こんにちは、ちゃむです。
「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。
今回は120話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
120話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 勝利パーティー
宴会の当日の午前。
アレスはまだ手入れをしていないので、垂れ下がった灰色の髪の間からカーテンの隙間を見つめる。
「吐き気がする」
優雅な話し方、聞きやすい声とは違って、彼の言葉はすべて軽蔑で満ちていた。
声だけでなく目つきも同じ。
虫たち。
彼の目は皇居に入る馬車行列を観照的な視線で見下ろしていた。
化身になって以来、彼はすべての人間が虫にしか見えなかった。
それとも犬か豚か。
それは支配階層特有の血統主義から始まったものではない。
ただ人間が取るに足らないものだった。
全部踏み潰して爆発させたかった。
アレスは不気味な殺気に濡れて首を横に振る。
化身の力は強力で、このカで世の中を支配することは少しも難しくなさそうだった。
しかも彼には有能な弟,クリードもいたから・・・。
「しきりに気になる」
アレスはこれほどの力を持っていたにもかかわらず、クリードを踏みにじることができるという確信が持てなかった。
やつはダイアナの言うとおり怪物だ。
全身の魔力がすべて開放されているにもかかわらず死なない、本物の怪物。
「しかし、それも長くは続かないだろう」
アレスは嬉しそうに笑う。
いくら強い力だとしても人間の肉体には限界があった。
「私のように化身にならない以上、その力は絶対に耐えられない」
かわいそうな弟が死ぬまで一生懸命利用してあげないと。
ただ、いつからか貴族の間で派閥が鮮明に分かれていた。
貴族たちが派閥を分けて争うのが一日二日ではなかったが、昨今の雰囲気は少し違う。
次期皇帝をめぐって意見が分かれたのだ。
誰かはクリードが皇位を放棄した事実を惜しんだ。
また、誰かはそのような強力なクリードがアレスを支持しないことに注目した。
そこまではよかった。
関係なかった。
モニカが皇位継承権を主張するまでは。
「生意気な姉さんをどうすればいいんだろう?」
彼の異母姉のモニカは今までライバルだと思うどころか、存在自体を気にしたことがなかった。
年を取ると、自然に適当な結婚先を調べ、結婚同盟用として使う道具としてだけ見てきた。
ところが最近、アレス配下の情報組織でモニカの歩み中に変な点を発見したのだ。
『皇女殿下がたびたびボナード侯爵夫人を訪ねていた理由が分かりました。侯爵邸でエセルレッド公女とたびたび密会してきたようです』
二人はなぜ誰の目にも付かずに内緒で付き合ってきたのだろうか?
ナビアがモニカと交わりを求めた理由は何だろう?
ただ皇室に列を作るためだろうか?
しかし、彼女はその必要のない人。
その事実は昨日の事件で明々白々となった。
『ファミリア百貨店のオーナーがエセルレッド公女でした』
その他にもブティック、工房などもエセルレッド所有の事業だった。
アレスは静かにため息をつく。
「ナビア、私をこんなに悩ませるのはあなただけだろう」
そのようにぶつぶつ言う声には妙な熱気が漂っていた。
アレスはカーテンを開けながら部屋の中を明るく照らし、一方の壁面に置かれた大きな肖像画に近づく。
成人したナビアを描いた肖像画。
アレスは肖像画の前の椅子に座り、切ないため息をついた。
肖像画の上を手探りする手は、濃い欲望で濡れていた。
「綺麗でもある」
アレスは子供の頃からかなりの忍耐力を持っていた。
彼は相手を油断させるために、ほぼ10年を静かに待つこともできた。
そうしてナビアを手に入れることができれば、それなら十分可能だった。
「もう今までやってきたように隠れていられない」
肖像画の中でかすかな笑みを浮かべたナビアに言葉はない。
今回、ナビアが雇った肖像画家が、とても幸運にもアレスとコネがある者だったので、
彼女の絵を手に入れることができた。
これが間違いだった。
ナビアの肖像画を手に入れた瞬間から、よく耐えてきた心が揺れ動いたのだ。
早く会いたい。
気が気でたまらなかった。
アレスは宴会にふさわしい派手な服装をして廊下に出る。
そろそろ皇帝を訪ねなければならなかった。
そうするうちに、そのような目的を持って出てきたようなクリードと出くわす。
「・・・大公」
似たような身長と妙に似ているが、また他人のように違う2人がお互いを凝覗する。
クリードはゆっくりと頭をこくりながら言った。
「お久しぶりです」
アレスは少しいらいらしていた。
大公といえば、単に職級としてのみ取った時、皇后と同じ階級だ。
したがって、皇子である自分はクリードに敬語を使わなければならない。
もちろん、クリードは大公である前は皇子でもあったので、互いに空対しなければならないが、感心しなかった。
(早く王位さえ掴めれば・・・)
アレスは殺気を抑えながら微笑んだ。
「お父さんのところへ行くんですか?」
「はい」
「一緒に行きましょう」
「・・・はい」
相手をひどく嫌うのはクリードも同じだった。
兄弟はお互いに対する殺心を上手に隠し、表向きは平然自若と皇帝の寝室に向かう。
クリードが受け取った数多くの下賜品の中には大邸宅もあった。
しかし、その邸宅はまだ利用できていない。
宴会が終わる日までは皇居に滞在しなけれはならなかったからだ。
彼らが皇帝の寝室に到着すると、前で待機していた侍従長が内側に知らせた。
「陛下、アレス皇子殿下とクリード皇子殿下がいらっしゃいました」
侍従長は、あえてクリードを「アイルツ大公」と称せず、「皇子」と言った。
彼のルーツがどこなのか忘れるな、という底意が感じられるくだらない言葉遊びだ。
「お入りなさい」
寝室の中で、ユリッヒはダイアナに仕えて衣服を整えていた。
そのようなことは下のものがしなけれはならないことだったが、ダイアナは「妻の道理」に言及し、しばしばそのような雑用を自任した。
そのような些細な世話がユリッヒを満足させることであることを知っているから、喜んでするのだった。
クリードとアレスが2人に向かって礼を尽くす。.
「陛下にご挨拶申し上げます」
ユリッヒはダイアナの方へ手を上げ、まるでそれでいいかのように彼女を後ろにさした。
そして、微笑を浮かべながら、成人した息子たちを眺める。
クリードは現在、最も誇らしい息子であり、アレスも幼い頃の浅はかな趣向を捨て、長男らしい行動を見せて満足していた。
(弟たちに比べて、モニカはとても不器用だけど)
今も見よ。
お見舞いに来た息子たちと違って、モニカは何も漏らさなかった。
後でこれを追及すると「父親のために朝から狩りをしてきた孝行娘をこんなに冷遇しますか?」ととぼけた。
(いったい息子なのか娘なのか分からないな)
ただ、本音が分からない2人の息子とは違って、モニカは何一つ隠すことがなく、率直で豪放だ。
それで子供として一番愛着がわいた。
足りないことがないかずっと気にして、何かをうまくやればとても嬉しかった。
特に、帝国の3人の公女と比較されることを恐れて、より優れているように帝王学まで教えた。
そうするうちに資質がうかがえ、ある瞬間モニカも.次期皇帝候補として念頭に置くようになったのだ。
ユリッヒは考えを整理してクリードに向かって両腕を広げる。
「おいで、誇り高き息子よ!」
その言葉にアレスはもちろんダイアナも戸惑う。
しかし、不快な気持ちは表に出さなかった。
ユリッヒが子供の中でクリードを一番寵愛するような状況だったからだ。
ユリッヒは、危うく連合国に大敗するところだったカラディス戦を勝利に導いた息子がとても誇らしかった。
クリードは従順にユリッヒと抱き合う。
味方になってくれる人と一緒にいる必要はないから。
化身となったアレスの力はクリードよりも上なのでしょうか?
アレスがナビアを狙っているとクリードが知ったときの反応が気になります。