こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は106話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
106話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- カタラク伯爵の望み②
(私を望んでいる?それはどういう意味?)
マリはカタラク伯爵に尋ねた。
「伯爵様のお話を正確に理解するのが難しいですね。私を望むなんて、それはどういう意味ですか?」
「言葉通りです。モリナ王女、あなたを私のものにしたいということです」
マリは揺れる目で伯爵を見る。
(私をからかっているの?)
しかし、彼の目つきは普段と違って茶目っ気が全くなかった。
本気なのだ。
マリは背筋がひんやりとした。
あの不吉極まりない伯爵が自分を望んでいるって?
「・・・どうしてですか?」
「ただ私の心があなたを願うだけで、人の心が向かうのには理由がありますか?」
彼女は強く首を横に振る。
「私は伯爵様の心を受け入れることができません」
伯爵はそうだと思ったかのように頷いて尋ねた。
「もし私が強制的にでもあなたを望むならどうしますか?」
「・・・!」
マリは拳を握りしめる。
いざとなれば皇太子に正体を暴露する恐れもあるという脅迫だ。
「そうすれば、あなたは私の何も得られなくなるでしょう」
正体が暴露されても、そのような脅迫には屈しないという答えに伯爵はあごを撫で下ろす。
「なるほど。そう仰ると予想していました。じゃあ、どうすればいいでしょうか?私はどんな手を使ってでも王女様を私のものしたいのですが」
彼は本当に悩んでいる表情を浮かべた。
そんな伯爵を見てマリは混乱に陥る。
(どうして?どうして私を望んでいるの?)
カタラク伯爵が言ったように単純に異性としての好感かもしれないが、彼女はなぜか彼が明かさなかった理由があると感じた。
(どうしてハンザ同盟の人が亡国の王女を?)
その時、ネズミを眺める猫のような伯爵の顔を見た瞬間、彼女の頭の中に一つの考えが通り過ぎる。
(もしかして?)
彼女の推測が正しければ、これは普通の問題ではなかった。
「伯爵様」
「どうぞ、王女様」
「私をクローヤン王城の、どこで見たと言いましたか?」
その質問に伯爵の目はぼんやりと固まる。
その変化は刹那に過ぎなかったが、マリは見逃さなかった。
「それは当然、通院の宮の近くを通り過ぎた時です。たまたま塔の窓辺に立っているのを見かけましたが、もしかしたらあなたへの私の思いはその時からだったのかもしれませんね」
その答えを聞いた瞬間、マリはすぐに聞き返す。
「その時、私はどちらの窓辺に立っていましたか?」
今度は伯爵の顔が目立って固まる。
「そうですね、時間が経っているので正確に覚えていません。本宮から出ている道側の窓と覚えていますが。どうしてそんなことを?」
マリの頭が冷たくなり、彼女は固い表情で席を立った。
「伯爵様の話はおかしいですね。通院の宮には本宮の方に開いている窓がありません。城壁の方向にだけ窓が空いていますので、外部の道で中を覗くことは不可能なのです」
伯爵が気まずい顔をする。
彼女が何か気配を感じたことを直感したのだ。
「なるほど。あまりにも古いことなので、私が混乱していたようです。実は・・・」
彼が言い繕うように話した瞬間、マリが尋ねる。
「私を本当に通院の宮で見たことがあるのですか?いいえ、質問を変えましょう。あなたは一体誰ですか?」
「・・・!」
伯爵は困った顔で微笑む。
習慣的に微笑んだが、普段の余裕は見られなかった。
「それは・・・」
「私が代わりに答えてみましょう。あなたの本当の正体は・・・」
この名前を取り出すのは怖いが、マリはすぐに歯を食いしばって答える。
「西帝国の皇帝ヨハネフ三世ではないのですか?」
室内に沈黙が舞い降りる。
カタラク伯爵は黙ってマリを見つめた。
まるで危険な猛獣が眺めているような感覚にマリは胸が震えたが、目を避けない。
ところが、ある瞬間だった。
カタラク伯爵が微かな笑みを浮かべ始める。
「くくく・・・」
彼は手のひらで顔を覆った。
「ははは!すごいです。どうやって気づいたのか分かりませんね」
しばらく笑った彼は、顔を隠していた手のひらを離す。
そして、色とりどりに輝く目で濃い笑みを浮かべながら言った。
「その通りです。私はあなたの推測通り、ハンザ同盟のカタラク伯爵であり、西帝国のヨハネフ三世です」
「・・・!」
思いもよらなかった真実にマリの胸がドキドキする。
本当に?
カタラク伯爵が、本当に西帝国の皇帝ヨハネフ三世だったって?
実際、彼女は自信を持って言ったのではなかった。
伯爵の不吉な感じが西帝国の皇帝に向き合った時と同じだったので、賭博する気持ちで叫んだのだが、当たってしまうなんて。
ついにマリが正体を暴きました。
皇帝ヨハネフ三世とカタラク伯爵は別人なのでしょうか?
正体を暴かれた彼の反応が気になります。