こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は276話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。

276話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ブランシュの決意②
「ねえ、ブランシュ。大丈夫?」
鏡の中から聞こえてくる声にブランシュはハッとする。
大きな全身鏡の中に幼い少年が現れていた。
「うん、私は大丈夫」
「それならいいんだけど・・・」
ヴェリテは葬式の時、無我夢中で国政を処理するアビゲールに代わってブランシュの隣の席を守っていた。
ブランシュはこれまで一度も涙を流していない。
いっそ声に出して泣いた方が良かっただろう。
「お母様とお父様は?」
「あ、うん。ちょっと忙しいみたいで」
ヴェリテが照れくさそうに笑った。
「ねえ、ヴェリテ。私、聞きたいことがあるんだけど」
「え?なに?」
「使節団と一緒に果樹園に行った時にね」
果樹園という言葉にヴェリテがビクビクする。
ブランシュは唇をかみしめて話を続けた。
「あの時、何かあったの?護衛の人たちも呼び続けて、ミラード卿もそうだし・・・」
ミラードもこの事件と関係があったので、別に呼ばれて事情聴取を受けた。
事件の状況を知ったミラードはブランシュにもっと親切に。
ヴェリテはぐずぐずと言葉を濁す。
鏡の前に座っていたブランシュがしばらく沈黙し、口を開いた。
「ヴェリテ。もしかして、お父さんが亡くなったことって・・・、私と関係あるの?」
その言葉は重い石のよう。
誰かが湖に石を投げ入れたように、ヴェリテの二つの瞳に波紋が広がった。
気が利く子だとは思ったが、このように確信をしているとは思わなかった。
ヴェリテはしばらく躊躇った後、口を開く。
「あなたと関係があるが、関係がない」
ブランシュはその声に首を傾げる。
「何の話か分からない」という顔だ。
ヴェリテは深呼吸をして短く言った。
「果樹園で老人がリンゴをくれたろ?そこに呪いがかかっていた。セイブリアンがそれを食べたんだ」
呪い。
その言葉にブランシュの顔が青ざめる。
顔が石のように固いのを見て、ヴェリテが慌てて話を続けた。
「それにかかったのは、仮死状態に陥れる呪いだったんだ!だからセイブリアンは死んだわけじゃない!」
ヴェリテはこの鏡から必死に飛び出したかった。
砕けるように震えるブランシュの肩を抱いて慰めてあげたかった。
「あなたは悪くない。悪いやつは、そのリンゴをくれたやつだ。だからお願いだから自分のせいだと思わないでくれ・・・」
切実な声がヴェリテの唇から漏れる。
アビゲールやセイブリアンと同じくらい、ヴェリテはブランシュが傷つかないことを願っていた。
「もしかして怒ってるの?私たちがその事実を隠していたことに・・・」
いじめられているような気がしたのではないかと心配になった。
しばらくしてブランシュは頭をもたげる。
すすり泣く声が聞こえた。
「どうして・・・。お母様とお父様とヴェリテが、私をこんなに心配してくれて愛してくれるのに・・・」
青くて大きな目に涙がにじんでいた。
ヴェリテは何も言えないまま、黙々とブランシュを眺めるだけ。
「私が傷つくんじゃないかと思ってそうしたのは全部知ってるよ。だから怒ってないよ」
もちろん、自分が渡したリンゴのためにセイブリアンが危険に陥ったということはショックだ。
しかし、あえてこの事実を言わなかった両親の心を理解することができた。
ありがたくて申し訳ない。
ヴェリテはブランシュの反応に安堵のため息を吐く。
ブランシュは袖で涙を拭った。
「じゃあ犯人は、お父様じゃなくて、私を狙ったんでしょ?」
「うん。そういうわけだよ」
「私にリンゴをくれたおじいさんはどうなったの?消えたって聞いてるけど」
「捜索中なんだけど目撃者がいなくて・・・」
人里離れたところに一人暮らしの老人だったので、失蹄しても行方を知る人がいなかった。
ヴェリテは小さなうなり声を上げる。
「1人ぐらいは見たと思ったのに。小さな手掛かりでもあればいいのに」
「・・・」
ブランシュは小さな口をぎゅっと閉じて何かを,考えていた。
そうしているうちにこっそりと席を立つ。
「私、お母様とお父様のところに行ってみたい。お二人はどこにいらっしゃるの?」
「え、え?アビゲールの執務室だけど」
ブランシュはそれを聞いて素早く部屋を出た。
何か思い付いたことでもあるのだろうか?
そうするうちにふとヴェリテは顔が白くなった。
執務室の方の鏡を見ると、黒い布でふさいでいるのが見えた。
ま、まさか?
ヴェリテはアビゲールの鏡のネックレスを急いで叩く。
「おい!おい!お前たち、チューするの?チューしたらダメだよ!ブランシュが向かってる!」
使節団が足を運んだ後、王国では表と裏、両方とも忙しくなっていた。
裏で密かに進められている事案は、セイブリアンの毒殺事件の調査。
魔法館や闇市、老人を調査していたが、3ヵ所とも特別な成果はない。
不幸中の幸いにも表に進む事案は、はっきりとした進捗度が見えた。
アビゲールはソファに座っているセイブリアンに書類を渡す。
「船底にアトランシアの紋章を彫って以来、人魚の海域を通ってもみんな無事に帰還しているそうです」
彼女はそう言ってセイブリアンの隣に座った。
使節団が派遣されて以来、この種族に関する仕事はすべて彼女のものとなった。
セイブリアンは書類を受け取った後、アビゲールの顔色をうかがう。
多少やつれた様子があった。
「お疲れ様でした。それにしても表情がよくないですね」
「はい。モルッカのほうが反応がよくないので心配です」
人魚と友好関係になったという知らせは、いつの間にかモルッカにまで届いていた。
モルッカとアトランシアは敵対関係だ。
だから彼らとしてはネルゲンの歩みが喜ばしいことではないだろう。
セイブリアンは黙々とアビゲールの話を聞いていたが、口を開いた。
「妖精たちの消息も聞きましたか?」
「はい。妖精の方から取引を中断するという手紙が届きましたよね?」
妖精王国の方で数年前から魔導具の値段を上げて困っていたところだったが、今はついに取引を中断してしまった。
アビゲイルは細く目を開けた。
「もしかして価格をもっと上げようとしているのでしょうか?」
「そうかもしれませんね」
「いろいろと疲れることがたくさんありますね」
一つが解けると一つがもつれる。
精軸的な痛みを感じたその時、アビゲイルはセイブリアンの手が届くのを感じた。
彼はアビゲイルの肩に身を包み,彼に頭をもたせかけた。
セイブリアンの低い声が聞こえてくる。
「あまり心配しないでください。モルッカは我々に不満を持っているといっても、今すぐ行動に前に出ることはできないでしょう」
セイブリアンの言葉通りだ。
ネルゲンが協定を破ったとか、非倫理的な行動を取ったわけでもないため、モルッカでは積極的に抗議する名分がない。
「魔導具も当分の間、こちらの魔法使いでも耐えられますから」
「私の魔カで助けてあげられたらいいのに・・・」
しかし、そうすることはできなかった。
自分の魔力が明らかになれば、すぐに裁判長に連れて行かれるだろうから。
ブランシュの思いついた考えとは?
娘が到着する前に、ヴェリテの訴えは届くのでしょうか?


