こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は139話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
139話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 疫病
マリはいったいヨハンの陰謀が何なのか悩んだ。
しかし、思い浮かぶものはなかった。
「何だろう?」
結局、彼女は長く悩むことができなかった。
獅子宮の執務室に出勤すると、思いもよらなかった変事が起きたためだ。
「殿下? 」
「あ・・・、マリ」
いつも堅固だった皇太子の顔は青ざめていた。
「殿下、もしかして具合が悪いのですか?」
「体の調子が少し悪いね。風邪でもひいたみたいでおかしいな。こんなに暖かい天気に風邪なんて」
彼は激しく咳き込んだ。
軽い風邪ではないと思うので、マリは急いで言った。
「殿下、政務は後回しにして静養すべきだと思います」
「大丈夫。今日出席しなければならない会議が・・・」
そこまで言って、皇太子はまた大きく咳き込んだ。
何か嫌な予感がしてマリは急いで彼の体に手を持っていく。
「ちょっと失礼します、殿下」
体温を確認し、マリの顔が硬くなる。
(高熱だよ!全身が熱い!)
それも普通の高熱ではなかった。
マリはこれほど高熱が出るのを見たことがない。
手に触れた皮膚が火傷するかのように熱かった。
「だめです。今すぐ休まなければなりません」
「大丈夫だ。風邪で・・・」
「ダメです。このままだと、大きな病気になるかしれません」
彼女が引き止めたが、皇太子はせいぜい風邪で政務を休むということを想像もできない様子だ。
「私が休めば、それだけ仕事の処理が遅れ、それは帝国の被害になる。だからこんなことで休んではいけない」
無理やり机で書類を見ようとする彼を見て、マリは自分でも知らないうちに泣きそうになる。
この人はどうしてこんなに自分の面倒を見ないのだろうか?
ああやって失敗でもしたらどうするつもり?
「どうか休んでください、殿下。お願いします!」
感情が激しくなったせいか、マリの声が自分でも知らないうちに上がった。
(しまった)
マリは一瞬ためらった。
思いがけず皇太子に声を高める無礼を犯してしまったのだ。
皇太子は、マリをしばらく黙って見ていた。
彼はマリの無礼を責めず、代わりにこう尋ねる。
「今、私のことを心配してくれてるのかな?」
マリーは躊躇いがちに答えた。
「・・・はい」
「本当に?」
「・・・はい」
「よく聞こえないね。もう一度話してみよう。もう少し大きく。詳しく」
マリは赤くなった顔で話した。
「病気なので心配するのは当然ではありませんか。ただそれだけです」
「本当に?本当にそれだけ?」
マリーはしつこく尋ねる彼の覗線を避ける。
「さて、よく分かりません」
マリはアリが這うよりも控えめに言った。
「伝えると・・・、もう少し心配することはあります」
小さな声だったが、皇太子は聞き取れたようだ。
彼は嬉しそうな表情で彼女を抱きしめる。
彼は病気よりも彼女が自分のことを心配してくれたことがもっと重要なようだった。
彼が突然強く抱きしめると,マリの顔はりんごのように赤くなった。
初めて抱きしめられるわけでもないが、いつも適応ができない。
恥ずかしがりながらも、温かくてむずむずした感覚。
しかし、マリはすぐに自分を抱きしめた彼の体が火の玉のように熱いことに気づき、表情を固めた。
「本当に駄目です。少しでも休まないと」
「そう、君がここまで話すから、ついていかないと」
彼女が自分のことを心配してくれるということが皇太子の心を動かした。
皇太子は寝室に行って体を横にし、看病は当然専属侍女であるマリの役割だ。
「お医者さんが処方した薬です。こちらの水と一緒にお飲みください」
「ありがとう
皇太子は青白い顔で薬を飲む。
横になって休憩を取っているが、初めて見た時よりさらに状態が悪く見え、マリは心配になった。.
(単なる風邪なのかな?」こんなに苦しんでいるのに・・・)
訳もなく不安な気持ちになる。
しかし、皇太子はそんな彼女の心配も知らずに、熱っぽく笑った。
「辛いけど、嬉しいことが一つあるね」
「どういうことですか?」
「君がこんなに心配してくれるなんて」
マリはため息をついて首を横に振った。
「そんなこと言わないでください。殿下のお体は何よりも大切です」
「単純に私が皇太子だから心配しているのか?」
「それは・・・」
マリーは黙る。
もちろんそうではなかった。
しかし、自分の口からそれを取り出すのは恥ずかしかった。
「答えて」
彼女が口をつぐんでいると、皇太子は返事を促す。
彼は彼女が自分のことを心配してくれるのがそんなに嬉しいのか、何度も彼女の心配事を確認したいと思っていた。
「もう聞かないでください」
「私は聞きたいんだけど?」
「で、殿下!」
マリは恥ずかしそうな顔でそっと声を上げる。
ところが、その時だった。
行政府から役人がやってきた。
「殿下は午後の政治会議に出席しできないだろうと聞いて伝えに来ました」
「何かあったのか?」
官吏は大したことではないかのように首を横に振った。
「宰相が風邪をひきました。熱がひどいので自宅で静養中です」
宰相も風邪を引いたという話にマリは驚いた表情をする。
(風邪だって?」皇太子殿下と宰相も?ただの偶然かな?)
「風邪が回る季節でもないのに。不思議だね。とにかく分かった。お大事に」
「はい、分かりました」
役人は礼を言い、立ち去った。
皇太子はマリの方を振り返る。
「皇居に風邪が回るようだね。あなたも気をつけるように」
彼はそれ以上は深く考えなかった。
しかし、マリは違う。
昨日、ヨハネフ3世との対話のためだ。
『まもなく以前とは比べ物にならない大惨事が帝国の首都にやってくるでしょう』
まさかヨハネフ3世が?.
彼女は首を横に振る。
2人が風邪を引いたことと、ヨハネフ3世の陰謀と関連付けるのは無理だった。
しかし、マリはしきりに不吉な気持ちになる。
明確な根拠はなかったが、複女の勘がしきりに警告していたのだ。
そのまま見過ごしてはいけないと。確認してみなければならないと。
結局、彼女は席を立った。
「殿下、一つだけ確認してきます」
「何を?J
マリは短く答えた。
「宮殿内に追加の風邪患者が発生していないか確認してみます」
新たな災いは風邪?
それもただの病気ではない?