こんにちは、ちゃむです。
「夫の言うとおりに愛人を作った」を紹介させていただきます。
今回は58話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
58話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- これからの選択②
ヘンドリックは妙に鋭いところがあった。
確かに二人が彼らを騙しているのは合っている。
二人は本当の恋人じゃなかったから。
しかし、エドワードが他人に簡単にそばを譲る人ではないとは・・・。
それはちょっと意外だった。
ルイーゼはエドワードに初めて会った瞬間から、彼が人懐っこい性格で人によく接する性格だと思ったからだ。
そういえば、宴会が開かれるとエドワードはいつも多くの人と何気なく付き合っていたが、いざ社交界で彼と近い人を挙げろと言うと、ただの一人も思い出す人がいなかった。
「エドワードはそこまで考えないでしょう。どうやら誤解が少しあるようですね」
「ははは!そう思いますか。確かに、私もかなり長い間殿下のそばにいたのですが、あの方の気持ちは依然として分かりづらいですね。とにかく、すべてのことはルイーゼさんが心の向くままに決めればいいです。僕たちもルイーゼさんと一緒にするならそれで歓迎することです。ルイーゼちゃんのような組手の相手を他にどこで手に入れるんですか!」
ヘンドリックは大笑いした。
「ところでエドワードはどこへ行ったのでしょうか?」
「今日のトレーニングにはロビンとエイブンも参加しませんでした。多分エドワード様と今度の事件の調査を・・・あれ?あそこにいらっしゃるんですね」
ヘンドリックの視線の先に2人を怪認な顔で眺めるエドワードが立っていた。
彼は普通のズボンに長袖のシャツの普段着の姿だったが、街の誰よりも目立っている。
珍しい長身であることもそうだったが、彼は立っている姿勢からが貴族的だった。
乱れることのない体のラインに開いた広い肩ときれいな真っ黒な髪の毛、その下に置かれた赤い瞳は、通り過ぎる人たちが一度はちらちらするほど美しい。
エドワードは長い脚で彼らのところに大股でやってきた。
そして、ルイーゼに向かって素敵な笑みを浮かべる。
「おはようございます、ルイーゼさん。私がちょっとよそ見をした間にヘンドリックとデート中だったようですね」
「ただ朝食を食べて、一緒に町を見物していました」
「私はそういうのを普通のデートだと思うんですけどね」
エドワードの視線はヘンドリックに向けられる。
ヘンドリックはぎこちなく微笑んで、そっと横に離れた。
「アハハ、ルイーゼ嬢を置いて行かれたのは殿下ですよ!」
「それは私に対する挑戦と受け止めてもいいのか?」
「いいえ、あの、ルイーゼさん。私は急用ができて先に聞いてみなけれはならないようですが、大丈夫ですか?」
「はい?あ、はい。じゃあ、私も一緒に・・・」
ルイーゼが平然とヘンドリックについて行こうとしていた時だった。
彼女の手で自然に巻かれてくる手のひらの触感に、ルイーゼは振り向いてエドワードを見る。
「ルイーゼさんはここにいます」
「なぜですか?私を置いて行ったのはエドワードだったじゃないですか」
「ぐっすり寝るには、朝食の時間以降に食事をしなさい帰りに行こうとしました」
「今までここにいたくせに」
「ルイーゼさんがここにいましたから。ルイーゼさんを訪ねてきたんです。ヘンドリックと一緒にいるとは知らなかったですが」
「どうしてわかったの・・・あ、ネックレス。これをしていると、私がどこにいてもエドワードが見つけられるようですね」
「はい。私生活をずっと見守っているわけではないので、今回の出征にはいつも身に着けてほしいです。何が起こるかわかりませんから」
「分かりました」
「そしてヘンドリックは一人で過ごしてほしいです」
「・・・それもそうしましょう」
ルイーゼが納得すると、エドワードの視線はヘンドリックに向けられた。
「ヘンドリック、責任を問わないから、君は先に入ってみなさい。私はルイーゼさんと話したいことが残っているから」
「はい、わかりました!」
ヘンドリックはてきばきと答え、急いで立ち去る。
遠ざかるヘンドリックの後ろ姿を見て、ルイーゼは口を開いた。
「ヘンドリックは私の気持ちを晴らそうとしただけです。朝、目を覚ますとエドワードは消え、マクシオンはそのままで、他の団員の方々は私を除いて朝の訓練をして気分がちょっと良くなかったんです。訓練は遅れて到着した私の過ちでしたが、みんな私が今回の出征で抜けてほしいようです」
ルイーゼは少し憂鬱な顔でエドワードを見ながら付け加える。
「ヘンドリックはエドワードが私の思い通りにしてくれることを願うと言いましたが、私はエドワードも似たような気持ちだと思いました」
「・・・そうでしたか」
「エドワードもヘンドリックや団員たちのように、私がここに残ってほしいですか?」
エドワードは美しい笑顔でルイーゼに向かって上半身を下げる。
「率直に言っていいですか」
「はい」
ルイーゼは真剣な顔でうなずく。
「答えを間く前に、答えを聞いて逃げないと約束してください」
「え?なんで私が逃げるんですか。そして逃げたらエドワードが捕まえてくればいいじゃないですか」
ルイーゼは平気な顔でネックレスを持ち上げた。
エドワードは困惑した表情で答える。
「それをそんなふうに使うことはないでほしいんですけどね」
「正直な気持ちって何ですか?」
ルイーゼが気になるかのように目を瞬かせた。
エドワードは唇を彼女の耳元に持って行った。
息がつくほど距離が近くなると、彼は目を細めたまま笑って唇を甘やかした。
彼の話を聞いたルイーゼの顔が赤くほてる。
「は、はい?それはどういう意味ですか。私がどうしてエドワードを・・・」
「ゆっくり考えてみてください。今日の日程はおしまいですが、残りの町の見物と昼食は私と一緒にしてから入ってほしいです。しばらくの間、片目の間にヘンドリックが選手を打ったので、私が押されることはできないでしょう」
「え?終わったって。黒魔法を解除する方法を探さないと」
「見つけたんですよ、その答えを」
ルイーゼは不思議そうな顔で彼を見た。
エドワードは続けた。
「ルイーゼさんは、心を注いだ対象を失ったことがありますか?物であれ、人であれ」
「・・・当然ありますよ」
ルイーゼは静かにうなずく。
愛する父親と母親が亡くなり、親友のマクシオンもまた、ペリルスを離れた。
子供の頃大切にしていた小さなボタンをなくしたこともあった。
「誰かは大事にしている植木鉢が死んだ日に眠りに落ち、誰かは愛する人が遠い旅に出た直後に眠っていました。ある人は、結婚指輪をなくした日の夜以降、目が覚めていないと言います。共通点は何だと思いますか?」
「えっと・・・」
ルイーゼが考え込むと、エドワードは微笑んで口を開いた。
「食事をしながら話を続けた方がいいと思います。マクシオンを起こす方法も考え出さなければなりませんから。まあ、それはデートしていると答えが出るんじゃないかと思いますね」
「え?」
「たまには気分転換をしてこそ、良い考えが浮かぶものではないでしょうか。そして恋人同士は元々こうやって暇ができた時にデートもしてくれなければならないのです。セルベニア側もそうしてこそ疑わないでしょう」
2人が恋人ではないという事実にロレインがすでに気づいたことを知りながら、エドワードは平然とした声で話した。
一言で言えば、これはデートのための言い訳だ。
「あ、そうだ。そう紹介したよ。ごめんなさい。私のせいでエドワードが無念に無頼漢になったようで」
「それはこれまで呼ばれた呼び方の中で一番気に入っているので、心配しないでください」
「・・・無頼漢がですか?」
「正確にはルイーゼ嬢の恋人のことです」
エドワードが美しい笑顔で彼女を見ると、ルイーゼは当惑した顔で覗線を避けた。
彼女の真っ白な頬の上に小さな紅潮が浮かぶ。
「そんな冗談は控えてください」
ルイーゼが彼と手を握っているという事実に気づいたのは、昼食をする食堂を決めた後だった。
さっと手を放したルイーゼの顔は真っ赤に輝いていた。
マクシオンが目覚めるための方法とは?