こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は51話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
51話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 貴族式の言葉
「お願いが・・・あります、公爵様」
ブリエルがもう少し後ずさりした。
決して、近いと呼べない間隔になるまで。
「おっしゃってください」
ブリエルはマクシミリアンが再び近づこうとしたので片手を上げる。
信号に気づいた彼がびくっとした。
ブリエルはしばらくためらった。
「もう、やめて・・・ほしいのです」
しかし、最初の一言が流れた後は、比較的本心を伝えやすくなった。
「こんな状況で私を気にかけてくれたり、手紙など・・・少し手に余るんですよ」
「・・・そうですか」
「はい」
ブリエルはわざと硬い声で答える。
そうしないと彼女の心に残った未練が・・・だから、マクシミリアンの心を願う真心が込み上げてくるようだった。
「分かりました」
幸い、彼は意見を受け入れてくれた。
ブリエルは感謝の気持ちを伝えようとする。
しかし、続くマクシミリアンの話がもう少し早かった。
「実は私も手紙を書くことがあなたの迷惑になるのではないかと心配していました。ただ、さっきのような状況で・・・」
彼はしばらく悩んでいるようで、言葉を曖昧に濁した。
「私があなたのことを気にしないことは不可能です、ブリエル・シェリデン」
「・・・」
「私はあなたの誤解がとても辛いのです」
それはまたどういう意味だろう?
今ここは暗くて彼の表情も内心も知ることができなかった。
「私は・・・貴族ではありません、公爵様」
「いいえ、あなたはこの城の唯一の公爵夫人です」
「そういう意味ではなく、具体的な表現を控える貴族式の言葉には慣れていないという意味です。だからはっきり言ってください。一体公爵様は私を・・・」
「どう思っているのですか?」という言葉は、ほとんど囁きに近かった。
ブリエルは耳にほとんど届かなかったほと小さな声だったので、すぐに後悔した。
どんな答えが返ってくるか、分かっていながらも無駄な期待に再び陥ってしまったのだ。
彼女はなぜか恥ずかしくて彼の返事も待たずに勝手に話を並べる。
「本当は私も知っています、私にとても同情しているのでしょう?」
自分で答えを出すくらいなら、一体どうして聞いたのか。
ブリエルは自分が情けないと思ったが、なぜかしきりに出てくる醜い言葉が止まらなかった。
「私はあなたを騙した者なのに、寛大にしてくださいました。元下女の娘で、またそれさえも拾って育てた子です。出自も不明な女をおさめてくださった恩恵を知らないわけではありません!」
「私はあなたに惹かれています」
「はい!もちろんそうでしょう・・・何ですって?」
「あなたに惹かれていると申し上げました」
ブリエルはその声の熱気を無視して視線をそらした。
自分を守るためにも。
無駄な期待を抱いて、ただ人間的な「惹かれる」という結論が出れば、片思いの傷はさらに広がるだろう。
「あの、私は・・・」
彼女が逃げるように再び後ろに足を運ぶとき、距離を縮めてきたマクシミリアンが彼女をつかまえてついに胸に抱きしめた。
お互いに体が触れ合う瞬間。
憎たらしい心臓が揺れ、抑え込んだ感情を痛めるように押さえつけた。
「・・・どうして」
唇をかんだままやっと渡した質問に彼は答える。
「後ろにガラスがあります」
「あ、.忘れてた・・・」
「・・・」
ブリエルはもうガラスを踏みに行くはずもないが、マクシミリアンは彼女を抱きしめた腕を緩めなかった。
いや、むしろ少しずつ締め付けてくるようだった。
きっと・・・他の目的もあるらしい。
ブリエルは彼の胸に固定している視線を聞いた。
いつの間にか両目が闇に慣れたのか、それとも彼の腕に寄りかかっているほど近づいたせいか、今はマクシミリアンの表情が鮮明に見える。
視線が合うと、彼はゆっくりと質問をした。
「これもやはり貴族式の言葉ですか?」
それは「惹かれる」という言葉に対するものだろうか。
それとも、彼女をますます強く引き寄せる腕についてなのだろうか。
「・・・わかりません、だから」
ブリエルは無意識のうちに彼の裾をより強く握りしめたままやっと答えを出した。
「私がはっきり分かるようにしてほしいです」
マクシミリアンはブリエルの手を注意深く握る。
ちらっと彼の手のひらに触れた傷がひりひりしたり、何だか少しくすぐったいような気もした。
「ブリエル・シェリデン」
彼は手の甲を自分の唇に引き寄せて彼女の名前を呼んだ。
いや、実は朗誦するという言葉に近いほど、その短い呼びかけに彼の真心がたくさん含蓄されたようだった。
「・・・」
ブリエルはなぜか彼に慣れていないように見えた。
いつも巨大で偉大に見えた人が、たかが自分の手の甲一つをすごい宝物のように握って感激するなんて。
「・・・シェリデン公爵夫人」
彼は彼女を別の言葉で呼び、手の甲の上に深くキスをする。
まるで彼を刻み込むようなキスだった。
ブリエルは彼から目をそらすことなく自分の唇を噛んだ。
見た目はとても丁寧だったが、手首まで届く彼の熱い呼吸はまったく貴族的ではなかった。
(あ、どうしよう・・・)
ブリエルは困った。
もう彼女の片思いが驚くほど良い方向に進んでいくということは分かった。
でもその次は・・・?
一体何があるの?
いいんだけと、すごく嬉しいのだけど。
ブリエルはなぜか自分の知らない世界が繰り広げられることを恐れた。
いや、もしかしたら。
・・・期待しているようだった。
ここですれ違いにならなくて良かったです。
これからの二人が楽しみですね。