こんにちは、ちゃむです。
「あなたの主治医はもう辞めます!」を紹介させていただきます。
今回は98話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
98話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 交際報告③
フェレルマン子爵はティータイムをするのにちょうどいい午後に到着する。
驚いたことに、彼はケインズ卿と一緒に来た。
「リチェさん」
ケインズ卿はエルアンに敬意を表する前に私を見てとても嬉しそうに笑った。
「今回も皇太子さまの命を救ってくださいましたので、何とお礼を申し上げればいいのか・・・」
「私はただ押しただけです。あの混乱の中で生き残ったのは皇太子様の能力です。殿下はたくさん怪我はしなかったですか?」
「とても元気です」
その言葉に私のそばに立っていたエルアンが淡いため息をつく。
事情を聞いてみると、ケインズ卿とフェレルマン子爵は一緒に首都で数日間医療奉仕をし、フェレルマン子爵がセルイヤーズ公爵城に行くと言うと、ジェイド皇太子がケインズ卿を付して送ったのだ。
今、本人は忙しすぎて直接来られないので、私と親交がありながらも地位の高い人を送って感謝の挨拶を伝えるという意味だった。
「それではケインズ卿もお入りください」
エルアンは満面の笑みで言った。
「そうでなくても、お母さんとフェレルマン子爵をお招きして、お話があったんです。一緒に席に座っていただいてもいいと思います」
私は彼の本音をはっきりと察知することができない表情で彼を見る。
ケインズ卿の前で直接私との交際事実を明らかにし、ジェイド皇太子の耳に入るようにしようとする思惑が明らかだ。
まあ、もちろん私も私が皇太子を男として好きだとかいう彼の言葉を思い浮かべながらうなずく。
どうやら彼の錯覚を少しでも解消しなければならない必要性を感じたためだ。
これまでは「リチェは私のことが好き!」という言葉がただ人間的な好感を意味するだけだと思っていたが、理性的な意味ならば本当に困難だった。
それでイザベル夫人とケインズ卿、私とエルアン、フェレルマン子爵が同席したおかしなティータイムの席が作られる。
そしてケインズ卿が外部の軍人身分だったので、ホアキン団長が形式上ではあるがイザベル奥様の後ろで護衛を守った。
「これは皇太子様からのプレゼントです」
ケインズ卿は私に小さな箱を渡してにっこり笑った。
「命代としてはつまらないものですが、それでも本当に感謝していると何度も伝えてほしいとおっしゃっていました」
箱の中には、ばっと見ても値段が高そうな大きな宝石が入っている。
「そしてこれは直筆の書信です」
私はケインズ卿からの手紙を注意深く受け取った。
私の命を救うほど切々としていたリチェさんの愛にとても感心した。
元から私のことが好きなのは知っていたよ。
たくさんの計算のせいで前もって手を出せなかった私を許して。
でも信じてくれ。
あの夜、私は本当にリチェさんに告白しようとしたんだ。
仕方なく走っていくこの気持ちを、私は結局どうしようもなかったの。
これからどんな大変さと困難があっても、私たちは一緒にいる。
私が決心した以上、何も私たちを止めることはできないだろう。
あなたの気持ちを知っていながらも躊躇したこと、本当に申し訳なく思う。
私への酷い恋しさに苦しんだはずなのに、その分思う存分愛するようにして。
私が直接あなたを連れて行って横に立てるまでもう少し待ってくれ。
一字一字読むたびに、私は呆然として口を開かなけれはならなかった。
何世紀の恋をしているかのような決然とした手紙に鳥肌が立つほどだ。
「すでにお返事をご存じですが、それでも正式にお返事をいただきたいとおっしゃいました」
私はしばらく黙って、手紙をテーブルの上に置く。
「申し訳ありませんが、ケインズ卿・・・何か深刻な誤解があるようです」
「え?」
「私は皇太子様を愛して救ってあげたわけではないのに・・・私が善良で目の前で人が死んでいくのを見たくなかっただけです」
その言葉にエルアンは腕を組んで皮肉を言った。
「私も特に忠誠心で狩り大会で助けてあげたわけではないのに、希代の忠臣扱いをしていたよ。好意を誇張するのは男女不問みたいだ」
ケインズ卿は何度か首を整えた後、当惑して言った。
「まぁ、私も・・・リチェ嬢が別に皇太子さまのことを好きなようには見えなかったのですが。でも、もしかしたらという気持ちで来ました。それに皇太子様は本気です」
「その間抜けな気持ちをやめる時が来たな」
エルアンは意気揚々とした顔で私の手をつかんで持ち上げる。
「真心が通じたところは別にあるから」
応接間に静寂が流れた。
「え、エルアン?」
しばらくの間続いた沈黙の雰囲気を破ったのはイザベル夫人だった。
「今・・・私が見ているのは何かしら?」
彼女が震える手でティーカップを置き、戸惑いを隠せない声で再度尋ねる。
「まさかあなたが言ったことある、心に秘めた女性というそのかわいそうな人が・・・」
「リチェです」
エルアンは世界で最も幸せそうな顔をして堂々と話した。
「結婚を前提とする交際の承諾を得るのに、ずいぶん時間がかかりました」
「はあ・・・」
イザベル夫人の瞳孔は狂ったように揺れている。
彼女の顔に悩みと葛藤が赤裸々にあらわれた。
そうでなくても私が平民なので反対することもできると思ったが、今まで彼女と一緒に過ごしながらこれほど内的な苦悩が感じられる表情は初めて見る。
冷たい空気に私だけでなく応接室にいる皆が緊張せざるを得ない雰囲気になった。
沈黙を破ったのは眉間にしわを寄せていたフェレルマン子爵だ。
「でも、リチェは・・・平民なのに、結婚なんて・・・」
「適当な貴族一族の養女として入ればいいんです。それだけの家は家臣の中でもたやすく手に入れることができます」
エルアンがすぐに答えると、ついにイザベル夫人が唇を震わせながら口を開いた。
「・・・そこまで考えていたのね」
「もっと遠くも考えました」
「リチェ」
彼女の深淵のような真っ黒な目が私を向く。
「あなたに聞くわ。あなたも同じ気持ちなの?本当にエルアンと結婚まで考えているの?」
あんなに震える声を初めて聞いたので私は少し落ち込んでしまったが、それでもはきはきと答えた。
「はい、交際を決めた以上、将来のことを考えないわけにはいきませんから」
今すぐ結婚するという話ではなかったが、結婚を考えない交際はしないという意味だった。
「エルアンが・・・エルアンが好き?慎重に答えなさい」
彼女はきっばりと言った。
「今この瞬間から、その答えの代価を厳しく払わなければならないかも知れないから」
エルアンの目が私を向いた。
私の手を握っていながらも、彼の表情にふと不安感がよぎる。
いつも私をおいてはやきもきするしかないという彼の言葉が浮び上がって、私は淡々と答えた。
「はい」
イザベル夫人が反対するからといって、すぐにすすり泣きながら退くつもりなら、当初からエルアンの心を受け入れることもなかった。
彼に騙されたようだったが、エルアンは長い間、私の大切な人でもあった。
最初は治療してあげたい気持ちから始めたが、彼が帰ってきた後、ドキドキした記憶がいつのまにか積み重なっていた。
特に、セリアナと一緒にいた姿を見た瞬間、急降下した私の気持ちを考えると、彼が他の女性に優しい姿を見ることができないという結論を下した。
皇太子の勘違いは早めに解いた方がいいですよね。
イザベルがショックを受けているのは、リチェが大切だからでしょう。
アルガは二人の交際を、素直に認めるのでしょうか?