悪役なのに愛されすぎています

悪役なのに愛されすぎています【105話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「悪役なのに愛されすぎています」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【悪役なのに愛されすぎています】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「悪役なのに愛されすぎています」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介...

 




 

105話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 動揺④

時が流れ、パーティーに一緒に行く日がやってきた。

淡いピンク色の可憐なドレスを着たメロディはとても美しく、クロードは最善を尽くしてメロディを大切なお嬢様として扱った。

ボルドウィン家の後継者が彼女を愛おしそうに付き添っている姿から、人々は二つの家門の関係を自然と察するようになった。

そして貴族たちの間でも、メロディの立場はさらに確固たるものになることは間違いなかった。

だが哀しいことに、メロディはそうしたことにはあまり関心がないように見えた。

彼女は人前に出ることもなく、人々の間をすり抜けて挨拶を交わすこともない。

できるだけ隅のほうで、それも人が少ない場所を選んで留まっていた。

たまに挨拶して近づいてくる人に微笑むことを除けば、社交的な行動はほとんどなかった。

最近になってクロードは、メロディの本心が気になっていた。

彼女がそれほど好むタイプではないのに、なぜあんなに頻繁に外出していたのか?

その答えを知ることになったのは、クロードが今でも名前を忘れられない男――「クリスティアン・カバー」がその舞踏会場に現れた時だった。

正直に言って、クロードはその男についてあまり気にしていなかった。

もともと公爵家の後継者が伯爵家の末席にも及ばない男爵家の子息と深い縁を結ぶことなどあるはずがない。

さらに彼とクロードはまったく接点もなかったため、挨拶を交わすことすらなかった。

しかし、その男が舞踏会場に到着したとき、メロディの表情が一瞬で明るくなったのをクロードは見た。

クロードが舞踏会に行こうと言ったときの表情と比べれば、まるで地獄と天国ほどの差だった。

「……?」

クロードは思わず不審に思い、彼女を見下ろした。

メロディの奇妙な行動はそれだけにとどまらなかった。

彼女はなんと、直接クリスティアン・カバーのもとへ歩み寄り、慎重に話しかけたのである。

「えっと。」

それもとても遠慮がちな表情で。

彼の返事が聞こえないのではと心配しているのだろうか。

カバー家の次男が、メロディのような立派なお嬢様と話をしない理由なんて少しもないはずだ。

「こんにちは、ようやくご挨拶できますね、ヒギンス嬢。」

「いえ、私からご挨拶できてうれしいです。メロディ・ヒギンスです。もう……ご存じかもしれませんが。」

「知らない人なんているでしょうか。クリスティアン・カバーです。」

クロードは数歩離れた場所からその二人をじっと見つめていた。無礼だとは思いつつも。

メロディは両頬を紅潮させたまま、彼と会話をしていた。

この時ようやく、クロードはメロディがどうしてあんなに熱心に舞踏会に参加していたのか理解した気がした。

あの男に会うためだったのだ。

クロードは、自分も他の男たちのように強い感情を抱いていたことにその場で気づいた。

自分でも知らぬうちに「なぜあんな男を?」という思いが浮かんだのだ。

しかしその時の彼はまだ新参者で、メロディがもたらす混乱が何なのかを把握する余裕はなかった。

クリスティアン・カバーがメロディの手を取り、引き寄せるのを目撃してしまったのだ!

『……あのとんでもないお嬢様が本当に!』

我に返った時には、すでに二人の間に割って入っており、クリスティアン・カバーに向かって優しく微笑んでいた。

「騎士叙任の知らせを聞きました。おめでとうございます、クリスティアン・カバー様。」

実はクロードにとって、それ以上の意図はなかった。

ただ二人を邪魔したかっただけだった。

だがクリスティアンは熱のこもった反応でその挨拶に応えた。

「ボルドウィンのクロード様が私をご存知だったとは……本当に、光栄です。」

クリスティアンはメロディと挨拶を交わす時、さっきよりも何倍も嬉しそうに見えた。

クロードはなぜか笑みがこぼれた。

しかしそれはクリスティアンの反応のせいではない。

後ろにいたメロディが、彼の袖を他人に見えないようにこっそりとぎゅっと握りしめたようだった。

もしかすると、照れて頬を赤らめた表情をしていたのかもしれない。

それでクロードは、少しだけクリスティアンに親しげに接してみた。

「こんな立派な騎士様を存じ上げなかったとは驚きです。クロードと呼んでください。私もカバー家の名を許していただければ光栄です。」

「もちろんですとも!まさか私が、ボルドウィンの令息とお話できるなんて。今夜これ以上嬉しいことはないでしょう!」

空気を読んだ使用人が、彼らのもとへ飲み物を運んできた。

二人の男は、今日の出会いを永遠に記念するために仲良く杯を交わした。

その後、クリスティアン・カバーは時折クロードに贈り物や招待状を送ってきた。

メロディに関しては完全に忘れてしまったのか、再びヒギンス側に連絡してくることはなかった。

内心、あの件でメロディが傷ついたのではないかと思ったが、それはクロードの思い過ごしだった。

彼女はクロードに勝手に巻き込まれたことに対してはしばらくぶつぶつ言っていたが、当の男のことはすぐに忘れてしまったようだった。

数週間もすると名前さえも忘れてしまったのか、「どこかの家門の次男坊」と呼び、記録館で顔を合わせても目の前にいても誰かわからなかったほどだった。

クロードはときおり、あの日自分が割って入らなければどうなっていたかを考えていた。

長い間、お互いに気まずく視線を交わしていた二人は急速に親しくなったようで、もしかしたら特別な関係になったのかもしれない。

そんな考えが浮かぶと、クロードは眠っていたのに突然「いったい何であの男なんだ?!」と飛び起きることもあった。

怒りを抑えきれず、夜中に冷たい水をがぶがぶと飲み干したこともあったが、効果はなかった。

本当にどうしてなんだ?なぜあの男なのか?

慎重に悩んだクロードは、「なぜあの男なのか?」という疑問が、実は「なぜ私ではなく、あの男なのか?」という意味だったことに気づいた。

……自分でそう思ってしまうのは滑稽だったが、彼は自分に魅力が欠けているとは思っていなかった。

外見に関する賞賛はほぼ毎日のように聞いてきたし、学識も不足していなかった。

その長所を維持するための誠実さという美徳も備えていた。

正直に言えば、彼は自分がかなり「ハイスペックな部類」に入ることを認めていた。

倹約を美徳とすべきだという父の教えに従って断る方法はなかったが――

それでもメロディは、あのような人には全く関心がないというように振る舞った。

その事実がクロードの心を妙に落ち着かない気持ちにさせた。

どうにかして彼女をそばに引き止めておきたいという思いから、度を超してヒギンスの名前を使うようなミスまでしてしまうほどに。

 



 

「全部終わりました。」

メロディの声に、彼は長い記憶からようやく抜け出した。

クロードが木枠を覗くと、メロディは最後の仕上げを終えた木工品を目の高さに持ち上げて楽しげに見つめていた。

「手先が器用ですね。」

「私には、何でも惜しみなく仕事を与えてくださる主がおられますから。」

長い間彼が利用してきた関係をはっきり示されると、クロードはなぜか胸が痛んだ。

本当はそうではなかった……。

彼はただ、メロディが自分の手の届かないところへ行ってしまうことが不安だっただけなのだ。

クリスティアン・カバーの件をきっかけに気づいたのだった。

メロディには人を惹きつける魅力があると。

可愛らしい耳の形、優雅な歩き方、美しい声……。

彼女を形作るものすべてが魅力的だった。

そのせいで目移りしてしまう男たちは、皆、彼女を直視できずにまるで焦がれるように彼女を見つめていた。

前回のクリステンソンでも、クロードはそんな視線に晒されるメロディを見て、本当に気が気ではなかった。

彼はそれが無意味で幼稚な行動だとわかっていながらも、どうしてもやめることができなかった。

彼女から目を離したその瞬間に、またクリスティアン・カバーのような男が現れるのではないかと、恐ろしくさえあったのだ。

「これを壁にかければいいんですか?」

「はい、そうですね。束ねて吊るせばいいんです。乾燥させるのは互いに重ならないように。」

「重ならないように、わかりました。」

彼女は指示を頭に思い浮かべながら、決まった間隔でハーブの束を吊るした。

「吊るしてみたら、本当に装飾みたいです。綺麗ですね。」

「気に入ってもらえて嬉しいです。次のメロディ嬢の誕生日には植物の飾りを吊るしてみましょうか?」

「はい、いいですね。花も混ぜて束ねれば、もっと綺麗ですよ。」

「黄色い春の花ですね、一緒に準備しておきましょう。」

それはメロディがとても好きな花だったので、彼女は驚いた目で彼を見返した。

どうして知っていたのかという顔で。

「うん、君が知らないと思う方がむしろ不思議ですね。メロディ嬢の誕生日を見つけるのに一番貢献したのは誰だったでしょう?」

「あなたです。」

メロディは薬草の束をもう一つ掛けながら答えた。

「坊ちゃんでしょう。」

「そうですか?」

彼は腕を高く上げて、メロディの身長では届かない場所に薬草を掛けてあげた。

「天気がさらに悪くなりましたね。」

メロディの言葉にクロードが外を見上げると、ちょうど雲が押し寄せてくるのが見えた。

「雨が降ったら、この薬草たちはどうなるんですか?」

「ここは屋内なので、大きな問題はないですよ。ひどい梅雨の時はちゃんと乾かなくて捨てるしかなかったですけど。」

「通り雨だったらいいんですが。」

「通り雨だと思いますよ。」

「うん、そして……」

メロディは最後に残った束を掛け終えると、小さく拍手をした。

「やっと終わりました!」

「お疲れさまでした。今日は本当に、じっとしていてもよかったのに。」

「ううん、大丈夫です。」

メロディはゆっくりと束ねていた草を少し持ち上げ、自分の手のひらを鼻と口の近くに持っていった。

「いい香りのする草に触れると気分がよくなるんです。今は私の手からもいい香りがするんですよ。嗅いでみますか?」

メロディは得意げに、片方の手をそっと彼に差し出した。

しかしすぐに、彼の手からもそれほど違わない香りが漂っていることに気づいた。

同じ草を触っていたのだから。

彼女は少し気まずくなりながら、ゆっくりと手を引こうとした。

「そうなんですか?」

だがすぐに近づいてきたクロードが、彼女の手首を優しく取った。

「そ、その……香りで確認する必要はないかもしれないけれど。」

メロディが少し遅れてそんなことを言ったが、彼女の手はすでに彼の顔の近くまで引き寄せられていた。

「……香り。」

彼は目を閉じ、小さな声で言った言葉が、手のひらに触れるほど近くにあった。

「とてもいいですね。」

「ずっと薬草を触っていたから……。」

「別の香りもありますよ。」

メロディはなぜか気恥ずかしくなり、少し視線をそらして答えた。

「たぶん化粧品のせいだと思います。まだ香りが残ってるかどうかは分かりませんけど……。」

徐々に声が小さくなる会話の終わりで、メロディは何かに気づいたかのように窓の方を見た。

「……あ。」

短く息をのんだ彼女は、すぐにクロードを見てすまなそうな表情を浮かべた。

少し前まで感じていた当惑や恥ずかしさはまったく見られなかった。

「本当に雨が降ってきましたね。」

ぱらぱらと落ちていた雨粒は、すぐに周囲のすべての音をかき消すほどに強く激しく降り始めた。

「こんなふうに急に強まると、通り過ぎる雨はほとんど止まることがないんです。いつもそうなんですよ。」

ジェレミアの薬草を大切にしているクロードを安心させようとしているのだろうか。

彼女はわざと笑顔を作ってクロードを見上げた。

「だから、心配しなくても大丈夫です。」

「……。」

だが彼は何の返事も返さなかった。

なぜか感情のこもらない冷たい目で、ただ雨粒が落ちるのを見下ろしているだけだった。

「どうして……?」

そう尋ねたメロディの顔からも、もう笑みは消えていた。

「本当に…気にされないんですね。」

彼は一言ずつゆっくりと口を開いたが、そのたびに少しずつ表情が曇っていった。

深く傷ついても口を閉ざさない人のように。

「僕がこんなふうに。」

彼はメロディを握っていた手に、少し力を込めて引き寄せた。

「メロディさんと近くにいたくて。」

近づきたいという言葉とともに、クロードの唇が彼女の手首にぴたりと触れた。

「……っ!」

メロディは驚いて手を引こうとしたが、彼に握られている腕は微動だにしなかった。

いや、正確にはそれは嘘だった。

メロディはもし望めば彼の手からいつでも抜け出せるはずだった。

けれど、手首の上にそっと重なる唇の感触から、なぜか離れたくなかった。

彼女が手首を許していることに気づいたとき雨音ももう聞こえなかった。

ドキドキと鳴る心臓の音の中で。

「……ここ。」

すると突然、彼が手首のある一点を唇の端で優しく押さえた。

彼女の心臓から始まった軽い痛みがその場所まで届いて、破裂しそうなほどにどきどきしていた。

「本当に可愛いですね。」

彼はその上からさらに慎重に唇を重ねた。

微笑んだままで。

「……大丈夫ですか?」

その言葉にメロディは慌てて束を握り直した。

「だ、大丈夫です……。」

本当はそれ以外の言葉が思い浮かばなかった。

しかも「大丈夫です」という言葉で、このときめく時間が終わってしまうのも望まなかった。

「……全部、大丈夫ですから。」

「危ないことをおっしゃいますね。」

少し低い声で返ってきた答えに、メロディは驚きながらも、再び彼を受け入れた。

手首に留まっていた彼の唇は徐々に位置を変え、彼女の手の甲や指先に何度もキスを落としていた。

「仔猫をしつけるときは、一度に“全部”を与えちゃダメなんだよ、メロディ嬢。」

仔猫だなんて。

彼にはまったく似合わない言葉だった。

彼はどんな瞬間にも乱れることなく、髪の毛一本すら乱れないような人物だった。

“紳士”という言葉が、誰よりもよく似合う人。

今もなお、常に持ち合わせた気品をそのまま保っているほどなのだから。

「……少しだけ。」

彼はメロディの指先をそっと噛んだ。

先ほど彼自身が言った、仔猫のように。

「坊ちゃん……」

彼の名前すら呼べずにいると、彼はわずかに目を細めて微笑みながら囁いた。

「……欲しいんですね。」

メロディは自分の手に寄りかかった彼の鼻先と唇を見つめながら、彼が何を望んでいるのか聞き取ることができなかった。

彼女が何も言わないと、クロードが尋ねた。

「怖いですか?」と。

メロディは束をかざした。

彼が何を望んでいるのかはわからないが、それが彼女に恐怖を与えるようなことではないと感じた。

「なんだかドキドキします。ちょっと怖いかも。」

「どうして……怖いんですか?」

「許してください、この失礼な男はきっと……」

彼はメロディの指先にキスをした。

「もっと……を望むようになるでしょう。実際もうそうなってしまったかもしれませんが。」

「もっと」という彼の言葉は、ありふれた想像を呼び起こした。

恋愛小説でしか見たことのないような出来事たちを。

自然とメロディは、少し前に彼が望んだことが、男女の間で起こりうることだったのだと理解した――何かが始まりそうな、そんな感情を悟った。

「……あ、ダメです。」

弱々しい声が漏れた。

それが本心ではないというのは、誰の耳にも明らかなほど、ぎこちない声音だった。

「どうして?」

そう言いながらも彼は、メロディの手の甲に自分の唇を当てたままだった。

それを許しながらも「ダメだ」と口にすることに、矛盾はないのかと問いかけているようだった。

「……あの、私ヒギンスで。」

「私はボルドウィンだからですか?なんだか昔の小説みたいな感じがして。」

まるで偏屈な男が恋人に愛を訴えていた古典の登場人物のようだった。

状況はまるで違うはずなのに……

「私たちがやり取りすべきなのは、神の……そういうのじゃなくて……」

「こういうの?」

彼はピタリとその部分を指し示した。

メロディが話すのをためらっているということは、すべて分かっていながらも。

「メロディ嬢は、私に信頼ではない何かをくださったのでしょうか。」

彼はようやくゆっくりと束を持ち上げ、メロディの顔を正面から見つめた。

「私は、たった一つの誠意だけを捧げていました。あなたは?」

「……私は。」

すごくドキドキしていました。他人の唇が、呼吸が、こんなにも気持ちいいものだとは、初めて気づいたのです。

すべてが終わって、平凡なボルドウィンとヒギンスに戻ってしまうのが怖くて、何も言えませんでした。

メロディは、頭の中に浮かぶいくつもの考えをめぐらせ、最後に最も大切に思う「日常」を思い出した。

メロディ・アイネズ・ヒギンスとして生きていくこと。

彼女は養父母に引き取られたとき、彼らに誓った。

誇り高い娘になると。彼らが与えてくれた名に責任を持つと。

その代わりに、彼らは公爵家の他の使用人たちから彼女を完璧に守ってくれた。

その恩恵を思えば、メロディがこの瞬間に情熱を感じてはならないと、そう思った。

「その美しい主従関係に他の感情を持ち込むのは、両家への侮辱にほかなりません!」

彼女は顔をそむけた。

「坊ちゃん、私を……そんなふうに思わないでください。」

心にもない拒絶の言葉を紡ぐのに必死だった彼女は、自分の顔に傷ついたような表情が浮かんでいることに気づかなかった。

「私は本当に、たくさんの愛をもらって育ったんです。」

「メロディ、それは——」

彼は何かを言いかけて、言葉を探すように口を閉じた。

そのとき、メロディは慌てて言葉を続けた。

これ以上彼に惹かれてしまうのが怖かった。

「その恩に報いるためにやるべきことがたくさんあるんです、そして……!」

メロディは震えながら一歩後ろに下がった。

驚いたクロードが手を引いたが、彼女はその手をしっかりと押し戻した。

彼の領域から抜け出したという考えが浮かぶと、なぜか浅い呼吸がこみ上げてきた。

離れた唇の隙間から熱い息が漏れたとき、彼女は両目をしっかり閉じて叫んだ。

「絶対にしてはいけないことも……!」

その叫びが終わると、すぐに雨音が聞こえてきた。

それは夢のようだった恍惚の時間が終わったという知らせなのだろうか。

メロディは再び一歩後ずさった。

ふと、何の感覚もない足元がひどく冷たかった。

いつのまにか気温まで下がったようだ。

さっきまで熱く燃えていた身体が冷えていくように感じたのは、気のせいだったのかもしれない。

「………」

「………」

二人は遠くも近くもない距離でしばらく無言で佇んでいた。

けれど、まだあの薄暗い温室のどこかには、さっき二人が感じたほのかな感覚が残っていて、メロディはこの雨がもう少しだけ長く降り続いてくれたらいいのに、と思った。

 



 

 

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