こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は156話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
156話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 忠誠の誓い
こうしてキエルの一件は終わった。
幸い、誰の血も流れることはなく、まもなくラエルの戴冠式が行われた。
「皇帝陛下万歳!」
「陛下に神の恵みが!」
ラエルはすでに全ての人から尊敬される君主だ。
彼が自分の象徴となった鉄仮面をかぶったまま壇上に上がると、大きな歓声が沸き起こる。
「帝国と陛下の前途に神の祝福を・・・」
ラエルはひざまずいて司教の祈りを受けた後、皇帝の棺を使った。
ついに東帝国の真の君主、皇帝となったのである。
皆の喜びと祝福の中で戴冠式が終わった後、ラエルは思いもよらない内容を公表した。
「ヒルデルン子爵をクローヤン地方の総督に任命する」
「陛下?」
皆がびっくりして皇帝を眺める。
ヒルデルン子爵をクローヤン地方の総督に任命する?
それは?
「陛下、それは・・・」
「なぜ?彼女の能力が足りないと思うのか?」
「それは絶対に違います」
みんな急いで首を横に振った。
世界の誰がマリの能力を疑うだろうか?
能力だけを考えると、最高の人選といえる。
しかし、問題は。
「よろしいのですか?ヒルデルン子爵は・・・」
言葉を濁したが、皆が後の内容を理解した。
ヒルデルン子爵は皇后になる尊い女性だ。
それなのに危険極まりないクローヤン地方に送るって?
自分たちも行きたくない場所に?
「前任総督も不意のことで死亡しました。今回起きた反乱はほとんど鎮圧されたといいますが、依然として危険です・・・」
みんなの頭にこんな疑問が浮かんだ。
陛下は、彼女を皇后にしようとしたのではなかったのか?
しかし、皇帝ラエルが答えた。
「6ヵ月後、彼女がクローヤン地方を安定させて帰ってきたら、すぐに国魂を捧げる。そして、彼女は世界で最も尊い女性になるだろう」
「・・・」
最も尊い女性。
それは皇后を意味する。
ついにラエルが彼女との結婚を宣言したのだ。
これにより、マリは帝国の公式な予備皇后となった。
この驚くべきニュースに、首都は一度騒然となる。
「皇帝陛下とヒルデルン子爵が国婚を捧げるだって?最近聞いたニュースの中で一番嬉しいニュースだね」
「そうだ、あの方でなければ、誰が皇后の座にふさわしいだろうか?」
貴族であれ平民であれ、皆一様にマリの予備皇后の消息を喜んだ。
ただ、彼女がクローヤン地方に総督として派遣されることには意見が分かれた。
「国婚をする前にクロヤン地方に行く?もちろん、あの方の能力ならクローヤン地方の混乱を鎮めることができるが・・・」
「危なすぎると思うんだけど。前任総督も不慮のことで死亡した状況で」
「でも確かにヒルデルン子爵ならクローヤン地方を安定させることができるはずだから・・・」
「そう、クローヤン地方は現在、帝国で最も重要な要衝地ではないか。だから子爵様が直接行くんだと思う」
そのようにマリの派遣を賛成する側と懸念する側に意見が分かれた。
意見は多少違ったが、彼女こそ現在のクローヤン地方の問題を解決する適任者という考えと、彼女の安危を心配する気持ちは同じ。
「とにかく心配だね。何の問題もなく戻ってこなければならないのに」
「今日から子爵様のために祈ろう」
「私も一緒にしなければならない。私たちの帝国で最も尊い方になるはずなのに、怪我でもしてはいけない」
皇帝ラエルが民の尊敬と畏敬を受けるならば、予備皇后マリは民の愛を受けた。
首都の民は消息が発表された日からマリの無事帰還と、ラエルと彼女の幸せのために祈り始める。
「主よ、予備皇后さまの将来を守ってください。祝福してください」
そのように人々の応援と心配を受けながら、マリは出発の準備をした。
正式に皇帝の権限を委任される総督に発令されるので、すぐに去ることはできなかった。
(私がクローヤン王国に帰ることになるなんて。それも総督として)
マリは複雑な目つきを浮かべる。
ここ皇居に連れてこられた時は、クローヤン王国に帰るとは思わなかった。
ところが総督として戻ることになるとは。
(必ず頑張らないと。みんなのために)
マリは庭の湖を眺めながら考える。
今回のことは、単に自分と皇太子との関係だけではない。
直接的にクローヤン王国の人々の暮らしとも繋がることだった。
「すべての優先順位はクローヤン王国民よ。彼らがより良い人生を送れるように、より幸せになれるように努力しなければならない」
色々な複雑な事情と情勢が絡まっているが、本質的に最も重要なのはまさにクローヤン王国民だった。
何よりも彼らのために努力することが重要なのだ。
「ひたすら王国民のために努力しなければならないし、その努力が積もり、彼らの心を動かしてこそ、今回のことを成功させることができる」
マリは正確に判断していた。
クローヤン王国を安定させるためには、何よりも王国民のために行動しなければならないと。
そうしてこそ今回の仕事を成功させることができる。
いや、仕事が成功するかどうかは別として、彼女はクローヤン王国の人々が幸せになってほしいと思っていた。
自分の努力で彼らが少しでももっと笑うことができれば。
「上手くできるかは分からないけど。主よ、どうか助けてください」
そのように祈っている時、マリに思いがけない人物が近づいてきた。
「キエルさん?」
彼女はうれしくて困った気持ちになる。
彼のために危険を甘受するという自分の選択を彼が何と責めるか心配になったのだ。
「マリちゃん」
そして、キエルの声は重かった。
マリは目を閉じて、彼が怒る前に素早く口を開く。
「すみません。キエル様を失うことを到底我情できなくて、生意気に乗り出しました。必ず無事に帰ってきますので、許してください」
「・・・」
「すみません、本当に」
キエルは彼女の謝罪に深くため息をつく。
「もう私が何か言うことはできないでしょう。代わりに一つお願いがあります。聞いていただけますか?」
「はい」
キエルは深い目で彼女を見た。
「前に私が言った言葉を覚えていますか?もし私にもっと人生を続けていく機会が与えられたら、あなたのために生きるという話です」
マリはうなずいて不思議そうな顔をする。
急にその言葉をどうして?
ところがその瞬間、キエルハーンが意外な行動をした。
彼女の前でひざまずいたのだ。
「キ、キエル様!」
彼は彼女の片方の手を取りながら言った。
「私、キエルハーン・ド・セイトンがレディ・ヒルデルンに懇願します。あなたのおかげで得た人生。これからは永遠にあなたのために捧げることを許してくださいますか」
「・・・」
マリーの瞳が裂けるように大きくなる。
今、キエルが言う言葉の意味を知っているのだ。
「キ、キエルさん?そ、それは・・・」
「許してください」
マリの瞳が揺れた。
彼が今求めているのは、まさにレディヘの騎士の忠誠の誓いだった。
(貰えない、キエル様の忠誠の誓いだなんて)
受け入れられなかった。
マリが首を横に振ろうとした瞬間、キエルは言った
「これからの私の人生はすべてあなたのおかげで得たものです。これからの人生、あなたのために捧げなければ、私には何の意味もありません」
それを間いた瞬間、マリは気づいた。
彼が決して志を抱かないことを。
彼女は仕方なくうなずいた。
「・・・分かりました」
彼女の承諾が落ちると、彼がマリの手の甲に注意深くキスをする。
そのキスは、レディヘの誓いだった。
皇室親衛除の団長職から退いたが、彼は依然としてセイトン家の家主であり、帝国西北部の国境を担う辺境伯。
そんな彼が自分に忠誠の誓いを立てるなんて。
マリはど受け止めていいのか困っていた。
しかし、キエルは決して自分の決定を覆さない覚悟だった。
そのように誰も見ていない庭で、キエルはマリに忠誠の誓いをする。
キエルが無事で良かったです!
彼もクローヤン王国に同行することはできないのでしょうか?
次からはいよいよクローヤン王国に出発?