こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は217話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
217話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 人魚の涙
ブランシュを撫でて抱きしめているうちに、私はふとヴェリテの方を振り返る。
少し気になることがあったのだ。
「ところでヴェリテ、人魚がイルカと話せないのはどうして分かったの?」
「それは基本的なことだから・・・?」
ヴェリテは当然のことをなぜ聞くのかというように私を見た。
ふむ、私は知らなかったけど。
多分ブランシュもそうだし。
ヴェリテは異種族に対してかなり博識のようだ。
そういえば、ブランシュに人魚と妖精の歴史についても教えたそうだし。
ちょうど人魚について気になることがあったから良かった。
本人に聞くには少し抵抗があったから。
「ヴェリテ、私人魚について聞きたいことがあるの」
「何が気になるの?」
「この前、ナディアが私のためなら毎日のように涙を流すことが出来ると言ったの。それがどういう意味か分かる?」
ヴェリテは私の話を聞いて少し戸惑っているようだ。
それからブランシュをチラリと見て口を開いた。
「あ、それは・・・、人魚たちが流す涙は真珠になるんだ。毎日あなたに真珠をあげるって意味だよ」
え?
真珠だって?
予想とは全く違う解釈に私は戸惑うしかない。
毎日私に真珠をあげるために涙を流すなんて、すごくロマンチックな表現だったんだ。
会ったばかりなのに、どうしてそんなことが言えるの?
人魚はみんなそうなのかな?
戸惑って言葉が続かないうちに、ふとブランシュの顔が目に入った。
少し拗ねている様子だ。
「ナディア女王はママが好きみたいですね。私のママなのに・・・」
そう言ってブランシュが私の胸にモゾモゾ這い込んできた。
私も自分の母に求愛する人がいたら気分は良くないと思う。
ソロならともかく、堂々と夫もいるのに。
「その通りです。私はブランシュの母親ですから、心配しないでください」
ナディアが私に愛情表現をしてくれるのは嬉しいが、私の席はここ、ブランシュのそばだった。
ブランシュが不安に思っているのを見ると、ナディアにはもう少し冷静に接する必要があるようだ。
「そしてヴェリテ、もう一つ気になることがあるんだけど・・・」
ナディアと会話をしながら感じたもう一つの疑問。
しかし、先ほどのヴェリテの言葉を聞くとなぜか答えが分かるような気がした。
「ナディアがもし人魚の姿で現れたら、すぐ闇市に売れると言ったのは・・・、もしかして人魚の涙が関係あるの?」
「うん。ネルゲンはちょっと少ないけど、モルッカの場合は人魚を売買する貴族が結構多いよ」
それを聞くと、なんとなく苦々しく見えたナディアの表情が理解できた。
ヴェリテがゆっくりと説明を続ける。
「涙だけでなく歌の実力も優れていて、神秘的な見た目のために人魚を奴隷に・・・、いや、奴隷でさえないんだ。装飾品として扱う人間がかなりいる」
この世界では真珠は他のどの宝石よりも高価だ。
海を人魚たちが保有しているから。
真珠を得るために海に入って命を落とす場合も多いと聞いた。
そんな中、人魚の涙が真珠に変わるなんて、黄金の卵を産むガチョウに他ならない。
ブランシュが動揺しながら尋ねる。
「それじゃあ、その人たちは人魚を毎日のように泣かせているの?」
「・・・」
その言葉にヴェリテは沈黙で答えた。
私もこれ以上何も言えなかった。
人間が人魚をどのように泣かせるか予測できると同時に想像したくなかったのだ。
だからナディアはあえて自分に呪いをかけて人間に姿を変えたのね。
ふと彼女の表情が浮かぶ。
一瞬すれ違った感情。
苦味と恨みを。
「・・・あの。私ちょっとナディア姫に会いに行ってきます。謝らなければならないことがありまして」
私は腕の中に抱かれたブランシュを見下ろしながら言った。
彼女はしばらく躊躇ってから頷く。
ブランシュの抱擁がスルスルと解けた後、私はヴェリテにブランシュをお願いという意味で視線を向ける。
軟禁状態だったので、ナディアを探しに他のところに行く必要はなかった。
ナディアの部屋に入ると、彼女はソファから飛び起きる。
「アビゲール!今日も来てくれたの?本当は私に気があるんじゃない?」
一日中退屈だったのか私をとても歓迎してくれた。
今日もパジャマに裸足の状態だ。
「アビゲール、私はあなたの部屋で過ごしてはいけないの?一日中一人でいるのはとても退屈で・・・、あれ?どうしたの?」
その言葉に私は照れくさそうに笑う。
おそらく苦笑いだったのだろう。
ナディアはじっと私を見つめながら尋ねた。
「アビゲール、何かあったの?」
「それが・・・、闇市の話を聞いてきたので・・・」
闇市という言葉にナディアは表情を固める。
「人間が人魚を闇市で取引するという話を聞きました」
「・・・今知ったの?」
「はい」
「ところで、どうしてあなたの表情が悪いの?あなたも人魚を売買していたの?」
彼女は黙々と私を見つめていた。
普段の茶目っ気たっぷりの笑顔は消えたまま。
私はそっと首を横に振る。
「直接その取引に手を出していませんが、一人の人間として、そして王妃として謝りたいと思いました」
「あなたが直接その仕事に関与したわけではないのでしょう?」
「一国の王妃という人がその事実を知らなかったことだけでも恥ずかしいことです。本当に申し訳ありません」
私は彼女に深く頭を下げた。
恥ずかしく顔を上げることもできない。
彼女の言う通り、私が直接介入したわけではない。
しかし、私は王妃だ。
そのような重大な事実を知らなかったということだけでも恥ずべきことだった。
「これから私にできる全ての手段を使って闇市で人魚が取引されることを防ぐようにします。そして彼らを捕まえて厳罰に処することを約束します」
遅れたが、手遅れになる前に間違ったことは正さなければならない。
やっぱり闇市で人魚は売買されていたのですね・・・。
この国の大臣たちが馬鹿な考えをしないことを願っています。
セイブリアンも止めるはずですが・・・。