こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は211話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
211話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ファーストキス
アビゲールに恋をしている。
火の名を知らない獣でも、それが持つ温もりを知っている。
愛を知らなくても、今心の中の温もりだけはハッキリしていた。
愛だった。
これが愛でなければ、一体この感情を何と呼ぶのだろうか。
賢明な王をあっという間に愚かな臆病者にし、冷たい血が流れる体に春をもたらし、乾いた地に花を咲かせるこの感情が愛でないのなら・・・。
この感情を何と表現したらいいか分からず、セイブリアンは口を綻ばせる。
この貴重な感情を粗末な言葉で表現したくなかった。
そうしているうちにアビゲールの心配そうな表情が見えた。
彼は最初に、この誤解を解くことにする。
「ビビ、私はナディアさんに少しの興味もありません。ですから安心してください」
その言葉にアビゲールは虚になった。
彼女の体が小さく震えてきたので、セイブリアンは驚いて肩を抱きしめる。
「どうして泣くのですか、ビビ。私がナディアさんを慕わないのが嫌なのですか?」
「いいえ、そうではなくて・・・」
セイブリアンは慎重に彼女の頭を撫でる。
アビゲールは笑うか泣くか分からない顔で啜り泣いた。
「私は殿下がナディア嬢を慕っていると思って、それで・・・」
その姿を見た後、セイブリアンはようやく呼吸することができた。
彼が呆れたように尋ねる。
「一体どうしてそんな誤解ができるのですか?」
「殿下がナディアさんを本宮に連れていくと言って、手も握っていたので。女性とスキンシップができないはずだったのに・・・」
「彼女が本当に漁師かどうか確認するために手を握ったのです。戻ってすぐに手を洗いました。気分が悪かったので」
セイブリアンはそう言ってアビゲールを抱きしめる。
私に届く人はあなただけだと訴えるように。
一度愛を自覚すると、アビゲールが愛らしくて仕方がなかった。
あの涙に濡れた瞼の上に、彼女の真珠のような鼻先に、啜り泣いていた唇にキスをしたいのを何とか堪える。
啜り泣く声が小さく続いた。
少し落ち着いてから、アビゲールが恥ずかしそうに口を開く。
「ところで大変ですね。ナディアさんの呪いを解かなければならないのに・・・。そうでなければ死ぬかもしれません」
「死ぬかどうかは関係ありません」
「で、でも人の命がかかったことなのに・・・」
「それじゃあ私に口づけを命じますか?」
セイブリアンが意地悪に尋ねた。
「本当にそうするのか?」と聞くように。
アビゲールは首を横に振った。
「呪いを解く方法は別にあるはずです。本宮に帰ったら魔法使いたちに命を下します」
彼はそっとアビゲールの背中を叩きながら言う。
彼女は鼻を啜りながらそっとセイブリアンを押し退ける。
「それでは私は少しナディアさんと話をします。多分、殿下と口づけすることを期待していたと思いますので」
「はぁ・・・」
彼は深くため息をついた。
そして、自分の愛らしく、馬鹿な妻の頬を優しくつねる。
「二度とこんなことを考えないでください。一人で悩まずに。分かりましたか?」
「分かりました」
アビゲールがようやく笑った。
その姿が可愛くてセイブリアンはどうしても怒ることができなかった。
「それじゃあ一応ナディアさんに話してきます。ちょっと待っててください」
静かに外に出ると、ナディアはドアの近くに立っていた。
紙に落書きをしているところのようだ。
アビゲールが警備兵に退くように視線を向けると、彼は素早く階段の方へ退いた。
「あ、あの、ナディアさん」
その声が聞こえると、ナディアは魚が飛び上がるように振り返る。
かなり長く待っていた様子だ。
「ごめんなさい。助けてあげると言ったのに。も、もちろん呪いが解けるように手伝いますから!」
ナディアは慌てているアビゲールをじっと見つめる。
アビゲールが少し落ち込んで言った。
「殿下とキスをするのは駄目ですが、他のことなら何でも手伝います。だから・・・」
その言葉にナディアはさらに疑問に思った。
それからしばらくして、彼女は紙に何かをささっと書く。
<あの男とキスをするのは駄目なんだよね?>
「え?そうですね」
<他のことなら何でも助けてくれるの?>
アビゲールが頷いた。
王宮の魔法使いを総動員すれば、他の方法を見つけることができるだろう。
幸いにもナディアはこれ以上意地を張らずに微笑んだ。
アビゲールは安堵のため息をつく。
「理解してくれてありがとう、私・・・」
いつの間にかナディアが彼女に近づいていた。
サラサラとドレスがぶつかり合う音が心地よく聞こえてくる。
持っていた紙と鉛筆がぽんと落ちた。
ナディアがアビゲールの頬を覆うと同時に唇に柔らかい何が触れた。
アビゲールは今何が起こっているのか理解できなかった。
何か暖かくて柔らかいものが自分の唇に重ねられていることしか・・・。
彼女は一歩遅れて事態を把握する。
「ンンンンんンンンンんん!?」
ナディアが自分にキスをしていた。
どうして自分に?
初めてのキスに戸惑っていると、後ろから何かが自分を強く引き寄せる。
「貴様!私の妻に何をしている!」
セイブリアンが動揺しながらアビゲールを抱きしめていた。
彼の顔は衝撃と恐怖に怯えている。
「ビビ、大丈夫ですか?」
「あ、あ、ああ・・・」
アビゲールは動揺して何も言えずにいた。
セイブリアンは彼女を抱きしめ、震えながらナディアを睨む。
「警備兵!今すぐこの者を投獄せよ!」
その呼びかけに警備兵が慌てて走ってくる。
そして命じられた通りナディアを捕まえようとした瞬間、自分の目の前に広がる奇妙な光景に立ち止まってしまう。
ナディアの体から青みが漏れていた。
どこからか風でも吹いてくるように彼女の髪とドレスが舞い散るのが見えた。
彼女の体から抜け出た光が青い水滴に。
水滴はナディアの周りをうろつき、すぐに彼女の口に向かう。
宝石のように揺れる青い球体がナディアの口に触れた瞬間、あっという間に消えた。
海風が吹いてくるように風に水気が混じっていた。
髪と裾が舞う中、ナディアの声が聞こえてくる。
「はぁ、生き返った気分」
生まれて初めて聞いたことのない美しい声。
その神秘的な光景を見ても、フリードキン夫妻は依然として固まっていた。
ナディアが目を開けると、彼女の瞳孔は縦長に裂けていた。
裸足には魚のエラのようなものが生まれ、皮膚のあちこちに鱗が光っている。
本物の人魚だったというのか。
セイブリアンはアビゲールを守ろうとしているかのように彼女をより強く抱きしめた。
「ファ、ファーストキスだったのに!」
「そうなの?光栄ね」
ナディアが満足そうな声で話した。
アビゲールは依然としてこの状況が理解できなかった。
「ど、どうして呪いが解けたの?あなたはセイブリアンを愛して・・・」
「私がこの男を?酷いわ、アビゲール。私がどれだけあなたのことを想っているのか」
ナディアは警備兵をチラリと見る。
警備兵は驚くべき光景に口を開けていた。
彼女は片腰に手を置いたまま、高慢な顔で尋ねる。
「ねえ、私がさっきアビゲールに渡してと言った花束。もう伝えてくださったのかしら?」
「え?殿下に差し上げる花束ですか?」
「そう、王妃殿下」
その言葉に、アビゲールと警備兵は気が抜けてしまった。
そんな中、セイブリアンは毛を逆立てた番犬のように唸り声を上げている。
ナディアはその反応が面白いかのよに笑い、投げキッスを飛ばした。
まだ混乱に陥っているフリーキン夫妻に向けって平然と話しかける。
「私を王宮に連れて行ってくれると言ったわよね?じゃあ、これからもよろしくね、アビゲール」
まさかのそっち!?
ナディアが狙っていたのはアビゲールの方だったのですね。
セイブリアンは彼女を本宮に連れて行くのでしょうか?