家族ごっこはもうやめます

家族ごっこはもうやめます【174話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【家族ごっこはもうやめます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

174話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 赤ちゃんになったナビア⑨

コンコン。

そのとき、マーガリットが入ってきた。

「将軍、ブラディナ侯爵家からお客様がいらっしゃっています。」

ナビアが赤ちゃんになったという知らせを聞いたブラディナ侯爵家の人々は、朝早くからこの場所を訪問してきたのだ。

エルキンもその一員のようだった。

「3階の応接室に通してくれ。」

「すでにお待ちいただいております。」

ナビアはマーガリットを見つけて満面の笑みを浮かべながら、その方向に向かった。

「マーガリットさん!」

マーガリットは身をかがめて丁寧にナビアと視線を合わせた。

「まあ、とても素敵なものに乗っていますね。」

「パパが買ってくれました。」

「なんてこと!素晴らしいですね。お外に出かけて自慢しに行くのですか?」

ナビアはマーガリットの言葉を聞くと、ほんの小さなことでもとても良いことをしたような気分になった。

「はい!」

ナビアは体を少し前に傾けてマーガリットの頬に軽くキスをした。

二人はお互いに笑い、仲良さそうに楽しんだ。

そんな微笑ましい光景に、ラルクの心が少し複雑になった。

『歩行器を買ってあげたのは僕なのに、なぜマーガリットがキスをもらうんだ?』

マーガリットは主君の表情がそこまで険しくないことに気づき、ドアを勢いよく開けて、自分の仕事を進めた。

「さあ、外に出てくださいませ、お嬢様。」

ナビアは歩行器に乗ったままピョコピョコと外に飛び出した。

「パパ、ナビア出たよ。」

ナビアが急いで外に出ると、再びラルクもそわそわしながら歩き出した。

ナビアはラルクに向かって手を上に伸ばした。

「手。」

一緒に手をつなぎたいという意味だ。

ラルクは微笑みながら、ナビアを穏やかに見つめた。

ナビアは父の手をつかみ、自分でも気づかないうちに揺れ始めた。

それがとても愛らしかった。

マーガリットがそっと尋ねた。

「お嬢様が赤ちゃんになったことがそんなに嬉しいのですか?」

「喜ぶな。私は真剣なんだ!」

「……まずその笑顔を消してからお話しされたほうが良いかと思います。」

彼女の指摘にラルクは空いている手で口元を押さえた。

表情をコントロールしているつもりだったが、またしてもニヤニヤしてしまっていたようだ。

しかし、これは本当にどうしようもないことだ。

ナビアは、もしおばあちゃんになっても可愛いだろうと思うくらいだったが、今は赤ちゃんだった。

それも、自分の娘としての赤ちゃんだった!

ラルクは、こんなに愛らしい子が自分の子だと誇りに思いたかった。

そのためか、応接室に向かう足取りがだんだんと速くなった。

「では、私はこれで失礼いたします、主君。」

「うん。」

マーガリットは、応接室に向かって軽やかに歩いていく主人の後ろ姿を見つめながら、微笑みを浮かべていた。

応接室は中央階段のすぐ横にあった。

内密な話ができる秘密の空間で、血族でなければ中に入ることが許されない応接室でもあった。

エルキンはいつもその応接室を使用していた。

マーガリットは階段を下り、ラルクは応接室の扉を開けた。

「カチャ。」

扉が開くと、エルキンが堂々とした態度で中に入ってきた。

ラルクに向かってエルキンが呼びかけた。

「公爵様!」

エルキンの表情には、明らかに心配の色が浮かんでいた。

「ナビアが赤ん坊だなんてどういうことですか?アルケミスト商団からご注文いただいたベビー用品は一体……!」

「大丈夫。」

「……?」

突如として響いた赤ん坊の声に、エルキンの視線が下へ向いた。

白くて小柄な赤ん坊が、歩行器に乗りながらぷるぷると歩いている姿が見えた。

エルキンの目は見開かれ、口もぽかんと開いた。

「な、ナビア?ナビアで間違いないのか?」

ナビアはラルクの手を放してエルキンの前まで歩み寄った。

彼女は歩行器を床に固定し、身をくねらせながら外に出ようとした。

「くぅん!」

エルキンは依然として困惑した表情でナビアを歩行器から抱き上げた。

「ありがとうございます。」

ナビアは礼儀作法に長けた赤ん坊らしく、丁寧にお礼を述べた。

その仕草や淡々とした表情など、すべてがまるで自分の子供ではないような印象を与えるものだった。

しかし、これは本当に赤ん坊なのか?

エルキンは小さな赤ん坊を前に、片方の眉を上げて戸惑い、手をぎこちなく動かしていた。

エルキンの視線は、微妙な表情を浮かべているラルクに向けられた。

「ナビアがどうして赤ちゃんになったのですか?」

「ちょっとした事故があったんだ。」

ラルクはいつものように、一番広いソファの席にどっしりと腰を下ろした。

エルキンは、ラルクの目に見えて奇妙な行動にも、彼の予想外で堂々とした振る舞いに慣れていたため、特に驚かなかった。

「どんな事故ですか?」

ラルクは昨日起こった出来事を説明し始めた。

その間、ナビアはラルクと同じソファに座り、彼の腹に寄りかかった。

ラルクが自然とナビアを抱き寄せると、快適な雰囲気が一層漂い、心地よい場面が作られていた。

『背もたれは柔らかくないけど、まあまあ快適だね。』

ナビアは満足げに床に座り込んでいた。

赤ちゃんの体で腰をまっすぐに保って品よく座るのはかなり難しいことだ。

ラルクから昨日起こった出来事についてすべて聞いたエルキンが尋ねた。

「それで、いつまで赤ちゃんのままなんですか?」

「多分、1週間くらい?」

ナビアは「1週間」と聞いて、具体的な日数を初めて知ることになり、驚いた目でラルクを見上げた。

「1週間も?」

「そう、1週間。」

ラルクはくすくす笑いながら、ナビアの短い声を真似した。

そのせいで、ナビアの表情がさらに不機嫌になった。

言い争いになるようなことも何もなかった。

機嫌が良くなったナビアはラルクの手を放し、ソファから降りるとエルキンのところへ向かっていった。

「え? ナビア、どこへ行くの?」

ナビアはラルクの言葉をまるで聞かなかったかのように、エルキンの前に来て腕を伸ばした。

「抱っこしてください。」

その瞬間、ラルクは信じられないという表情で席を立ち上がった。

エルキンは赤ちゃんになったナビアに対し戸惑いながらも、彼女の求めに応じてそっと抱き上げた。

「ナビア!」

ラルクが苛立たしそうに声を上げたが、ナビアはいつの間にかエルキンの腕の中にすっかり収まっていた。

エルキンは慎重にナビアの小さな手をそっと握ってみた。

「赤ちゃんの手はとても小さい……。」

ブラディナは隠密な活動のみを行う家系であったが、特にカミーラが家から出た事件以降、その勢力は弱まり、家門の存在感が薄れ始めた。

その後、エルキンが新しい家長となり、カフェケット魔法社を設立して重要な人材を統率した結果、ようやくその地位を維持することができた。

ブラディナ家がかつて名を轟かせた時代はもはや過去のものだったが、静かな家系であったため、表立って現れることは少なかった。

それゆえに、エルキンには血筋と呼べる存在はほとんどいなかった。

周囲には子供の姿を見ることもなかったので、なおさら孤立感が強まった。

エルキンに抱かれたナビアは驚くほど小さく軽かった。

その顔は小さく白く、赤い瞳が輝きを放ち、銀色の髪は柔らかく輝いていた。

エルキンはナビアから目を離せず、その愛らしさに圧倒されたような表情を浮かべていた。

特にナビアがフォークで果物を突いて口元に運ぶ仕草は、彼の心をさらに揺さぶった。

時には感動して涙が出そうになることもあった。

いつの間にか隣に来ていたラルクが、その感動の雰囲気をあっさりと壊した。

「どいて。」

「……え?」

エルキンは一人用のソファに座っていた。

「横にどいて。」

ラルクは無理やり隙間を作り、そこに割り込んできた。

エルキンが座っていたソファは一人用とはいえサイズが大きく、座るだけならゆったりとしていた。

それでも一人用なので成人男性二人が並んで座るには少々狭い。

ラルクと肩をくっつけるように座らされ、ぎゅうぎゅう詰めになったエルキンは、仕方なく眉をひそめつつ口を開いた。

「いつもあの広いソファを一人で全部使って寝転んでいるのに、どうしてこの狭い場所に無理やり座るんですか?向こうに行ってください!」

ラルクは不満げに肩をすくめながら答えた。

「俺が好きでやっていると思うか?俺の娘がここにいるんだ。ところで、家族にそんな冷たくするなよ。」

そう言って、ナビアを優しく見つめながら付け加えた。

ラルクは、この騒ぎの中でも視線を変えることなく、何かをつぶやきながら気まずそうなナビアをちらりと見下ろした。

「娘よ、父さんが来たのに無視するのか?」

ナビアは冷めた表情でラルクをじっと見つめ、軽くため息をついて肩をすくめるだけだった。

「……。」

一度ナビアが彼を心配するような視線を向けることがあったが、こんなに冷たくあしらったり、ため息をついたことは一度もなかった。

 



 

 

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