こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は74話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
74話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 単刀直入な拒絶
「どうしてダメなんだ?」
「ご存知じゃないですか?彼女は怪しいです!」
オルンが強い声で叫んだ。
マリが駄目な理由。
それは彼女に不審な身辺のためだ。
「どれだけ調べてみても何も出てきません。記録は確かにありますが、幽霊のように何の痕跡もないのです!」
「それはマリがすでに説明した事実ではないのか?人通りの少ない廃院の宮の近くで働いていて、自分を知っている人はほとんどいなかったと。それでも知っている人は戦争中に死んだと」
「それは彼女の話に過ぎません!」
「オルン」
ラエルは首を横に振りながら言った。
「もちろん君の心配は理解できる。しかし、私は彼女を信じている。彼女は人を騙す人ではない」
その言葉にオルンはもどかしい表情を浮かべる。
もちろん、彼も知っていた。
マリが悪人ではないということを。
いいや、むしろ優しくて信頼できる人柄を持っていることも知っている。
しかし、それでも怪しいのは怪しい。
彼女をラエルの妻として迎えることはできなかった。
「殿下、どうかもう一度お考えを・・・」
その時だった。
意外な音がドアの外から聞こえてくる。
「殿下、フォン・ヒルデルンが来ました。入れてもいいですか?」
「・・・!」
当事者であるマリの訪問のオルンがビクッとした。
「入ってきなさい」
まもなくドアが開き、マリが入ってきた。
「皇太子殿下にお目にかかります」
礼を言うマリの顔は、まるで石のように固まっていた。
皇太子はそんな彼女をしばらくじっと見つめ、口を開く。
「体は大丈夫か?不便なところはないか?」
無愛想な声に込められた心配。
マリは自分への彼の気持ちを感じたが、唇を噛んだ。
彼女が訪れたのは彼の心を押し出すためなのだから。
「お話したいことがあって来ました」
「話?」
「はい、殿下」
何か重い雰囲気に皇太子はオルンの方を向く。
「・・・分かりました」
オルンは何も言わず執務室を出ていく。
「じゃあ話してくれるか?」
しかし、マリはしばらく躊躇っただけで、すぐに口を開くことができなかった。
皇太子はじっとその様子を見て話しかける。
「大丈夫。どんな話でもいいから気楽に話すように」
彼が自分を配慮して優しく話すと、マリはさらに話し出すのが不便になった。
自分が話すことは彼にとって良くない話なのだから。
(それでも言わないと。皇太子のためにも)
マリは大きく息を吸って吐き出すように言い始めた。
「殿下、私への想いを収めてください」
単刀直入な拒絶に皇太子の顔が固まる。
「それは・・・、どういう意味だろう?」
「私は殿下の心を受けるほどの存在ではありません。殿下が良く思ってくださったことは一生の光栄ですが、浅はかな私には耐えられません」
マリは出来るだけ固い口調で話す。
余地を残さないように。
皇太子はしばらくじっとしてから口を開いた。
「どうしてだろう?身分が気になるのかな?」
「はい、殿下。殿下が恩恵を与えてくださったお陰で礼爵位を受けましたが、私の根本は浅はかな戦争捕虜です。殿下の心を受ける存在ではありません」
事実、身分以外にも重要な問題があった。
まさに自分がモリナ女王だということ。
しかし、その事実に言及することはできないため、マリは身分を表面的な理由として掲げた。
(私がモリナ女王じゃなかったら、彼をもう少しまっすぐ眺めることができたかもしれないのに)
マリが苦々しく思っていた時、皇太子が思いもよらないことを言った。
「身分が問題であれば、別に問題はないな」
「・・・え?」
「あなたに私の妻にふさわしい爵位を下せばいいんじゃないかな?」
「あ、いや・・・、それは・・・」
マリは当惑した表情を浮かべる。
「この帝国のすべての身分は、私の権限下にある。高い者を低くすること、低い者を高くすることもすべて私の権限なのだから、身分など何の関係があるのか?」
「・・・!」
間違った言葉ではない。
帝国のすべての身分は皇帝の権限下にあるのだから。
身分を高める権限も、与えられた身分に権威を付与することもすべてラエルの手にかかっていた。
「そ、その・・・。私は高い爵位を受ける資格がありません」
「資格?資格は作ればいい。そしてマリ、君が今まで積み上げた功績を見れば爵位くらいは十分に貰えると思うが?」
「・・・」
マリの口が塞がる。
何か言葉に押される感じがした。
(あ、駄目。このままじゃ・・・)
結局、彼女は取り出したくない理由を持ち出すしかなかった。
「殿下、私の心を考慮してください」
「それはどういうこと?」
「殿下を極めて尊敬していますが、異性としての感情を抱いたことはありません」
「・・・!」
皇太子の顔が今までとは比べ物にならないほど固くなる。
マリはその姿を見て罪悪感を感じた。
「申し訳ありません、殿下」
マリの心情も辛いですね・・・。
女王としての身分がなければ素直に受け入れていたかもしれないのに。
ラエルはマリの答えにどのように返答するのでしょうか?