こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は327話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
327話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 経過報告②
交流関連で話をもう少し交わす間、経過報告は終わった。
ダリアは興奮した顔で言った。
「王妃様、それではこれで失礼いたします。交流を推進していただき、誠にありがとうございます。魔法使いたちも喜ぶでしょう」
ダリアは席から立ち上がり、丁寧に頭を下げた。
なんとなく、早く帰りたい人のようにむずむずして見える。
多分、魔法使いたちにこの知らせを聞かせてあげたいのだろう。
私が出て行ってもいいという意味で頷くと、彼女はさっさと部屋を出た。
レイブンも静かに席を立つ。
彼が部屋を出ようとした瞬間、私はしばらくためらった口を開いた。
「レイブン卿」
すると彼は立ち止まり、私を振り返る。
何事かと聞くような、淡々とした視線だ。
「ちょっと散歩でもしませんか?」
「喜んで」
レイブンは従順に微笑んで言った。
私は彼と一緒に庭に出る。
彼に話があったが、密閉された空間に2人がいるよりは外に出た方が良さそうだ。
天気は幸いにも快晴だった。
適度に暖かかったし、日差しも強くないので散歩するのに良い天気。
こんな天気にセーブルと一緒だったらよかったのに。
レイブンは静かに庭を歩いている間、何も言わなかった。
私はそっと口を開く。
「ダリア魔法使いから話を聞きました。魔女裁判の時に助けてくれたと。遅くなりましたが、ありがとうとお伝えしたかったのです」
彼は少し驚いた表情をして照れくさそうに笑った。
その年とは思えないほど純朴な笑みで。
「こっそり助けようとしたのに、ばれましたね」
「隠したらどうするんですか。お礼も言わせないように」
「当然、助けなければならないことでした」
彼はそう言って私をじっと見つめる。
その覗線がなんとなくおぼろげで、私は妙な気分になった。
「裁判が無事に終わってよかったです。今回は慶事もありますよね。ブランシュお姫様が良い相手に出会えて本当に嬉しいです」
「そうなんですよ。レイブン卿も良い相手に会わなければならないと思いますが。交際している方がいるんですって?」
レイブンの顔に謎の感情が通り過ぎるのが見えた。
彼はじっと瞳を転がして私を見る。
「うまくいきませんでした」
「え?どうして?」
「私とは縁がなかったようです」
そう言って、レイブンは視線を避ける。
これ以上話したくないかのように。
今日レイブンに散歩を勧めたのは、ただお礼を言うためだけではなかった。
[レイブンが言ってました。自分がアビゲイルあなたと結婚することもできただろうと]
去る前、セーブルが言った言葉がとても気になった。
以前なら「そう、そうかもしれない」と思ったが、今はそうではなかった。
セーブルの葬式の時、彼は自分がセーブルの代替品になりたいとした。
それは果たしてどんな心から出た言葉だったのだろうか。
まさか彼が私に恋愛感情を抱いているのではないだろうか?
アビゲイルは綺麗だから、そういう気持ちになるかもしれない。
最近付き合っている人がいるから私の勘違いかと思ったが、先ほどの反応を見るとまた混乱し始めた。
私は何と言えばいいのか分からず、黙々と庭に沿って歩く。
春のバラが赤く咲き、ほのかなバラの香りが漂ってきた。
「今年はきれいな花が咲きましたね」
何気なく言った言葉だ。
すると、レイヴンが無心に花のたぶみに近づき、バラを折って私に渡す。
その手に特別な愛情は感じられず、私はためらってそれを受け取った。
そして剌すような痛みが感じられた。
「うっ・・・!」
バラのとげが親指を深く剌すと、血が手の刃に乗ってぽろぽろと流れ落ちた。
レイブンは驚いてハンカチを取り出す。
「王妃様、大丈夫ですか?」
彼は急いで私の傷をハンカチで包んだ。
血痕が小さな小銭ほどの大きさで残る。
「はい、大したことないです。ありがとう、レイ・・・」
彼の顔を見上げた瞬間、私は言葉を詰まらせた。
レイブンがよく手入れし、隠してきた仮面の後ろに現れた素顔を見た気分だった。
彼の視線。
セーブルが私を見つめる時と非常に似ていた。
あの目つきをどうして忘れることができるだろうか。
たかがバラのとげに刺されただけなのに、彼の顔には言葉では言い表せない憂慮と驚きが漂っている。
目が合うと、彼は一歩遅れて仮面が剥がれたという事実を自覚し、覗線を向けた。
遅れて落ち着いたふりをして微笑んだが、もう私は彼の瞳の中をのぞいてしまった。
私の勘違いだったらいいな。
少しきれいな女性として生きてきたと、鼻が高くなったのならいいんだけど、彼の指が触れたところが熱かった。
いや、むしろ冷たいような気もした。
私は持っていたバラを彼に差し出す。
レイブンはぼんやりと私を見て口を開いた。
「どうしたんですか、王妃様?」
「バラ、お返しします」
「申し訳ありません。バラのとげを考えられませんでした。他の花を・・・」
「いいえ、その問題ではありません」
彼はわけがわからないかのように、無邪気な目をしていた。
それが本気なのか演技なのか私には見分けがつかない。
「レイブン卿。元王妃とレイブン卿の間にあった噂について知っていますか?」
「・・・私が前王妃様と不倫関係にあったという噂ですか?」
私はそっとうなずいた。
ありがたくない話題が出ると、レイブンの顔に陰ができたが、止めることはできなかった。
「私はその噂を疑いません。ただ人々が勝手に推測して騒いだのでしょう」
「信じてくれてありがとうございます」
「えぇ、でも」
レイブンの金眼が獣のように一瞬収縮するのが見えた。
私はひりひりした親指を中に抱えながら話を続ける。
「根拠のないうわさでも人を追い込みやすいです。私もそれで魔女にされましたし」
「・・・」
「誰かはレイブン卿の好意を恋愛感情だと曲解して噂を立てるかもしれません。私はそんなことは防ぎたいです」
レイヴンが私のことを気にしていないのなら、これは寸劇のような会話だ。
私を自意識強い女だと思うかもわからない。
でも、もし、彼が本当に私に心を抱いていたら。
「だから私たちは適当に距離を置いたほうがいいです。私はレイブン卿にとって良い友人になりたいですから」
レイブンも大変で寂しい人だから幸せになってほしい。
ただ、線は確実に引かなければならなかった。
友逹のように、家族のように過ごせたらいいだろう。
それ以上を望むなら、私が止めるしかなかった。
「・・・」
レイブンは答えなかった。
真昼の静けさが春の日差しのように熱くて、少しひりひりした。
「私があまりにも軽率だったようです。すみません、王妃様」
彼は静かにバラを受け取る。
幸い傷ついた様子はなかった。
礼儀正しい微笑。
私の言葉を理解してくれたようだ。
「気分を害したのではないかと心配です」
「そんなはずがありません。その通りですね。今のように、良い家族のように過ごせたら、望むことはありません」
「よかったです」
ただ心から幸いだと思った。
彼の表情に温和なそぷりだけが漂っていて、心が安らかになった。
「殿下が帰ってきたら、みんなで食事を一度しましょう」
「楽しい席になりそうですね」
彼とささやかな私的な会話をしている間、私たちは短い散歩を終えて宮殿に戻った。
おそらくこの日以来、彼と二人きりで散歩をすることはないだろう。
レイブンもそれを知っているだろう。
「それではこれで失礼します、王妃様」
「ええ」
私たちはお別れの挨拶をした。
立ち去る彼の後ろ姿がなんとなく静まり返っているように見えた。
私はしばらく彼を見つめていた。
彼はすぐ光の中に消えていく。
レイブンは諦めた・・・?
アビゲイルが血を流したのが気になりますね。