはもう1年は話しません」
「・・・」
「当然浄化もありません」
皇帝が悲しそうな顔をする。
しかし、ヒーカンもダリアも気にしなかった。
「そういうこともあったよね」
皇帝はその後もダリアに何度も謝罪の贈り物と愛のメッセージを送ったが、ダリアは屈せず自分の立場を守っていた。
それでも本当に1年を満たすことはなく、何度も努力してくれれば勝てないふりをして
やり過ごすつもりだ。
とにかく、いつの間にか5月。
ダリアの誕生日が一週間前だった。
今回の誕生日が過ぎると、ダリアは18歳。
もう彼女も一人前の大人になる。
フレデリック帝国の貴族は、通常18歳の誕生日に成人式の舞踏会を開いたものだった。
ダリアも例外ではない。
「心配しなくても、成人式の舞踏会の準備はしているよ」
ソファーに座って、本をめくっていたヒーカンが言った。
「君が管理したいことがあれば、それでもいい」
彼は冬を過ごして21歳になり、信じられないほど背が高くなった。
ダリアは時々彼女に行くべき身長がヒーカンに近づいたのではないかという合理的な疑いを抱いた。
ヒーカンは絶対に何があったのか教えてくれなかったが、彼の精神を長い間かじっていた尋問が終わった後、彼は顔色がはるかに良くなった。
神聖帝国はアルトス公爵家の主人が変わった後、動きがない。
アセラスが.完全に貴族院を手に入れ、完全にアセラスの一人独裁体制だという。
国民を思うと、残念なことだった。
同時に両帝国の関係はますます悪化の一途をたどり、今はいつ戦争が起きてもおかしくないほどだ。
ダリアの誕生日が過ぎて約3週間後がダービー・ガトラン条約が更新される日だ。
先代アルトス公爵が半年前、ブルーポート公爵家の音波技術を神聖帝国に渡したのだから、今回の条約の結果は恐らく破局だろう。
おかげで代表者のルウェイン・ブルーポートがまもなく首都に来る。
「ルウェイン・ブルーポート・・・」
ダリアは彼のことを考えるとずきずきとした。
まず彼のことは置いておいて、彼女は1週間後の自分の誕生日だけに集中することにした。
ヒーカンは本を覆い、眼鏡を下ろす。
彼は真剣な表情でダリアを見た。
「それで本当に考えは変わっていないのか?」
「・・・」
ダリアは重々しくうなずいた。
ヒーカンの顔に深い憂いがにじんだ。
「本当に今回の舞踏会も、セドリック様と行くつもりみたいだね?」
ダリアはしばらく様子をうかがって、急いでうなずく。
ヒーカンはため息をつきながら両手で顔を覆う。
「もう私とは舞踏会に永遠に行かないつもりか?」
セドリックとヒーカンは、前回ダリアのパートナーの問題で一度戦った。
その時、ダリアは真ん中に挟まって完全に冷や汗をかいた。
『選ばれなかったから意地悪になったのは分かるが、どうしてダリアに八つ当たりをするのか分からない。』
「皇子殿下がそんなにいい言葉でダリアを圧迫するから、ダリアが殿下を選ぶしかないのです』
『本当にそうなの、ダリア?』
『そんなことをするなと警告しているのです、殿下』
2人ともダリアの方を向いたとき、目眩がした。
二度とあんな状況に置かれたくない。
あの時の記憶が浮かんだダリアは慌てて頭を横に振った。
「つ、次はお兄様と一緒に行きます。でも今回は成人式じゃないですか。みんな恋人と行くので・・・」
その言葉は逆効果だった。
ヒーカンから一瞬きしむような音がする。
「・・・それはお前がセドリック様と恋人という意味か?」
ダリアは懸命に首を横に振った。
最近ほとんどがセドリックと舞踏会に行くのは事実だったが、まだ彼とは正式には何の関係もなかった。
ヒーカンはしばしば不審そうな視線を送っていたが、ダリアは本気だ。
彼女は今でもこの上なく満足している。
もちろん、セドリックとダリアがお互いをパートナーとして舞踏会に連れて行くと、暗黙的に2人が恋人だと考える人たちが首都の大半だった。
甚だしくは皇后と皇帝も暗熟的に二人が自然に婚約すると考えているようだ。
しかし、現実は違う。
ダリアはセドリックからさらに10回告白されたが、最も重要なことは何も聞いていない。
ダリアは今更気になった。
(セドリック様は今のようにずっと友逹でいても本当に構わないのかな?)
「・・・」
こう思うと、きっとダリアがこのままではいけないとやきもきしているようだ。
必ずしもそうではなかった。
本当に・・・ただ・・・ずっとこのように過ごしてもいいのかただ知りたいだけだ。
今のような仲もダリアは良かった。
ヒーカンはその反応に慰められたのか、ため息をつく。
「よし・・・認める。私たち二人で行くと変に見る人がいるだろう」
「お兄様の誕生日には、お兄様と一緒に行きます」
「それはいつもそうだ」
「では、次の舞踏会も」
「分かった」
この時だけは、ヒーカンが駄々をこねる子供のようだった
ダリアは訳もなく彼がかわいらしく見えたので頭を軽く撫でる。
そうしているうちに残念そうに言った。
「でもやっばり今回の誕生日は私たちだけで過ごしたかったのに・・・」
誕生日を一週間後に控えた今、話すことではないけど。
彼女も多くの人に祝ってもらうのが嫌ではない。
ただ毎年誕生日ごとに派手すぎるのを見ると、たまには前世のように親しい友逹だけ集めておいて、軽くケーキを切って爆竹を割る誕生日が懐かしくはあった。
ダリアは昨日、熱心に悩んだ末、方法を探した。
「あの、舞踏会はそのままにしても、その前に親しい人同士で小さなパーティーを開きたいです。それはどうでしょうか?」
「いいよ」
ヒーカンがすぐに承諾した。
(うん?こんなに簡単に?)
それでダリアはうっかり18歳の誕生日パーティーを2回することになった。
相手への感情で浄化の力が変わるダリアの能力。
これを知った時のアセラスの反応が気になりますね。
今回の誕生日パーティーで、ダリアとセドリックの関係にも変化が訪れるのでしょうか?