偽の聖女なのに神々が執着してきます

偽の聖女なのに神々が執着してきます【93話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【偽の聖女なのに神々が執着してきます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載...

 




 

93話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 死の神の宮殿「サレリウム」

死の神の宮殿「サレリウム」は、生きている肉体では行くことのできない土地だ。

死に引き込まれている私の意識は、闇の中でそこへと向かっていた。

果てしない宇宙を小舟に乗って進んでいくような、孤独な感覚だった。

目の前には、灯火のような小さな光が浮かんでおり、まるでどこへ行くべきかを示しているようだった。

しかし、次の瞬間、その光さえも消え去り、辺りは漆黒の闇に包まれた。

世界のすべての音が遠ざかり、次第に小さくなっていく。

鼻先には湿った土の匂いが感じられた。

私は、サレリウムに到着したのだと悟った。

「……」

時間が少し経ち、暗闇の中で目を開けると、見えたのは硬い大理石の床だった。

そしてその瞬間を境に視界がぱっと明るくなった。

重力は現世と同じように働いており、ここは私が生きていた世界と同じく、ごく普通の世界のように思えた。

私は床に手をつきながら立ち上がり、周囲を見回した。

頭がずきずきと痛んだが、幸いにも視界ははっきりしていた。

目の前に広がる神殿の建築物の象牙色の柱は、壮麗に空へとそびえ立っていた。

エリウム神殿よりもはるかに規模が大きく感じられた。

しかも、そんな神殿が一つだけではなく、遠くの景色にも数えきれないほど存在しているように見えた。

『ここが死の宮殿、サレリウムなのか。』

大気は完全に昼間というわけではないが、それでもなお薄暗く……沈まぬ太陽が午後五時か明け方六時頃の時間を示しているように見えた。

死者たちの都市にふさわしい光景た。

「生きているうちに冥府まで来ることになるなんてね。」

私は神託を探すために視野に意識を集中させた。

しかし、対話窓は表示されなかった。

やはり、ここでは神託が通じないようだ。

「こんなに何も情報がないまま放り出されるなんて、少し心細いな。」

私はしばらく呆然とした後、何も考えず前へ歩き出した。

とりあえず、人の気配がないので、少し進んで誰かに尋ねてみるのが良いだろうと判断したからだ。

どうせ死の神殿の主人であるカイロスが私と共鳴しているのだから、大事にはならないはずだ。

そうしてしばらく歩いていたときだった。

微かに苛立ったような声が聞こえ、私は足を止めた。

「ちゃんと働けないのか?」

「時間内に終わらなければ、今日の休憩はなしだ!」

雰囲気がただならぬものだったため、私は身を屈めて声のする方へと向かった。

そこには柵があり、その向こうに何かがあった。

百歩ほど進んだだろうか、私はそっと柵の隙間から中を覗いた。

「はぁ……はぁ……」

「はっ……」

広大な広場が広がっていた。

まるでサッカー場ほどの大きさはありそうだった。

目の前には、一台の荷馬車があった。

[第7843工事現場]

そして、上半身裸の男たちが百人ほど、首に縄を巻いたまま一列に並び、石を運んでいるのが見えた。

その中には女性たちもいたが、彼女たちは民族衣装を身にまとい、脚には足枷がはめられていた。

中央には、巨大な建造物の基礎となる床が作られていた。

「うう……。」

一人の男が倒れ込んだ。

すると、監視官らしき険しい顔つきの男が、棍棒でその男を力強く打ち始めた。

「うぐっ! げほっ!!」

ジャラッ、ジャラッ──

数々の物語や創作物で、地獄で生前の罪の報いを受ける描写を目にしたことがある。

それに似た光景が、今まさに目の前で繰り広げられていた。

「……うん、でもこれはちょっとやりすぎじゃない?」

そのとき、一人の女性が駆け寄り、鞭打たれていた男のそばにひざまずき、懇願した。

「監視官様、どうかおやめください。この人はもう十二時間も休まず働いています。これ以上は耐えられないかもしれません……。」

私は険しい表情で、彼女とその男を見つめた。

血の気が失せ、やせ細った女性の姿が私の疑念を刺激した。

『いや…… 罪を犯したとして、一体どれほどの罪を犯せば、あそこまでされるのだろう?』

そのとき、私の目に奴隷たちの首や肩に、まるで刻印のように刻まれた何かが映った。

私はそれらの文字を読んでみた。

『強盗殺……人?強姦?詐欺による間接殺人?』

険しい顔の監視官が怒鳴りながら話す声が聞こえた。

「お前たち夫婦が誘拐し、売り払った子供たちの親たちは、たった1秒でも呆然と立ち尽くしている余裕すらなかったはずだ。一生涯苦しみ続けることになるのだからな。」

「うぐっ! げほっ!!」

監視官が男を蹴り飛ばすと、男は短く悲鳴を上げてうずくまった。

「う、ぐっ……」

「貴様らに選択の余地はない!さっさと立って働け!」

男の首と女の肩には、彼らの罪状が刻まれていた。

『児童誘拐および人身売買』

──ああ、そういうことか。

やはり、見た目だけで人を判断するのは危険だ。

最初は気の毒に見えた彼らも、今や同情の余地は微塵もなかった。

「どうかお助けを!」

子供誘拐・人身売買の夫婦とは、悪魔よりもひどい人間たちだ。

チャクッ!

『その鞭、私にくれたらもっと上手く振れるのに。』

もっと強く叩いてください。

私は興奮して振り回される監視官の鞭を見ているうちに、ふと考えを振り払った。

『ひとまず、正義の執行の現場は置いておいて…… 別の人を探してみよう。』

私はさらに体を小さく縮め、この場所を通り過ぎようとした。

強制労働所の陰鬱な雰囲気を見て、道を尋ねるなら別の人のほうが良いと思ったからだ。

「そこの者!」

その瞬間、監視官が私を呼ぶ声が鋭く響いた。

「……!」

聞かれたのか?

私はできるだけ平静を装いながら立ち上がり、監視官を見つめた。

虎が洞窟に入っても、落ち着いていれば生き延びられると言うが――。

今まで生き延びてきたのだから、無様に動揺するわけにはいかない。

「私のことでしょうか?」

監視官が私に近づき、目を細めながらじろじろと見回した。

「所属はどこだ?」

筋肉質でがっしりした監視官のおじさんは、いかにも疑わしそうな目つきだ。

何と答えるべきか迷っていると、彼は手にした鞭から一瞬視線を外した。

その時、再び監視官の声が響いた。

「顔に見覚えがあるな。昨日逃げたという7841工事現場の囚人か?」

「え?」

「罪名は生前の無許可就職だったな。」

彼は鞭を持った手で私を指しながら言った。

「む……無許可就職ですか?」

それくらいのことで強制労働所に送られたの?

少し驚いていると、彼は自慢げに言葉を続けた。

「正確に言えば、1,352回目の無許可飲食。私の記憶力は非常に正確で大胆だ。」

……狂ってる。

よくそんなに誇れるものだ。

誰なのかは分からないが、私に似たその女性は、驚くほど堂々と振る舞っている。

私は呆気に取られていたが、口を開いた。

このままでは私まで無許可飲食の罪で誤解され、あそこで罪人と一緒に縛られ、鞭打たれるはめになりかねない。

「私はあなたが考えているような罪人ではなく、ただ生きてい……」

その時、どこかで子どもの声が響いた。

「ちょ、ちょっと!」

監視官と私は同時に振り返った。

そこには、きちんとした身なりをした12歳ほどの無垢な少年が、息を荒げながら立っていた。

彼の髪は濃い緑色で、瞳の色は褐色だった。まるで貴族のように端正な顔立ちをしていた。

「あっ、ラビ様!」

監視官は子どもを見るなり、慌てて頭を下げた。

「監督官、お越しですか。囚人たちは私がきちんと管理しております。」

かしこまった態度を見るに、この子はどうやら監視官よりもさらに上の立場にいるようだ。

「それに、この者はこうして、逃亡した無許可就職の罪人を捕らえたところです。」

監視官は私を見下し、鼻で笑いながら言った。

しかし、その言葉が終わるや否や、「ラビ」と呼ばれた子どもはパッと前に飛び出し、私の前に立ちはだかった。

「無許可飲食の罪だと? この方はカイロス様のご来客だ。」

どうやらカイロスに話を聞いたようだ。

『ミアの身分は確実に剥奪されたな。』

少年の言葉を聞いて、私は安心感を覚えた。

一方、監視官は息を呑んだ。

「ひっ、この罪…… いや、この方がカイロス様のご来客だとおっしゃるのですか?」

「その通りです。客人に対して無礼があったなら、すぐに謝罪してください。」

ラビの言葉に、監視官は慎重に頭を下げた。

「申し訳ございません。私の勘違いだったようです。存じ上げませんでした。あまりにもお顔が似ていたので……。」

ラビという子どものおかげで、場の空気は一瞬で変わった。

私は穏やかに微笑みながら、その子が差し出した果物を受け取る。

誤解されたことは気分が悪かったが、職務意識が強ければ仕方がないとも思った。

「誤解することもありますよね。さあ、早くお仕事に戻られてください。時間がもったいないですよ。」

人身売買をする夫婦が、この暑さの中で陰に隠れて休んでいるではないか。

こんな者たちは、死んでも楽をさせず苦しませるべきだ。

「果物を受け取ってくださり、ありがとうございます。カイロス様のご友人様、どうか穏やかにお過ごしください。」

しばらくして、監視官は自分の持ち場へと戻っていった。

「このクズどもが、まともに働くこともできないのか?!」

怒鳴り声が再び響き渡った。

 



 

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