偽の聖女なのに神々が執着してきます

偽の聖女なのに神々が執着してきます【5話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【偽の聖女なのに神々が執着してきます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載...

 




 

5話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • プロローグ⑤

私は夕食を終えた後、侍女たちと一緒に神殿の書庫へ向かった。

皇太子の祝辞にふさわしい表現や敬語を探すため、皇室に関連する儀礼や行事の書籍を何冊か借りるつもりだった。

「聖女様、皇室行事に関連する書籍は1階東南側エリアの3月棚にあるそうです。」

司書に道を確認してきた侍女の言葉を聞き、私はそちらへ向かう。

聖女を含むすべての司祭や聖騎士、そしてエリオム神殿に登録された信徒たちは書籍の貸し出しが許されている。

エリオムは帝国の中央神殿とは異なり、エリオムの信徒になりたい人々は多いが、席は需要に追いついていなかった。

そのため、最終的にエリオムの信徒たちは貴族の中でも名声の高い者たちのみが選ばれるようになり、「エリオムの信徒」という肩書は名声の象徴にもなっていた。

そして、それによって狼狽える者たちもいたようだ。

「私は……神をお仕えする神女です。」

「神をお仕えするからといって、外で一口の食事もできないわけではありませんよね。それに、正式な神女ではなく見習いの神女様です。私はエリオムの信徒なのですよ。」

聞こえてくる声に私は歩みを止めた。

幼さが残る神女の声と青年の声だ。

本棚の向こうで何が起きているのかは簡単に察することができた。

「食事はもう済ませました。そして見習いだろうと正式だろうと……神をお仕えする敬虔さは同じです。」

「食事ではなく、一杯の酒はどうですか?もう一度試してみては。つまらない神殿をしばらく後回しにして、世間を少し見て回りませんか?あまり拒絶しないでくださいよ。」

「信徒様。何度も私を侮辱するのであれば、正式に神殿に報告するしかありません。」

予想外の状況に私は小さく息を吐いた。

正直に言えば、知らない他人の疑念に巻き込まれるのは面倒だと感じた。

しかし、その状況が私が必要な本が置かれている本棚の前で起きていることであり、私が翌朝までに祝辞を作成するために急いで本を選ばなければならないということを考えれば、なおさら厄介だと思った。

目の前には、青い短髪で透明感のある顔を持つ見習い神女と、彼女にぴったり寄り添い力を誇示している三十代半ばの男性が見えた。

そしてその後ろに『皇室行事祝辞集』という本が見えた。

私は小さく息を吐きながら言った。

「少しどいていただけますか?」

男性は自分を妨げる声に驚き、振り返った。

彼は、神女服ではなく活動しやすいワンピース丈のドレスを着ている私を見て、私が誰なのか判断できないようだ。

しかし、私の背後にいる神殿の神女たちを見ると、高位の神女なのか一瞬考え込んでいるような表情だった。

私はもう一度言った。

「私の話を聞いていますか?」

「……。」

それでも彼は動じなかった。

私は彼を見ながら再び口を開いた。

「女性に会いたいなら、神殿ではなく外に行ってください。」

すると私よりも若く見える見習い神女が突然現れ、不安げな言葉を口にした。

だが、その言葉はどこか歯切れが悪く、彼女の視線が私に止まると、少し緊張した様子で口を開いた。

「私はただ、見習い神女と話がしたくて、ここで話していただけなんですが、それが何か問題でしょうか……」

どうやら、この男性はまともに会話できる相手ではないように見えた。

「この見習い神女は、あなたと話をしたいとは思っていないように見えますが。」

私の言葉に見習い神女の視線が揺れた。そして、彼女は慌てて口を開いた。

「神女様! この聖徒様が一方的に私に絡んで来られて……」

しかし、彼女も私が神女だとは気づいていないようだった。

まるで私に助けを求めるように彼女は慌てて話した。

その言葉に、男性が眉をひそめる。

「侮辱だと? 最近のエリリウムでは、見習い神女をあれこれ侮辱するのが流行っているのか? ただ少し話をするだけで嘘をつくとは。」

彼は私の横にある本の表紙に目を留め、何か勇気を得たようだ。

説明しようとせず、私を高位の神女だとは知らずに、自分が知る僧侶が数人いるから対処できるという自信満々の態度だった。

『ああ、これも役に立ちそうだ。「皇室の儀式規範」だな。』

もちろん、私は必要な資料だけを静かに選んでいただけだ。

「場違いな人間がそんな侮辱を吐くなんて、とても理解できませんね。」

男性の皮肉交じりの言葉に、見習い神女のデイジーが怒りの表情を浮かべ、男性を睨みつけた。

「さっき聖堂長が、外に出てお酒を飲んできたらどうかと言ったじゃないですか!」

しかし、彼は知らないふりをして片腕を組んだままだった。

私は必要な本を目で選びながら、唇に微笑みを浮かべて彼に尋ねた。

「ちなみに、どちらの家門のご令息ですか?」

「レイジフィルド男爵家の一人息子です。」

『ふむ、レイジフィルド家か。』

本で読んだ記憶がない名前を聞き、これは中央貴族の家門ではないことを悟った。

さらに、地方でも一度も耳にしたことのない名前だ。

私はそれを念頭に、彼に対して軽く話を続けた。

「私の名前を明かしたのですから、神女様も名前を教えてください。今日私が受けた侮辱と神女様のお名前、そしてこの見習い神女のお名前を家門の名のもとに神殿へ申し立てるつもりです。」

その言葉に、背後に立っていた神女たちが怒りを含んだ声で割り込んできた。

「無礼です!」

「この方がどなたか分かっているのですか!」

私は片手を上げて神女たちを落ち着かせた。

そして、不必要にかき乱されて怒りを抑えきれない表情を見せる見習い神女をじっと見つめながら応じた。

「見習い神女だと言いますが、一つ問題を出しましょう。」

私の言葉に、ハンスは立っていた場所で一瞬動きを止めた。

「エリオム神殿で聖徒を指名できる権限を持つ3人の名前を挙げてみなさい。」

「指名」という言葉に、ハンスの表情に一瞬影が差した。

家門の名のもとに神殿へ訴え出ると言ったが、実際にはレイジフィルド男爵家門はそのような立場にないからだ。

そして指名!

それは、その神殿に二度と足を踏み入れることができなくなることを意味する。

エリオム神殿で指名されるというのは、首都貴族の中でも選りすぐりの貴族たちにのみ許されたことであり、普通の貴族の中ではほとんど考えられないことである。

指名できる権限を持つ3人とは……。

デイジーは疑わしい表情を浮かべたが、やがて穏やかな声で口を開いた。

「はい、聖女様。指名の権限を持つ方は、首席神官、大神官、そして……聖女様です。」

エリオム神殿を構成する三角形の階級構成において、聖女が位置していた。

『本で読んだアリエルは、自分の発言で神殿を出られなくなり、不適切な行動を取ったことで、結局本物の聖女であるカミーラによって職権で指名された。』

私は原作の中でカミーラが言っていた内容を思い浮かべながら口を開いた。

「そう、聖女は職権で指名が可能だ。」

男は「えっ」と言うような、言葉を失った表情で目を見開いた。

「今、何かおかしなことで私をからかおうとしているのか?聖女様がわざわざ立ち上がって私を指名するだなんてことが本当にあり得るとでも? そんなことをするほどお優しい方ではない……はっ! あなたたちは何もわかっていないんだ。まあいい、本当に私はこの件を絶対に黙って済ませる気はありません!」

彼は目の前に聖女がいる可能性すら考えていないようだった。

まあ、自分の考えでさえも、今自分が着ている平凡なドレスは聖女が身にまとうには軽すぎるものであることは理解していた。

『体調が悪くて神殿に押し込められていると言っていたが、顔をまともに見たこともないだろうに。』

しかし、これ以上聞いているのも苛立たしく、私は鋭い声で遮ることを選んだ。

彼の前に歩み寄り口元を引き締めながら言った。

「私としては、この件をただ黙ってやり過ごすつもりはありません、ハンス・レイジフィールド卿。」

冷たく響く私の言葉に、その瞬間、一帯の空気が凍りついた。

「なぜなら、私がその聖女だからよ。」

私は彼を見つめ、一字一句丁寧に言葉を紡いだ。

「……!」

数秒後、その言葉の意味を理解したハンスの顔が完全に凍りついた。

彼は自分の耳を疑うように後ろの侍女たちを見渡したが、侍女たちは平静な表情でハンスを見返すばかりだった。

『この方、私たちの聖女様だよ?』

一方、見習い侍女デイジーの目はこれ以上大きくならないほど見開かれていた。

彼女にとっても、この方が聖女であるという事実は明らかに大きな衝撃だったようだ。

彼らの視線が私の足元に止まったところで、私は一歩前に踏み出した。

彼の視線は目の前の私を通り過ぎ、再び動揺を見せる。

うん、やっぱり神権社会では身分が全ての基準になるのが一番だ!

そんな彼の揺れ動く表情に、私は少しばかりの満足感を覚えた。

「あなたが……?」

ハンスは信じられないといった様子でかすれた声を漏らした。

この帝国には二つの頂点があるとすれば、一つは皇宮、もう一つはエリリウム神殿。

そして聖女とはエリリウムで皇帝と同等の存在であった。

身体が弱く、外部での活動はほとんどしないが、それでも聖女は偉大なる神の娘なのだ。

「神殿の聖騎士たちを通じて、あなたの家門に正式に謝罪を申し出るよう手配しましょう。」

その言葉にハンスはようやく正気を取り戻したようだった。

すぐに彼は跪いた。

「申し訳ありません! 聖女様だったとは! 夢にも思いませんでした!」

跪いて謝罪するこの瞬間がいいものだ。

私はもう少し言葉を続けさせてみようという気持ちで、微笑みを浮かべながら彼を見下ろした。

「申し訳ありません、申し訳ありません! 私が聖女様であることを知らなかったとはいえ、大きな罪を犯しました。」

彼の頭の中には今、「除名」という文字がよぎっていることだろう。

エリリウムで除名されるというのは、貴族社会からの追放に等しい。

それに彼の家門に後継ぎの息子が一人いるとしても、たぶん彼はその家門から放り出されることになる。

「お願いです! どうかお許しください、聖女様。」

彼は自尊心もかなぐり捨て、私の前で懇願した。

「申し訳ありません! 聖女様だったとは! 夢にも思いませんでした!」

感謝の言葉を口にするこの瞬間がいいものだ。

私はさらに彼に言葉を続けさせようと思い、微笑みを浮かべながら彼を見下ろした。

「申し訳ありません、申し訳ありません! 私が聖女様だとは知らなかったとはいえ、大きな罪を犯しました。」

彼の頭の中には今、「除名」という言葉が響いていることだろう。

エリリウムで除名されるというのは、貴族社会からの追放と同じ意味を持つ。

それに彼の家門には、彼を代わる後継ぎの息子がいるとしても、恐らく彼は家門から追放される運命にあるだろう。

「どうか! どうかお許しください、聖女様。」

彼はプライドをかなぐり捨て、私の前で懇願していた。

「私の許しより先に、受け入れなければならないことがあるでしょう。」

私の冷淡な言葉に、彼は唖然としながら顔を上げた。

「それは何ですか?」

私は手のひらを上げてデイジーを庇った。

それでも確認すべきことは確認しなければならない。

「被害者はこっちですよ。」

その言葉に彼は息を呑んだ。

聖女はそれ以上言葉を足す必要もなく、それ以上に、彼の家門より高い地位にいた。

しかし聖女とはいえ、ほとんどが平民の娘であり、エリリウムの修道女とはいえ、一握りの爵位を持つ家門でなければ、聖女に支援を提供する貴族はいなかった。

後援もなく、夜の余興としてしか見られなかった見習い修道女に許しを請う立場に立たされるとは。

彼の立場からすると、それは到底受け入れられない話だろう。

「は、誤解では……。」

消え失せた彼の自尊心が抑えきれない苦々しさと共に顔をしかめた。

私は目をわずかに細めて問いかけた。

「ああ、そうですか。神聖なる方々と共にある私の目と耳が間違っていたとでもおっしゃるのですか?」

「……!」

ついに彼は慌てて見習い修道女に頭を下げ、許しを乞うた。

「も、申し訳ありません!」

ここまでくると、彼が謝罪を受け入れてもらえるとは到底思えなかったようだ。

デイジーの黒い瞳が光を帯びてきた。

状況がひとまず収まったように思えたので、私は側にいる侍女たちを振り返りながら指示を出した。

「後ろにある『皇室連会集』と『皇室連会礼法』の本を取ってきて。」

侍女に頼めばよかったのに、わざわざ自分でここまで足を運んだのは、少し面倒なことをしに来たと感じたからだった。

そしてその瞬間、目の前に青い対話ウィンドウが再び現れた。

[沈黙していた初期の存在たちが、あなたの正義に深い興味を持ちます。]

[沈黙していた初期の存在たちが、あなたの正義に深い興味を持ちます。]

[「信託」が一時的に解放されます。あなたは信託を受けることができます。]

[あなたは後天的に信託を受けることができる最初の者となりました。]

[あなたの存在に太初の存在たちが深い興味を持ちました。]

「信託」が一時的に解放されたって?

「一体……これは何?」

私はぼんやりとメッセージを読んだ。

一瞬メッセージが止まるかと思うと、爆発のように次々とメッセージが溢れ出した。

[信託 レベル1]

[あなたの信託に愛の神オディセイが降臨しました。]

[あなたの信託に知識の神ヘセドが降臨しました。]

[庭園 2/3]

[あなたの信託に芸術の神モンドが降臨しました。]

[庭園 3/3]

[信託に入れなかった■■■が怒りの火を放ちます。]

[信託に入れなかった■■■が炎を噴き上げます。]

[信託に入れなかった■■■がため息をつきます。]

いくら見ても「対話窓」としか表現できないその場所には、知ることのできない名前が次々と浮かび上がっていた。

 



 

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