こんにちは、ちゃむです。
「あなたの主治医はもう辞めます!」を紹介させていただきます。
今回は80話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
80話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 誕生日パーティー③
素朴にしようという私の願いは受け入れられないと思った。
まったくささやかな夕食ではない。
食堂には招待されたお客さんと騎士団の人たちで賑わい、雄大な音楽が鳴り響き食堂いっぱいに色々な飾りがきらめいた。
ビュッフェ式のレストランで、人々は思う存分食べたい料理を持って行き、テーブルに自由に座るような雰囲気だ。
「リチェ、成人本当におめでとう。こんな席を用意させてくれて本当にありがとう」
イザベル夫人は私をぎゅっと抱きしめた。
彼女は私の誕生日プレゼントとして、普通成人の時に母親が娘にくれる紫色のブローチをくれた。
「たとえ望んでいた関係にはなれなかったけど・・・」
この場面でエルアンを精一杯狙うことも忘れなかった。
エルアンは淡々とした表情で彼女の目を無視している。
私は恥ずかしさに笑いながら答えた。
「なんでもない私の成人にこんなに多くの方々がお祝ししてくださって、どうやって感謝を差し上げればいいのか・・・」
「大したことじゃないなんて、そんな酷いことを」
ホアキン団長が真顔で言った。
「皆がリチェ様に大きく助けられた人たちです」
確かに、それは正しい言葉だ。
私はあたりを見回してうなずくしかなかった。
お客さんたちは私に成人を祝うプレゼントを一つずつ渡した。
「リチェ嬢、本当におめでとう」
ジェイド皇太子は私に巨大な大きさのブルーダイヤモンドのネックレスをプレゼントした。
長い名前がついた有名な宝石らしい。
「このネックレスを見ながら湖のように輝き、空のように輝く私の瞳を思い浮かべるだろう。私から貰ったものだとあまり惜しまずに時々して通って」
「はい、ありがとうございます」
手に持っているにも重たいものが長く首にかけていれば、ディスクが来るようだった。
セイリン卿は、小さくて軽いながらも宝石がちりばめられた綺麗な短剣を持ってきた。
「使い方は狩猟大会の時に教えたよね?」
彼女は軽快にディエルを指差しながら話した。
「ただ突けばいい」
ディエルは乾いた唾を飲み込みながら視線をそらした。
「君のプレゼントを悩む一ヶ月間とても楽しかったよ」
やっと杖をついてきてくれたフェリックスさんのプレゼントは、意外にも刺繍が施されたハンカチだった。
老眼のために直接裁縫をするのが大変だったと思うと、受け入れるやいなや胸がジーンとした。
「お年寄りが長い間、心を込めたプレゼントをもらうと、いいことが起こるという。どうせ
高くて良いものは全部もらうから、あなたを思う気持ちを伝えたかった」
「ありがとうございます、おじいさん」
「両親を探していると言った。そんな良いことが君のもとに来てほしいという気持ちで作ったよ」
私は自分の名前が刻まれた高級シルクのハンカチを毎日身につけると約束した。
その他にも私のために準備したプレゼントが続く。
ディエルは毎日、「他人の健康ばかり気にしているから、自分の健康も気にしてほしい」という言葉と共に栄養剤をくれた。
ホアキン団長は護身用の魔法アイテムを、ケインズ卿は魔力石で作った手術道具セットを用意してきた。
そのすべてを見守っていたフェレルマン子爵が鼻で笑う。
「やっばり全部私のプレゼントに劣るね」
一言でみんなを敵にした彼が意気込み揚揚と言った。
「今回は来る途中で拾ったのではない。手に入れるのがかなり大変だったよ」
彼が差し出したのを見て、私はぽかんと口を開いた。
「これは!」
「初版だ」
ケインズ卿を除いて,みんな「あの古ぼけた本は何だ?」という表情で私たちを見る。
私は震える手でボロボロの本を受け取った。
「オスモ・ベルクスの『病気の起源』の初版ですか?」
オスモ・ベルクスは帝国医学の父と呼ばれる最初の医学者。
そして彼が書いた本の初版だから、少なくとも1500年は経った本だ。
私は感激で息が止まりそうな気分だった。
「そうだね。保存状態が一番いいものを手に入れるのに大変だったよ」
「なんてこと・・・あ、ありがとうございます・・・」
フェレルマン子爵は満足そうな顔であたりを見回す。
ケインズ卿を除く皆が「なぜあんなゴミを受けて喜ぶのか」という面持ちで私たちを眺めていた。
「そうだよ。結局、魂が通じ合うのは医者しかいない」
そして鮮明な警戒心を示しながらケインズ卿に向かってつぶやいた。
「手術道具のセットみたいなものは、前に私がプレゼントしてあげたしね」
おそらく、彼の新しいライバルは同じ医師の身分であるケインズ卿のようだった。
私は人生の多くのことは関係ないと思っていた。
誰かに何かをもらう理由も、その必要もないというのが私の持論だ。
しかし実際にこのように私を思いながら心を込めて準備したプレゼントをたくさんもらって内心嬉しかった。
どうやら、今世は前世よりずっと豊かに暮らしているような確信ができた。
皆に溢れるほど感謝の挨拶をしてから、私が本当に再び成人になったという気がした。
おいしい食べ物をいっぱい盛って出ると、ジェイド皇太子が席を取って座って明るく笑って手を振った。
その誠意を無視することができなかったし、空席もあまり残っていなかったので、私は喜んで彼のそばに座る。
「リチェ嬢、後で私に会いたくて皇居に来る時は必ずそのネックレスをしてきてね」
ジェイド皇太子は明るく微笑んで言った。
「私の目の一方の値段よりはできないけどね」
私が答えようとすると、テーブルの端に座っていたエルアンが割り込んできた。
「リチェ、私が用意したプレゼントなんだけど」
「あ、はい」
エルアンはさっきプレゼント謄呈の時間に出てこなかった。
普段の彼なら恥ずかしいほど大きくて派手な贈り物をくれるだろうと内心思ったが、実はちょっと意外ではある。
「後で夜にあげるよ」
「あ・・・はい」
私はどうやって表情管理をすればいいのか分からず、瞬きをした。
エルアンが私を女として見ていることを知って以来、彼と自然に接することが難しかった。
以前は何ともなかった状況が妙にぎこちなくなった。
例えば、ふと彼と目が合ったりすると、妙にくすぐったくなる。
エルアンがジェイド皇太子を眺めながら、はっきりと付け加えた。
「二人きりのときね」
「・・・」
「私たちは同じ城、同じ階で過ごすから、よく二人きりでいたじゃないか」
なぜしきりに「二人きり」を強調するのか分からない。
「幼い頃から」
私が恥ずかしくてエルアンを睨もうとしたら、ジェイド皇太子がはつらつと言った。
「ああ、それなら兄妹のような仲だったろうね」
エルアンの表情が無残にしわくちゃになる。
「だから、リチェ嬢を大事にするのも理解できる」
「絶対に違います、そんな仲では」
「公爵・・・そんなに真顔になったらリチェ嬢が寂しがるよ」
ジェイド皇太子は舌打ちをしながら、かなり遠くにいるエルアンに大声で言った。
「百回うまくやっても、そのように一度線を引いたら取り返しのつかないのが人間関係だと。私の忠告をよく念頭に置いてほしい」
「他の誰でもない皇太子様に助言などは聞きたくありません」
「いや、そこまで面倒でもないんだから。あまり迷惑だと思うな」
エルアンは歯ぎしりをして額に手を置く。
「どうしたの?」
怒りに震えるエルアンを見つめながら、ジェイド皇太子が純真に質問すると、彼がぶっきらぼうに答えた。
「皇太子さまと一緒にいると、ただ・・・ちょっと血が早く回って熱が上がってそうです」
「ああ」
ジェイド皇太子は渋い顔でしばらく彼を見る。
それからため息をつきながら悲しい表情で首を横に振った。
「ごめんね、公爵。私は女性が好きなんだ。いくら忠臣だとしてもそんな気持ちは受け入れられない」
「何を言って・・・!」
テーブルに座っていた人たちがみんな彼らを交互に見ていたので、エルアンはもうその話題を詳しく話して怒ることができなかった。
二人の会話を聞いていると、私までちょっと変な気分になる。
考えてみれば、エルアンの殺気を全身で受けても何ともない人は、ジェイド皇太子だけであるような気もした。
私は持ってきた食べ物をすべて空にしてまた立ち上がる。
まだ誰もいないデザートコーナーをのぞき込んでいたが、今は大人だからお酒を飲めるという気がした。
(本当に久しぶりに飲酒だ!)
得意になって急に振り向くと、固い胸にぶつかりそうになった。
「リチェ、気をつけないと」
エルアンは倒れそうになった私の腕をつかんで優しく言った。
「あれ?えっと・・・」
「もうデザート食べたらどうするの。栄養たっぷりに食べないと。昔私に言った言葉は全部忘れたの?」
私をじっと見つめる黒い目に熱気が充満しているようで、私は気軽に答えられなかった。
私の髪を後ろに渡して肩を丸くする彼の後ろには、天井から垂れ下がった魔法の飾りが光っていた。
「なんで?かっこよくて目を離すのが大変なの?」
「いいえ、天井の飾りがきれいで見たのですが。特にあそこにぶら下がっている星が綺麗ですね」
私は慌てて知らんぷりをして答えた。
「きらめくのが不思議でもあるし・・・」
「そう?もらう?」
「え?」
その瞬間、私の視野がばっと上に飛び上がり、目の前に星型装飾がきらめいた。
私は本能的に彼の肩をつかんだ。
体格の差があまりにも大きかったので、彼は私を片腕でもさっと抱き上げることができた。
「持って行って」
「あ・・・はい」
私を抱いた理由が、天井の飾りを直接手で解いて行けという意味だったのだと思った。
私は手を伸ばしてキラキラ輝く星型の飾りを輪から取り出す。
「どう?嬉しい?」
私を抱いた彼が下でささやくように言った。
急に密着した体がかっかと火照った。
デザートコーナーにはまだ誰もいなかったが、もし誰かが見るのではないかと負担になり、私は急いで答える。
「嬉しいです」
上から眺める彼の顔はまた新鮮だった。
壁一つをめぐって人々が笑って騒ぐ声が聞こえてきた。
コーナーを曲がれば私たちを見ることができるはずなのに、余計な誤解でもするのではないかと怖かった。
私がそわそわしているのに気づいたのか、彼はすぐに私を降ろす。
「私も好き」
なごやかな口調で熱が上がっていた。
「あなたが綺麗だと思うものなら、何でも私が持ってきてあげるよ」
私は何も言ねずに星型の飾りだけをいじっていた。
「私もあなたの目にきれいに見えたらいいな」
それなら喜んであげるのに。
そんな陰口が間こえるようだった。
このように決心して直進すると、私はしきりに胸がくすぐった。
ただでさえ演技もできないのに、どうしても心がないときっばりと弾き出すのは間違っているようだ。
正直に「私は公爵様と密かに密会を楽しむ仲になりたくありません」とはっきり言うべきだと思った。
リチェのプレゼントは、アルガの優勝ですね!