公爵邸の囚われ王女様

公爵邸の囚われ王女様【52話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。

今回は52をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【公爵邸の囚われ王女様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

52話 ネタバレ

公爵邸の囚われ王女様【51話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 今回は51話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 約束

クラリスとノアは騎士団の宿舎の屋上にいた。

広々とした席の上に雲のようなクッションがあり、その上に横たわると星がいっぱいの空が視界に入ってくる。

ノアは星のことをよく知っているようだ。

空の中で最も明るい星を基準にして、その周辺に散らばったきらめきを一つの線で繋ぎ、これに込められた話をいくつも聞かせてくれた。

クラリスは月と星の存在は知っていたが、これにまつわる伝説があるということは今日になって初めて知ったため、自然にノアの話に深く陥った。

それなのに。

「くん、ドルルン・・・」

彼らのそばにいたベンソン卿が突然いびきをかいて眠り始めたではないか。

その音がどれほと大きくてすごいのか、クラリスとノアはついぷっと笑ってしまった。

「ベンソン卿はお疲れのようだね」

クラリスはノアを振り返りながら言った。

覗線を感じたのか、空を眺めていた彼もクラリスの方を振り返る。

彼の顔には仮面がかぶせてあった。

「お嬢さんももう部屋に行ったほうがいいんじゃないですか?」

「もう?」

クラリスはこの楽しい時間に未練が残った。

こんなに遅くまで起きていられるなんて、なんだか特別な気もするし。

「残念だな」

「明日、病気の鶏のように眠っても、私は知らないよ」

「そんなことはしないよ。夜明けにはノアがまた戻るんだよ。必ず日が昇る前に起きて挨拶するから」

「今、前もって挨拶しておくことをおすすめします」

「ひどい」

クラリスは唇を突き出したままにらみつけ、すぐにまた振り向いて空を見上げた。

「もう少しだけ」

「・・・」

「もう少し、一緒にいよう。ね?」

 



 

幸い、ノアはこの要請を断らなかった。

それは本当に幸いだった。

実はクラリスはノアに言いたいことがあったのだ。

それはこれ以上先送りできない、非常に重要な話だった。

(私は18歳に死刑が予定されている)

ノアと友逹になった時。

クラリスはどこか危なげに見える少年に自分の話を全部打ち明けられなかった。

ただ亡国の王女で罪人の身分でここで過ごしているという紹介が全てだった。

いつも彼に詳しい事情を話さなければならないと思ったが、どうりで打ち明けるのが容易ではなかった。

死刑囚という言葉はあまりにも冷たくて、ノアが自分を避けることになるのではないかと恐ろしくもあったのだ。

初めて付き合った同年代の友人だったので、ノアが自分を避けることは望まなかった。

それで今までクラリスは自分の運命について彼に話すことができなかった。

もしかしたらノアも仮面をかぶっているから、自分も一つくらいは秘密にしておいてもいいと甘く思っていたのかもしれない。

しかし、今やクラリスは彼の顔を知った。

素敵な赤い石が肌に染み込んだ顔は本当に素敵だった。

クラリスは目をそらしてノアを見る。

(憎らしい猫の仮面)

彼女は訳もなくその仮面が嫌になった。

素敵なノアの顔を一生独り占めするなんて、酷いんじゃないかと思って。

本当にこんなにきれいな石はどこでも見たことがなかった。

ノアは嫌がっているようだが・・・。

「星を見ると言っていませんでしたか?」

彼は、依然として空に視線を固定したままだった。

「私はノアの顔が星よりもっと好き」

「・・・少女は恥ずかしさを知らないんだね」

「友逹の顔が気に入るのは恥ずかしいことじゃないわ。ノアも私の顔が好きじゃ
ない」

「・・・」

振り向いた彼の覗線に、なんだか戸惑いを感じる。

「どうして分かったのか」と聞くようだった。

「もちろん知ってるよ。ノアは私の顔を見たら喜んでくれるじゃん。だよね?」

「それは・・・」

ノアは再び空に顔をそむけてしまった。

「でも」

「ほら、私の言う通りだよ」

クラリスもまた空を見上げ、深呼吸をする。

いつの間にか星はあまり目に入らなかった。

(必ず言わないと。今日は必ず・・・)

そのように何度も同じ決心を繰り返している時。

「少女」

ノアの方から先に話をかけてきた。

「う、うん?」

「約束は守っているの?」

彼はベンソン卿のことを気にするような低い声だった。

「・・・うん」

クラリスも一緒に声を落とした。

ノアとは石と会話する能力について秘密にしようと約束したことがあり、クラリスは
これを今日まで守っていた。

「・・・よかった」

彼はほっとして答えた。

「お嬢さんは公爵と仲が良いので、見つかるのは時間の問題だと思っていました」

「絶対に言わない」

クラリスは親愛なる公爵夫妻に変な扱いを受けたくなかった。

しかし、とても深刻なノアを見ていると、なぜか秘密を守らなければならない他の理由もあるようだ。

『どうしても少女は残酷な魔法使いの城で・・・持ちこたえられそうにないから』

以前はこんな話をしたこともあったくらいだから。

「もしかして・・・私が石と話すことが魔法使いの城と関係があるの?」

注意深く聞くと、ノアが鋭く眺めた。

いつも同じ猫の仮面なのにやや鋭く見えたという意味だ。

しかし、クラリスは負けずに質問を続ける。

「私のことじゃないか。ちゃんと知っておきたいな」

「それは」

「私に起こるかもしれないことを、私が詳しく知らないのは、やはりおかしいよ」

ノアは仮面を何度か直して深くため息をつく。

「・・・わかりました」

彼はなぜか説明したくない様子が歴然としていたが、もうこれ以上ごまかさないことにしたようだ。

「石と話す能力は少女がゴーレムマスターの資質に恵まれているという意味だ」

「うん?」

思いもよらない称号にクラリスが驚いたにもかかわらず、彼は休まずに説明を続ける。

「いや、もうゴーレムマスターと言ってもいいだろう。石に生命を吹き込んで下僕として使っているのだから」

「モチは召使じゃないよ。だから私はゴーレムマスターじゃない」

クラリスはこれまでゴーレムマスターは巨大な岩を思いのままに操ることができるすごい存在だと思っていた。

だからやっと砂利と対話する小さな能力は彼らと明らかに違うと思っている。

「彼を友逹だと言ったとしても、その存在があなたの魔力による生命だという点は変わりません」

「で、でも・・・」

「魔力を吸収する石を探し出し、彼らのパートナーを探して新しい形と大きさに組み合わせることができる能力を持つ者。それがゴーレムマスターの定義です」

「・・・」

「少女がその小さな友逹を作り出したことは、すでに証明されている。あなたはすでに素晴らしいゴーレムマスターです」

クラリスはもうこれ以上横になっていられなくて、クッションの上に体を起こして座った。

「それから」

ノアは空を見上げたままだった。

「魔法使いの城は、もう何年もゴーレムマスターを見つけることができず、血眼になっている。もし彼らが少女について知ったら・・・」

彼がしばらく話を休むと、クラリスはなんだか緊張して次を急いだ。

「知ったら・・・どうなるの?」

席から立ち上がったノアは、そっと仮面を外し、クラリスの両瞳をまっすぐ見つめる。

「少女を魔法使いの城に連れて行こうとするでしょう。もしシェリデンがこれに応じなければ・・・戦争をしてでも」

 



 

「せ、戦争?」

「世界に一つだけのゴーレムマスターを獲得するための戦争のことだ。そもそも王室と魔法使い団は仲が良くもないので、あまり迷わないでしょう」

戦争だなんて。

それはクラリスが意識的に避ける言葉の一つだった。

その言葉を思い出すだけでも目の前に描かれる風景のために。

「・・・」

首を切られた父。

そのそばに散らばった真っ赤な血と果てしなく見える垂れ下がった肉体。

クラリスは時々、彼女が目撃した殺戮の現場が現実ではなかったかもしれないと思った。

事実というにはあまりにも残酷だったから。

だが、少し前にノアから「戦争」という陰惨な話を聞いた瞬間、なぜかあの日に引き受けた酷く血なまぐさい匂いが彼女を巻いたようだった。

感覚の支配はそのまま続き、クラリスはまもなくサッパーズ王国軍が進撃する足取りの振動と彼らの鋭い目つきを思い出した。

「・・・少女?」

ぼんやりとノアの声が聞こえてきたが、まるで水の外で歌うようにぼんやりしていた。

それでもクラリスは答えたくて唇をそっと開いたが・・・。

「うッ!」

その瞬間には人間の体が貫く音が耳元を満たした。

それはすぐに刃が骨に会ってキーキーと掻くような恐ろしい音に繋がる。

小説なんかで想像した話ではなかった。

彼女の記憶の中にある生々しい、実際に人間が割れる音だった。

(あんな戦争が・・・)

シェリデンで起こるなら・・・。

考えたくもない想像が勝手に続いた。

クラリスの恐怖が作り出した刃が、邸宅の人々を一つずつ斬り始めたのだ。

庭師のおじいさんとロザリー、ベンソン卿と料理長さん、そして最後には・・・。

想像の真ん中にシェリデン公爵夫妻が現れた。

彼らを狙う刃物とともに。

「ダメです!」

クラリスは彼らの方へ走って行こうとした。

しかし、床にぴったりついた腕と足は少しも動かなかった。

「クラリス!」

瞬間、耳元をいっぱいに埋めた声と共に彼女の視野が真っ白に変わる。

「はあ、はあ・・・」

いったいいつからこんなにゼーゼーというほど緊迫した呼吸をしていたのだろうか?

「大丈夫です」

落ち着かない様子で、揺れる肩の下で軽く叩く音が感じられた。

「何も起こらないだろう」

心を癒すような優しい言葉に、クラリスはようやく少しずついつもの呼吸を取り戻した。

白いばかりの視界にも少しずつ色が宿り、小さな星が降ってくれるかすかな光と深い闇・・・。

そしてノアのローブが目に入る。

クラリスは柔らかいローブで完全に頬をもたせた。

長い空色の髪の毛が鼻先をくすぐる時は、なぜかすごくいい香りがした。

まるでインクと紙を思い出すような・・・心が落ち着く香りだった。

 



 

過酷な運命を背負うクラリス。

彼女の能力が魔法使いにバレたらと思うと恐怖でしかないですよね・・・。

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