こんにちは、ちゃむです。
「あなたの主治医はもう辞めます!」を紹介させていただきます。
今回は81話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
81話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 誕生日パーティー④
その時だった。
「ああ、リチェ嬢。ここにいたんだ?もうデザートを食べるの?」
ジェイド皇太子がコーナーを回って現れる。
「公爵も一緒にいるんだね。そうでなくても言いたいことがあったんだ」
ジェイド皇太子は、私たち2人の間にあった雰囲気に全く気づいていないように、はつらつと話した。
「狩り大会の時の反乱軍のことだが」
私とエルアンの表情が一気に固まる。
「背後は死んでも言わないんだ。一応は密かにもっと追跡するためにセキュリティを維持しているところだよ」
「だからこんなに静かなんですね?」
「しかし、分かったことがいくつかある」
ジェイド皇太子は目を丸くして話を続けた。
「一つ目は、この反乱は各領地で散発的に起きる予定だということ」
私はうなずいた。
回帰の前、セルイヤーズ領地も散発的な反乱が起きた所の一つだった。
「二つ目はこの反乱を企てたのが非常に古いという点」
やはりその通りだ。
フェレルマン子爵の娘がいなくなった事件まで、イシドール男爵の手を経たのなら、少なくとも18年はもっと前の緻密な計画だった。
エルアンはため息をついてジェイド皇太子に言った。
「セルイヤーズ公爵令を飲み込もうとした者の特徴は何かご存じですか?」
「うん?知らないけど」
「私がいなくなった時、一番得をする人です」
私はエルアンの言葉が何なのか分かる気がして静かに息を呑んだ。
私も一人でちらっと考えたことがあったから。
しかし、何の物証もなく背後を遠まわしに話している彼の発言が少し危険に見えた。
「ここまでしてあげたなら残りは勝手にしてください」
エルアンは舌打ちをして付け加える。
「私も今日からは一つだけ見て走らなければならない立場なので。私はやることまで全部やったし、私にとってはもうみんな他人事です」
これ以上対話が続いて良いことはなさそうだ。
私も早くデザートコーナーを離れ、人々の間に入り混じっていった。
「それでは私はこれで・・・」
わざと逃げるようにデザートコーナーを抜け出したにもかかわらず、手にはきらめく綺麗な星飾りがシャキシャキしていた。
二番目の皿とシャンパン一杯まで持って帰ると、フェレルマン子爵の隣の空席が見えた。
「こっちに来て食べなさい」
フェレルマン子爵が咳払いをして椅子を抜いた。
何も考えずにそこに座って次の食事を始めると、私の対角線にエルアンが座る。
さっきよりずっと近くなった距離の彼は優雅にフォークを持って食事を始めた。
(テーブルが多いのに、あえて・・・)
やはり私のせいだったのかと思うやいなや、妙に足先がくすぐり始めた。
私をさっと持ち上げる感覚はまだはっきりしていた。
確かに幼い頃の可愛い少年とは全く違う魅力を持っている男性だ。
頭では困ると思っているが、彼の秀麗な顔を見たくて本能的に目が回ってしまう。
いつから私を見ていたのか、テーブルの花瓶の間でエルアンと目が合った。
訳もなくお酒をーロ飲むと、彼の長い足が私の足に軽く触れた。
斜めに座っているから、わざと触れさせるに違いない。
私はそっと足を避けたが、彼はさりげなくペレルマン子爵に向かって言った。
「ウェデリックを尋問しながら分かったことがあります」
フェレルマン子爵はとても渋い表情でエルアンを見た。
狩猟大会の時から、フェレルマン子爵はエルアンを不思議な目で見ているようだ。
どうやら正常ではなく狂っているようだというのがフェレルマン子爵の意見だった。
「娘が反乱軍の計略にからまっているようでした」
「当然でしょう」
フェレルマン子爵が息を吐き出して答える。
「セルイヤーズ領地を簡単に占領するために、私を混乱させるつもりで私の家族を皆そうさせたんじゃないですか」
あっという間に冷え切った雰囲気の中で、私は息を殺してじっとしていた。
「そうですね。まだ何も知らないでしょう」
エルアンは敵意をあらわにして言った。
「その娘さんの都合で、セルイヤーズ領地が餌になったのか。前後関係は誰も知らないことです」
彼はフェレルマン子爵の頼みでイザベル夫人にその娘の行方を尋ねたが、全く知らないという返事だけを聞いた。
「お母さまに伺いましたが、やはりシオニー様が娘さんをセルイヤーズ公爵領にお送りしたという事案については、何もご存じないですからね」
「今、私の娘を責めているのですか?」
「せいにするというよりは、ただただ残念なことなんですよ」
フェレルマン子爵の怒りに満ちた視線に応えて、エルアンが答えた。
「それで、リチェが危なくなったから」
「私が何を危険になるんですか?こんなに元気なのに」
雰囲気が険悪になって私が割り込んできたが無駄だった。
「あの偽の親に騙されていたらと思うと」
彼は考えただけでもゾッとするように歯を食いしばる。
そのようなエルアンを見ながら、フェレルマン子爵が冷たいように話した。
「リチェを公爵城に連れてきたのは私です。公爵が私よりもっとリチェのためにしていると思いますか?」
「リチェは自分の足で直接来ました」
「それでも、この子の価値にすぐ気付いて、よろよろの公爵様につけてたのも私です」
「ただ賢い助手が入ってくるから、安心して娘を探しに行ったのではないですか?」
エルアンは腕を組んでいらだたせるように答えた。
「それでも私がこの子の父です!」
フェレルマン子爵が、ついにテーブルを叩いて怒った。
「契約書一枚にまとめられた公爵家は、フェレルマン家よりもリチェ家に近いと思いますか?」
エルアンはその言葉にとても苛立たしそうにため息をつく。
「イルビアからもう少し早く抜け出せたら・・・こんな厄介な事は防げたのに・・・」
彼が恨めしそうに遠くにいるジェイド皇太子をにらみつけた。
「厄介なことだなんて?今、私がリチェの代父になったことが厄介なことだと言うのですか?」
「そんなに気持ちのいいことではないですね」
「ああ・・・こんなに歪んで大きくなってしまうとは」
フェレルマン子爵が額に手を当てると、エルアンが冷たく言った。
「別にお嬢さんが気になさることではありません。私が子爵様によく見える必要があるわけでもないし。それにしてもそんなに怒ったらどうするんですか?こんなにいい日に」
「え?」
エルアンはふと気がついたかのように私を振り返り、明るく笑う。
「リチェ、ごめん。私が言い過ぎたよ」
私は瞬きしながらつぶやいた。
「う~ん。謝罪は子爵様にするべきではないでしょうか?」
「何言ってるの。私はフェレルマン子爵には特に失言しなかった。でも・・・」
鋭い口調とは全く違う穏やかな声で、彼は私の顔色をうかがった。
「成人になったばかりなのに、私たちはあまりにもひどい格好をしたね?」
そして、フェレルマン子爵に冷ややかに話した。
「早く謝ってください、リチェに」
「・・・」
どうやら二人の関係は、決してよくなりそうになかった。
(何の関係があるの。どうせ私は数ヶ月以内に辞表を書くんだから)
今度の食事によって確実になった。
どうも私は彼の誘惑に無関心でいられなかった。
今もずっとお互いへの視線が意識されるし・・・。
ジェンシー公妃の言う通り、要望した悪い男にかかれば逃げが答えだった。
私はエルアンの視線を無頓着にかわそうとして回避しようとした。
フェレルマン子爵は、リチェが結婚すると言ったら絶対に許さないのではないでしょうか?