こんにちは、ちゃむです。
「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
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151話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 母の手紙②
「皇室では基本的に後継者の手が貴重である。自分の子どもが明確な理由もなく魔力の暴走により命を失うことも少なくない。そのため、皇室における責任について疑問を持つと同時に、その苦悩の中で日々の務めを全うし、与えられた果実を味わいながら平穏を保っている。私が皇室に迎えられ、果実を食べなければすぐに追放されることは明らかでした。そこで、協力を装い、ひとまず受け入れました。しかし果実を食べることになったら、できるだけうまく利用し、最終的にはあの場を乗り越えようと考えていました。次の果実については復讐を求めるつもりです。」
「……。」
クリードは少し驚いた表情で日記を閉じた。
「ついに冷たい宮殿に閉じ込められました。この場所に閉じ込められる前に、日記とペンを隠しておいて良かったと思います。未来を予測する能力は、正確なタイミングを把握するために役立ちました。いつもは知らせてくれないけど、まるで私が未来を計画したかのように、細かいことまで見せてくれる時がある。どうしてそんなことをわざわざ見せるのか、本当にわからない時もあった。それでもクリードの未来はかなり具体的に見えるから、本当にありがたい。この子を救う方法が見えるだけでも、本当に幸運だ」
日記には簡潔ながらカミラについての言及もあった。
「今ごろカミラはどうしているのだろう? 彼女やエセルレッド公爵の動向は、私には正確には見えないけれど……。私は黄金の手で果実を持ち、果実を食べなければすぐに遺産を失うだろうと言って脅迫された。どうせ死ぬのだから、せめて上手に食べて潔く死ねということらしい。そして次の果実では復讐を求めるつもりだという。」
ナビアは震える息を落ち着かせ、涙をこらえながら口を開いた。
「お二人は本当に素晴らしい友人だったと思います。」
クリードも同意するかのように微笑み、軽く頷いた。
日記は全体的に簡潔で、ページをめくるたびにあっという間に読み進められた。
残りのページが少なくなっていくのを惜しみながら、気になった部分を何度も読み返した。
そして、最後には日記の代わりに、エステルがクリードが見つけるであろうと予期して書いた手紙が現れた。
ナビアはこの部分について、再びクリードの許可を得て読み直す必要があると感じ、口を開いた。
「私も一緒に見ても大丈夫かな?」
クリードはナビアの肩をしっかりと抱きしめながら言った。
「これは僕一人の問題じゃないと思うんだ。」
ナビアは、彼の言葉が何を意味しているのか正確に理解した。
これはそれぞれの問題ではなく、「私たち」の問題。
彼らの運命が絡み合って生まれた出来事だった。
だからナビアも、彼が十分に理解できる時を見計らって、カミラの手紙と映像をすべて見せた。
ナビアは、自分の肩を包むクリードの手にそっと触れた。
「一緒に読もう。」
クリードはすでに手紙を何度も繰り返し読んでいた。
しかし、今回はナビアと一緒に読むと思うと、手紙が新鮮に感じられた。
「うん、一緒に読もう。」
彼らは涙でいっぱいになり、言葉を失った目で互いを見つめ合い、ほぼ同時に手紙へと視線を移した。
手紙の冒頭の文はこうだった。
「愛する息子クリードへ。この日記を見つけたとき、君はもうすっかり大人になっているのだろうね。」
まさに未来を予見したかのような魔法のような挨拶文だった。
「未来を見ることはあまり楽しいことではないけれど、この瞬間だけは私にとって大きな励みになる。君の愛らしい幼い頃からすべて成長した姿まで知っているけれど、それでも自分の目で見ることができたらもっと良かったのに。」
日記には、始終一貫して堅苦しかった文章が、瞬間的に無邪気で幼い言葉遣いに変わる調子が続いていた。
さらに、文の一つ一つにクリードへの優しい愛情が込められていた。
手紙を読むナビアの口元に、わずかに優しい微笑みが浮かぶほどだ。
「お母さんは時々、君を育てるときにどんな出来事が起こるのか想像してみることがあるんだ。眠りたくないと駄々をこねる君に童話を読んであげる様子を想像するのは楽しいことだよ。おてんばに遊び回って転んで泣き出す君を起こして埃を払ってあげる姿もね。それだけじゃなく、友達と喧嘩して帰ってきてすねている君に、温かいミルクをあげながら、「友達と仲直りするつもり?」って尋ねるのも、楽しい出来事になるんじゃないかな。そんな素敵な出来事を一緒に経験できないのは残念だけど、君が私を見つけて、こんな愛おしい日々を想像してくれるなら、それだけで十分だよ。「君を見ることができるという事実がうれしいんだ。それでも君の恋愛の未来を予測してみたんだよ。どうしてナビアがカミラにそっくりなのか、不思議に思わないかい?君がその子に惹かれたのも無理はないさ。カミラは本当に素敵で良い友人だったからね。その彼女の娘であるナビアも、きっと同じように素敵で良い子なんだろうね。」
ナビアはいつの間にか流れていた涙を拭き取り、先ほど読んでいた部分を指差した。
「ここを見て。君のお母さんが私を良い子だって言ってたよ。」
するとクリードが答えた。
「お姉さんは素晴らしい人だからね。」
ナビアは彼を見上げながらくすくすと笑った。
「君も本当に良い人だよ、クリード。」
彼らは再び日記帳に視線を戻した。
「こうして手紙を書いてみると、本当に不思議だよ。私がこんなことで幸せを感じたり感動を覚えたりできる人間だとは思わなかったんだ。実は私は一生母親にはなれないと思っていたんだよ。でも君が私を見つけ、私を母親にしてくれたんだね。こんな幸せがあるということを君が教えてくれたんだよ、クリード。この手紙を書いている母さんと、この手紙を読んでいる君が生きている時間は違うけど、それでも君はいつも私と一緒にいるんだと思ってほしい。不幸だった私の人生に現れてくれて、本当にありがとう、ごめんね、そして愛しているよ。この素晴らしい結果を作り出してくれたエセルレッド工房にも感謝を伝えるね。
元気でね、未来の私の息子。もうすぐ生まれる君を待ちながら、すべての瞬間の君を愛しているお母さんより。」
クリードは「すべての瞬間の君を」という部分を見つめ、指先でそっと触れた。
これまで含まれていた言葉の一つ一つから、母親が未来の自分を全て愛しているという思いがどれほど大きいのか、圧倒されるほどだった。
どれだけ大きい愛情なのだろう?
どれだけ大きいからこそ、今の自分が母親がずっと以前に書いた愛をここまで鮮明に感じ取れるのだろうか?
彼はようやく気づいた。
自分が生きて息をするすべての瞬間に愛されていたことを。
そして、それを彼女が見守ってくれていたことを。
クリードは崩れるように膝をつき、頭を垂れた。
「クリード。」
自分を呼ぶ母親の声が、まだ耳元で鮮明に響いていた。
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