こんにちは、ちゃむです。
「夫の言うとおりに愛人を作った」を紹介させていただきます。
今回は57話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
57話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- これからの選択
目を開けると見慣れない天井が見えた。
平和にさえずる鳥の嗚き声と暖かい日差し、柔らかくて暖かい寝具に囲まれて迎える朝が気持ちよくて、ルイーゼはベッドで少し寝転がっていた。
「あ、そうだ。エドワード」
前日、エドワードと相談もなしに彼を恋人だと紹介した。
そのため、ロレインにとって彼は完全に恥知らずになってしまったようだ。
「考えが浅かった。そのおかげで叔母さんは私の離婚をそんなに可哀想に思わなかったけど、エドワードには完全に失望した様子だった」
いざ自分は、「あんなに気を揉んだやつにやられることがなかったなんて、かえってよかった」と激励まで受けてしまった。
寝床から立ち上がったルイーゼは、ロレインからもらったネグリジェを脱ぎ捨てて、すぐトレーニング服に着替える。
エドワードとマクシオンの部屋は下の階だ。
彼女はエドワードに駆けつけようとして立ち止まる。
『それなんだけと、ルイーゼ。出征のような危険なことはさておき、セルベニアに定着するのは?』
彼女の叔母はいい人のように見えた。
初めて見るいとこも不思議だったし、また悪い人ではなかった。
自分の人を見る目を盲信するわけではない。
しかし、もし彼らが悪い人だったら、エドワードが彼女に言質を与えただろうから。
出征の間ずっとそばで見守ってはっきり分かるようになった。
エドワードは人を見る目が他の人より優れている。
「叔母さんのそばにいると、こんな温かな日常が続くのか」
何よりもここにはまだ彼女に家族と言える人が2人もいるという事実が気に入った。
しばらく考えを続けていた彼女が結論を下したように、優しく口元を曲げて部屋のドアを大きく開ける。
今日はやるべきことが多かった。
エドワードに会って、「彼を破廉恥な人にしようとする意図ではなかった」と謝罪した後、マクシオンの状態を確認し、訓練もしなければならない。
その後は朝食をとり、黒魔法の原因を探せばいいだろう。
ルイーゼは日課を整理し、軽い体で階下に向かった。
「エドワード一人で朝早く出たんですか?」
「はい。朝食もまた外で解決するとおっしゃいました」
エドワードの部屋に到着したルイーゼは当惑した表情を浮かべる。
いくら叩いても反応がなくて彼女が怪謗な顔をしていると、上の階に向かっていた使用人が近づいてきて状況を説明した。
ルイーゼの部屋に向かう人だ。
「そしてセルヴェニア夫人が昼食後、一緒に衣装室に寄らないかと尋ねました。新しい練習着とドレスを合わせてくださるということです」
「あ・・・」
ルイーゼは困った顔で笑う。
彼女の叔母はルイーゼが本格的にここに滞在する場を作ろうとしているようだった。
「もう少し悩んでから、朝食の席でお話ししてもよろしいでしょうか?」
「はい。そうお伝えします」
ルイーゼはマクシオンが前日のようにそのまま横になっていることを確認し、別館に向かう。
朝のトレーニングでもきちんとするつもりだった。
時間を見ると、普段の朝の練習より半時間も過ぎている。
普段なら今頃練習が終わったはずなのに、みんな寝床が楽になると、だらだらしているようだった。
「まさか。私を除いて進行したなんて!」
「申し訳ありません。時間が過ぎたのにいらっしゃらなかったので、今日はお休みかと思いました。こんなことになると知ってたら、人でも送ったのに・・・」
「確かに、私が本館にいたので、呼ぶのも曖昧だったでしょう」
ルイーゼはうつろな顔をした。
今日は朝起きてから日程が変に交錯している。
「あの、ルイーゼさん。ここの領主様がルイーゼさんの親戚だと聞きました」
「その通りです」
「それでは、ルイーゼさんはもう私たちと一緒に行かずにここに泊まるのですか?」
ルイーゼは団員の質問に目を瞬かせた。
団員たちの顔は真剣だ。
「どうしてそんなことを聞くんですか?」
「実は、ルイーゼさんが私たちと合流したのは嬉しいことですが、私たちの同僚である以前に殿下の恋人ではないですか。ルイーゼ嬢がどんなに強いといっても、殿下は目的地まで同行するのですから、いろいろと心配されることでしょう」
隣にいた別の団員が同意の意味でうなずく。
「いくら実力が優れていて強い者だとしても、現場では何が起こるか分からないですから」
ルイーゼは驚いたように彼らを眺めていたが、ますます表情を引き締めた。
「あの、ルイーゼさん?」
「じゃあ、みんな私がここから抜けることを望んでるんですか?」
彼女は目を見開いて彼らを鋭く見つめる。
団員たちがびっくりした。
「いや、ルイーゼさん。私たちはだから・・・」
「ルイーゼさん?ルイーゼちゃんが来たの?」
豪快な笑い声が別館の廊下に響く。
普段着のヘンドリックはタオルで髪を振りながら彼らに近づいた。
「そうだね。来るって言ってなかったのか!ちょっと待ってみようって」
「私たちもこうなるとは思いませんでした」
「ヘンドリックは私を待っていましたか?」
「ははは、当然のことではありませんか!ルイーゼさんがいないと、最近の朝のトレーニングは面白くありません!」
いつものような凛々しい声にルイーゼはようやく安心する。
ルイーゼは温かい目で彼女に向き合って笑った。
「やっばりヘンドリックだけですね」
「何かあったんですか?」
「はい。みんな私を引き離そうとしているようです」
「それでは、私と町で朝食でもとりながら、気分をちょっとほぐしてみてはいかがですか?」
「二人でですか?」
「ええ。来た道を見ると、いい食堂があったので」
「いいですよ。叔母さんに伝えなければなりませんね」
彼女はすぐに会った使用人を通じてロレインに朝食と衣装室の両方とも一緒にできないという知らせを伝えた。
その後、洗って出てきたヘンドリックと村に出て、建物は古いように見えるが、食事だけは水準の高い食堂で朝食をとり、アイレンの街を見物する。
「団員たちのせいでとても寂しかったようです」
「はい」
「みんながルイーゼさんのことを心配しているからです。私たちがルイーゼさんのことが大好きになったんです」
「私をですか?」
ルイーゼは不思議そうな顔をしてヘンドリックを見た。
「はい。誰よりも熱心に訓練に臨む姿も、剣を使いこなす姿も、皆の役に立とうと努力する姿まで全部すごいと、最近皆が口をそろえてルイーゼさんを褒めています。それだけ身体的な条件が違うので、大変ではないかと心配している様子も歴然です」
ルイーゼはうなずいた。
彼女は確かに技術が優れていたが、階級や力では彼らに著しく劣っている。
彼らの言葉通り、現場では何が起こるか分からないので、心配する気持ちも理解できた。
「ルイーゼさんが前に両親を早く亡くし、一人っ子だと言ったのを覚えていますが、本当ですか?」
「ああ、そうですね」
「私も同じです。他に妹が一人いましたが、両親と一緒に離れたという点です。ぎこちなくなろうと言い出した話ではなく、それでルイーゼさんを見ると妹を思い出すという話です。多分みんな似たような気持ちだと思います。そしてセルヴェニアは南部でも有名な名門治療師の家門ではないですか」
「・・・そうですね」
「前日の夕方、ルイーゼ嬢の親戚がセルベニアの家主だという話を聞いてから、皆、訳もなく私たちと一緒に苦労するよりは、ここにいらっしゃった方がいいと思う雰囲気でした」
「ヘンドリックはどう思いますか?」
「私も彼らと同じ気持ちです」
ヘンドリックの返事にルイーゼの表情は沈んだ。
率直に言って、彼らの話が正しかった。
彼らと一緒なら、ルイーゼは当然ここに立って過ごすより苦労することになるだろう。
いつ命が危険になるかも知れないことだ。
これからもっと頻繁に野宿することが起き、一人で女性であるため、様々な制約があったりもする。
体調が良くない時に助けを求める人も多くなかった。
「ところがですね。殿下は意見が少し違うようです」
「エドワードがですか?」
ルイーゼは目を丸くした。
まさにルイーゼを引き離すことだけを考える人ではないか。
「今日の明け方に殿下がしばらく私の方に立ち寄りました。ルイーゼさんがどんな選択をしても気にするなとおっしゃっていました」
「それはエドワードも私がここに残してほしかったという意味ではないのですか?」
「エドワード様は指示を確実にされる方です。もしルイーゼさんがここに泊まることを望んでいたなら、「ルイーゼさんは私たちとここまで一緒にいる」とおっしゃったはずです。そして、副団長が回復するやいなや密かに立ち去ったのでしょう」
「なんてことだ。ひどい」
「切る時はちょっと冷静なほうです。そういう殿下がそうおっしゃったということは、本当に純粋にルイーゼ嬢の決定に従うことになったということです」
ヘンドリックの声はおさまった。
彼は普段見たことのない真剣な顔で彼女を見つめている。
「私たちのような人たちにとって、それはおそらくルイーゼ嬢の思ったより大きな決心でしょう」
「・・・はい?」
「団員たちがルイーゼさんを除いて朝の練習をしようと言ったのも、そしてここに泊まらないかと尋ねたのも、実は私たちが勇気が足りないからなんです。私たちは誰かを天のそばに送るのではないかと戦々恐々とする臆病者なんです」
「・・・」
「その中で一番は私だと思います。殿下は団員と元々知り合いだった人たちを除いては、他人に簡単にそばを出してくれる方ではありませんでした。それで殿下がルイーゼ嬢の情婦になったという知らせを聞いた時は、騎士団が大騒ぎになりました。正直、別の意図で情婦になられたんじゃないかと思ったんですが、本当の恋人だったとは。今でも時々信じられません。お二人が私たちを騒しているのかと思うほどです」
ルイーゼの選択は?
セルベニアに留まる?
それともエドワードたちと一緒に?