こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は71話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
71話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 逃がさない
マリは日が昇っている方向と影で方向を見計らって兵舎に向かう。
途中で猛獣に遭遇するが、幸いにも弓手の能力で解決できた。
しかし、最大限能力を発揮したにもかかわらず、マリはすぐに問題に直面する。
それはまさに体力だった。
「はあ、はあ・・・」
(もう限界。これ以上弓を引く力がない)
腕が震えている。
夢を通じて能力ができたからといって、体が弓手のものに変わるわけではない。
依然として弱い少女の体なのだから。
よりによってその時だった。
どれくらい歩いた後だろうか?
不気味な音がマリの後ろから聞こえた。
オオカミとは比べ物にならない恐ろしい鳴き声。
震える目で首を回す。
そして現れた猛獣を見た瞬間、絶望に陥った。
山ほどの大きさ、白い皮に黒い縞模様。
このアルト森の支配者、白虎。
「あ・・・」
一瞬、マリの世界が停止する。
死の兆候が押し寄せてきた。
頭の中で数多くの考えが通り過ぎて、最後に皇太子とキエルハーンの顔が浮かんだ。
『これからも私と一緒にいてくれないか?』
『必ず気をつけなければなりません、マリちゃん』
その言葉が思い浮かんだ瞬間、マリは目を覚ました。
(ダメ!このまま死ぬわけにはいかない!)
彼女は必死に弓弦を引く。
しかし、白虎は自分に向けられた矢を全く気にしていない。
むしろ可笑しいものを見るだけだった。
(あ、ダメ・・・)
マリの体が震える。
全力を尽くして撃っても、いや、夢の中の弓手本人だとしても白虎の皮を突き破ることはできないはずなのに、力が抜けた今は言うまでもなかった。
「ああ・・・、主よ。お願いだから・・・!」
最後の瞬間。
白虎が稲妻のように彼女に飛びかかり、マリは目をギュッと閉じる。
その瞬間。
何か不気味な貫通音とともに白虎の苦しい悲鳴が響いた。
「・・・!」
マリはぼんやりと目を開けた。
目を開けた彼女の視界に信じられない光景が。
「はぁ、はぁ・・・」
煌びやかな金髪と青い瞳、そして絵画のように美しい顔。
皇太子が血に濡れた体で息を吐いていた。
「・・・で、殿下?」
マリは自分が夢を見ているのかと思い、口を開く。
皇太子がどうやってここに?
「マリ」
ラエルが彼女の方を振り返る。
どういうわけか、彼の鉄仮面は外れていたが、血に濡れた彼の顔は苦しみでいっぱいだった。
(本当に皇太子殿下だ)
そう思った瞬間、マリの体から緊張感が解ける。
彼女を罠にかけた男の言葉とは違って、皇太子の体に大きな負傷は見られなかった。
混乱している中でもマリは幸いだと思った。
「殿下・・・」
頭がぼうっとして何を言えばいいのか分からずにいると、思いもよらなかったことが起きる。
「・・・!」
皇太子が彼女の体を抱きしめたのだ。
マリの目が大きくなった。
彼の固い体が全身に感じられる。
「あの、殿下?」
慌てて口を開いた瞬間、皇太子が片手を上げて彼女の頭を抱えながら言った。
「大丈夫か?」
「・・・!」
「もしかしてどこか怪我をしたのか?大丈夫なのか?」
限りない心配に満ちた声。
マリは戸惑うことも忘れて思わず泣きそうになる。
「・・・大丈夫です、殿下」
「すまない。本当にすまない」
苦しい声で謝罪した彼が、彼女から少し離れた。
そして震える手で血に濡れた彼女の顔を撫でる。
彼の手が彼女の目元を通って頬、唇に向かった。
軟弱なガラスを触るように彼女の唇を撫でる。
「もうこれからは」
皇太子の顔がマリの顔に近づく。
お互いの息遣いが感じられるほど近く、お互いの瞳だけが見える距離で彼が誓った。
「君を逃さない」
マリの心臓が震える瞬間、ゆっくりとラエルの唇が彼女の唇に重なった。
これまで皇太子ラエルはマリを避けていた。
マリが誤解したように、彼女が何か悪いことをしたからではなく、自分の心のせいで。
「このままじゃダメだ」
ラエルは、もはや彼女に対する自分の気持ちをコントロールする自信がなかった。
それで彼女に向けた自分の心をグッと抑えて距離を置いたのだ。
(あまり役に立たなかったが)
見ていないのに、なぜ渇望は冷めないのだろうか。
むしろ砂漠に落ちたように激しい渇きで苦しいだけ。
とにかくそのように彼女と離れていながらもラエルは自分がしなければならない重要なことを忘れなかった。
レイチェルを監視することだ。
「きっと動く。その時証拠を掴まないと」
そう考えたラエルは、マリを守るために後ろに人を忍ばせていた。
レイチェルが動いたら、その目標はマリになるから。
ラエル本人は狩りをしながらも、いつでも兵舎に駆けつけることができるように備えて。
数日後、レイチェルはついに動いた。
正体不明の人物がマリとアリエル公女を乗せてどこかに向かうと、騎士は直ちににラエルに連絡を送ると同時に正体不明の人物を追いかける。
マリを救って正体不明の人物を生捕りにするため。
しかし、騎士が計算できなかったことがあった。
正体不明の人物の森に関する知識だ。
正体不明の人物は森を庭のようにあちこち駆け抜け、騎士を置き去りにしてしまった。
「大変だ!」
青ざめた騎士は急いで走ってきたラエルと合流し、マリを見失ったという知らせを聞いた彼は狂ったように彼女が消えた方向に走り出す。
(マリ!)
ラエルは慌ただしく馬を走らせながら考えた。
彼女が危機に陥るなんて。
もし彼女が怪我をしたら?
もし死んだら?
ラエルの顔が白くなった。
理性を保つことができなかった。
考えるだけで遙かなる絶望が押し寄せてくる。
その瞬間、ラエルは悟った。
もう彼女に対する感情を否定できないということを。
もう自分は彼女なしでは生きられなくなった。
何よりも彼女が大切だった。
彼女が欲しかった。
(どうか!どうか、生きていてくれ!その時は・・・!)
猛獣たちが前を塞いだが、無視して狂ったように前に進んだ。
鉄仮面が外れ、体に数えきれない傷がついたが、気にする余裕はなかった。
半分狂いながら前に進み、ついに無事な彼女に向き合った瞬間。
「これからは」
ブルブル震える彼女の瞳を見て、ラエルは自分の胸に誓った。
「君を逃さない」
無事に救出されたマリ。
ラエルの行動に彼女はどう思ったのでしょうか?
自分の正体がバレたと思うかもしれませんね。
残るはレイチェルの処遇だけ。
今度こそ彼女も逃げることはできないでしょう。