できるメイド様

できるメイド様【189話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「できるメイド様」を紹介させていただきます。

今回は189をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【できるメイド様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「できるメイド様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となっておりま...

 




 

189話 ネタバレ

できるメイド様【188話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「できるメイド様」を紹介させていただきます。 今回は188話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 一つになる誓約

大宴会が終わったので、皇帝が直接参加しなけれはならない行事は全て終わった。

翌日の遅い時間、二人は密かに変装して街頭に出る。

皇帝と皇后の秘密の街頭デートだった。

「わあ」

街の活気に満ちた雰囲気を見たマリは嘆声を上げた。

「楽しいかい?」

ラエルはかすかに微笑みながら尋ねる。

「はい、楽しいですよ」

マリは通りのあちこちを見て目を丸くした。

街頭祭りは皇居の祭りとは全く違う楽しみがある。

「私もあなたと一緒に出れて嬉しいよ」

「私も・・・」

マリーはラエルの腕に腕を組みながら彼を見上げた。

「私も陛下と一緒でよかったです」

ラエルはしばらく黙って彼女を見た。

二人の視線が空中で絡み合い、誰が先と言わずに頭を近づける。

続くキス。

愛がたっぷり込められたキスだった。

「あ・・・」

マリは顔を赤らめながら首を横に振る。

「もうやめましょう。人々が見ています」

「どうでもいい。あなたは私のものなのに」

「私のもの」その言葉にマリはまた心が重くなった。

胸の中の重さがまた浮び上がる。

「そういえば、去年も陛下と一緒に街頭祭りに来ていましたね」

「そうだった」

「あの時は陛下だとは知らなかったですが、ひどかったです」

ラエルはにっこり笑う。

「もし正体を明らかにしていたら逃げたのではないか。私をすごく怖がっていたから」

それはそうだ。

1年前までは、マリは彼を血に狂った暴君だと思って逃げたからだ。

(1年間、本当に多くのことが変わったんだ)

今更そんな気がした。

その時、ラエルが言った。

「マリ」

「はい」

「来年も・・・いや、毎年、年に一度、誕生宴会の度に、こんな風に街頭祭りに一緒に来てくれるか?」

マリは一瞬彼を見た。

彼の頼みに込められた意味を考えたのだ。

(彼と毎年。いつも一緒に)

彼女も切望していた。

しかし、今となっては、遥かに感じられる望みだった。

しかし、マリは固くうなずいた。

「はい、そうします」

そうして二人は街頭祭りを楽しんだ。

路上公演も見て、甘いソースがたっぷりついた街の食べ物も食べて、たまたまマジシャンに指目されて会場に上がってゲストになったり。

心の中の重ささえなければとても楽しい時間。

まるで時間が止まってほしいくらい。

しかし、時間はあっという間に流れ、すぐに皇居に戻る時間が近づいてきた。

 



 

「あ・・・」

マリは手のひらを広げる。

雨が降っていた。

「夕立みたいですね」

「そうなんだ。しばらく避けた方がいい」

周りを見回すと、ちょうど空いている聖堂が一つ見えた。

二人は聖堂の中に入り、雨宿りする。

思ったより雨足が激しく、しばらくの間にびしょ濡れになってしまった。

「風邪でもひいたらいけないのに」

ラエルはハンカチを取り出し、マリの頭の水気を急いで拭く。

心配そうな優しい手にマリはにっこりと笑った。

「私は大丈夫です」

「いや、気をつけないと。あなたが病気になると私の方がずっと心が痛むから、必ず気をつけるように」

マリは視線をそらし、なんだか見慣れた聖堂の姿に嘆声をもらした。

「ああ、そういえば、ここですね」

「うん?」

「私たち去年もこの聖堂に来たことがあります。あの時も雨が降っていて」

ラエルも嘆声をもらした。

そういえば昨年も同じように雨が降ってこの聖堂で雨宿りしたことがあった。

「不思議ですね」

ラエルもうなずいた。

「私たちが運命だからだと思う」

「運命ですか?」

その言葉にマリは笑った。

「はい、私たちは運命です」

「あまりそうは思わないような声なんだけど?」

「いいえ、そう思います。私たちは運命だって」

そのように話した二人は、お互いを見て「誰」と言うまでもなく笑い出した。

(幸せ。とても幸せで不安なくらい)

マリは苦々しい表情をした。

彼と一緒にする瞬間瞬間がとても幸せだった。

それでとても辛かった。

この幸せが壊れるかもしれないという事実が。

その時、ラエルが思いがけない話をする。

「こうして聖堂にまた来ることになったのも運命だが、ピアノでも一緒に演奏するんじゃないか?」

彼は大聖堂の隅に置かれたピアノを指差した。

1年前、彼らはこの聖堂で一緒に曲を演奏したことがある。

思えば、彼と初めてコミュニケーションを取った経験だ。

あの時のピアノが同じ場所にそのまま置かれていた。

「はい、そうしましょう」

マリはうなずいた。

二人は一つの椅子に並んで座る。

「私が主声部を引き受けましょうか?」

「いや、それでは私があなたの演奏について行くのが難しいから、ただ私が主声部を引き受ける」

ラエルはあらゆる面で天才的な才能を持っている。

ピアノも専門の鍵盤演奏者に劣らない実力だった。

「それでは始めましょう。」

彼は鍵盤を押した。

すぐに、低いながらも穏やかな音が聖堂の中に響き始めた。

「セレナーデ(Serenade)」

マリーはラエルが演奏する曲を聞きながら目を閉じた。

「夜の音楽」という意味のセレナーデは、夜に恋人の家の窓際で演奏したりする愛の歌。

ラエルの指を通して、やはり心地よく柔らかい旋律が流れる。

マリは隣に座ってその旋律に沿って行き、泣きそうな気持ちになった。

これは他でもない彼女に向かって演奏する曲。

音符一つ一つに、彼女への愛がいっぱいに感じられた。

ラエルは曲を通してこう語っていた。

愛してるって。

私があなたをあまりにも、我慢できないほど愛していると。

これからも何があっても愛すると。

その時、伴奏していたマリの手の甲の上に一滴の涙が落ちた。

マリは唇をかんだ。

胸が鳴り、どうしても演奏を続けることができなかった。

「マリ?」

ラエルは驚いて彼女を呼んだ。

彼女が突然涙を流して、当惑した様子だった。

マリはしばらく唇をかんでいた。

到底これ以上我慢できなかった。

(私、一体どうすればいいんだろう?)

まだ彼に正体を明かす時ではなかった。

しかし、今はもっと隠すのも無理だった。

彼を騙しているのがあまりにもつらかった。

一体どうすればいいのか分からない。

どちらを選んでも良い結果が出そうになかった。

彼女は唇をそっとかんだ。

涙が頬を伝って唇ににじんで落ちていく。

彼女の尋常でない雰囲気にラエルの瞳がかすかに震えた。

彼は彼女の悩みに直感的に気づいた。

ラエルはゆっくりと話した。

「マリ、大丈夫だから話しなさい。私はあなたを信じるから」

「・・・」

マリの瞳が再び揺れる。

彼女は口を開いた。

しかし、いざ話そうとしても、また言葉が出なかった。

それほど怖かった。

結局、彼女は震える声で話した。

「・・・陛下は私を信じますか?」

「当然」

「・・・それならもし、本当にもし・・・」

そこまで話したマリはまた黙ってしまう。

到底言葉が出なかった。

ラエルはじっと彼女を待つ。

何の催促もせずに。

結局、マリは言った。

「もし私が陛下を騙したことがあったらどうしますか?」

「・・・」

ラエルの顔がこわばる。

彼はしばらく返事がなかったが、口を開いた。

「当然痛いだろう。がっかりするだろうし」

マリはその答えに目をぎゅっと閉じる。

当然の答えだ。

ところが、ラエルが話を続けた。

「しかし、それでも理解しようと努力する。私はあなたを愛しているから。信じているから」

「・・・」

「私が知っているあなたなら、理由もなく私を騙したことはないだろうから、最大限理解してみようと努力するだろう」

なぜだろう?

彼の話を聞いていると胸が揺れた。

マリは唇をかんだ。

彼女の指先がぶるぶる震える。

どれだけ湧気を出そうとしてもなかなか口が開かなかった。

(主よ、どうか私を助けてください)

 



 

ラエルは黙ってマリを待った。

何の催促もせずに。

それを待つと、マリはかすかな勇気を出すことができた。

彼女は震える気持ちで口を開く。

「陛下、申し上げたいことがあります」

「何でもいい」

彼女は彼の前にひざまずいた。

「私は実は陛下を騙したことがあります」

「・・・」

「実は私の名前は・・・」

マリは歯を食いしばる。

彼の前に真実を持ち出すのが怖かった。

しかし、これ以上避けることはできなかった。

「モリナ・ブランデン・ラ・クローヤン。それが・・・私の名前です」

場内の空気が重く沈んだ。

彼女がついにラエルに真実を告白したのだ。

マリは地面に着くように頭を下げる。

自分の今の告白がどんな結果を生むか、あまりにも怖くて顔を上げることができなかった。

自分の告白を聞いたラエルは果たして何を考えているのだろうか?

マリは心臓が止まりそうだった。

何よりも彼との関係が疎遠になることを恐れていた。

彼女は震える声で話し続ける。

「しかし、陛下に害を与えるために、決して騙したわけではありません。どうか私を信じていただけませんか」

そこまで話したマリは口をつぐんだ。

彼と遠ざかるかもしれないという恐れのためだろうか?

喉が詰まってこれ以上話すことができなかった。

その時、ラエルが口を開いた。

「意味のないお願いをするんだね」

「・・・」

マリの心が絶望の淵に落ちる。

恐れる最悪の結末だった。

ところが、すぐに彼女の耳に淡々としたラエルの声が聞こえてきた。

「私はあなたを一瞬でも信じて見なかったことがない。だから君の頼みは何の意味もない。すでに信じていたから」

「・・・」

それを間いたマリの目がちぎれそうに大きくなる。

彼女は震える目でラエルを見上げた。

そして、彼の切なさに満ちた瞳を見た瞬間、彼女は気づく。

すでに彼が知っていたということを。

全部知って自分が正直に話してくれるのを待っていたということを。

その事実に気づいた瞬間、マリの心の壁が崩れ、目からどっと涙があふれ出てきた。

「ふぅ、ふぅ、はい、陛下」

ラエルはひざまずいて優しく彼女を抱きしめた。

そして、何も言わずに頭を撫でてくれた。

とても暖かくて、まるで大丈夫だと言うような手つきで。

彼の懐が彼女の心を暖かく抱いた。

「あなたがクローヤンであれほど努力したのじゃ私たちの未来のためだったのか?」

マリはうなずいた。

感情がこみ上げてきて彼女の声がぶるぶる震えた。

「陛下と共にするためには、すべての問題を解決しなければならない。そうしてこそ、何の偽りもなく陛下の前に立つことができると思って、それで・・・」

ラエルの顔にほろ苦さがにじんだ。

彼は悲しそうな顔で彼女をさらに強く抱きしめる。

彼女が言ったように、彼と彼女の間にはあまりにも大きな障壁があった。

その難関をすべて乗り越えなければならない。

彼女が少し落ち着くと、ラエルはゆっくりと口を開いた。

「マリ、本当にクローヤン地方を安定させることができるのか?」

その問いにマリは歯を食いしばった。

「ええ、何があっても。他の誰でもない陛下と私のためにもやり遂げます。私を信じてください」

その言葉にラエルはうなずいて尋ねた。

「あなたも分かるだろう。昨今の状況でクローヤンを安定させることはとても重要だということを」

「はい、西帝国との戦争を控えているので・・・」

ヨハネフ3世の西帝国と戦争が起こる。

それは避けられない事実だ。

そのような状況で、クローヤン地方が独立すれば、東帝国に致命的な結果をもたらす。

しかし、ラエルは彼女の言葉に首を横に振った。

「いや、そういうわけではない」

「それでは?」

「もしクローヤン地方が安定せず、万が一独立することになれば、その時はあなたと私は敵になる」

「・・・」

マリの顔が真っ青になった。

「だから必ずクローヤン地方を安定させなければならない。できるものか?君をこのまま信じてもいいのか?」

マリは重々しくうなずいた。

「必ず・・・必ずやり遂げます」

その答えを聞いたラエルはもう聞かずに席を立った。

「わかった。それでは、あなたも私の頼みをーつだけ間いてくれ」

マリは不思議そうな顔をした。

「あなたを信じて見送る前に、一つのしるしを貰いたい」

ラエルは大聖堂の十字架を見た。

「今日この瞬間。あの十字架の下であなたと私が一つになる誓約をしてくれ」

マリの目が丸くなる。

ラエルの言葉に込められた意味を悟ったのだ。

「陛下・・・?」

ラエルはマリの顔をなでた。

「聞いてくれないか?」

マリの瞳からまた涙が一滴流れ落ちる。

彼の愛が彼女の胸を揺さぶった。

「いいえ、私も望んでいます」

「それでは今夜ここで誓約をする」

空いている聖堂だったが、ラエルは気にしなかった。

「ちょっと待って」と言った彼は外に出ていく。

それから少し時間が経った後に戻ってきたが、彼と一緒に来た人物を見てマリはびっくりした。

「大司教様?」

白ひげと慈しみ深い印象。

東帝国聖堂の最高聖職者である大司教だったのだ。

大司教は寝ている間に呼ばれたのか、「うん~」という声を出した。

「陛下、いきなり・・・」

「申し訳ありません。でも、それほどに大事なことなので・・・」

ラエルは大司教に相互尊称を使った。

「私とヒルデルン子爵が一つになる誓約を主号してください」

大司教は眠りからがらりと逃げた表情をした。

一つになる誓約って?

それは婚姻の誓いではないか!

「へ、陛下?」

「そうなったのだ。正式な結婚式は後で改めて行いますので、お願いします」

「ああ、でもこれは・・・」

大司教は「話にならない」と口を開いた。

なんと皇帝と皇后の誓約をこんなに適当にしようとするなんて?

しかし、誰が相手に従わないだろうか。

大司教は「これは違う」という表情で、2人の誓約を主宰する。

「お二人は前に出てください」

そうして二人は手をつないで十字架の前に立った。

「主の名で東帝国の支配者、陛下にお尋ねします。ヒルデルン子爵を永遠に愛し、大切にすることを神様の名前で誓いますか?」

ラエルは固い声で答えた。

「誓います」

大司教はマリに尋ねた。

「主の名でヒルデルン子爵に尋ねます。陛下を永遠に愛することを誓いますか?」

マリは目を閉じて祈る気持ちで答えた。

「誓います」

大司教は二人の頭に手を当てて祝福する。

「神様に祈ります。お互いに愛する二人があなたの祝福を永遠に与えてください」

マリも心の中で切に祈った。

これまで何度もしたかも知れない祈りだった。

(私と陛下の将来を祝福してください。どうか)

そのように二人は、名前のない聖堂の中で愛の誓約をした。

 



 

ついにマリが告白しましたね。

二人の未来のためにもクローヤン地方を安定させなければなりません。

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