こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は112話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
112話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 偽造貨幣②
(もしかして、わざと私に偽造貨幣の手がかりを流したの?)
ヨハネフ三世の顔を思い出したマリは一瞬ゾッとした。
この全てが彼の意図ではないかという。
(本当の問題は偽造貨幣を明らかにすることじゃない)
市場の被害を防ぐための対策を講じなければならない。
しかし、容易なことではなかった。
172万ペナに達する巨額を皇室が保存することもできないためだ。
別の対策を考えなければならない。
「どうしてこんなことが起きたのか分からない。ルイナ地方の領主は調べているのか?」
「はい、でも貨幣を担当していた人たちが犯した犯行なので、領主は全く知らなかったようです」
「ふむ」
皇太子が指で鉄仮面を叩き、突然言った。
「西帝国が関わっている可能性はないか」
「・・・!」
マリはビックリして皇太子を眺める。
何の手がかりもないのに正確に推測したのだ。
オルンが口を開く。
「今回のことに西帝国が関係していると?」
「証拠はない。しかし、単純に貨幣所職員の単独犯行と言うには規模が大きすぎる。もし背景があるとしたら、西帝国の奴らが一番可能性が高いだろう」
一理ある考えだった。
「はい、確認してみます」
そしてオルンは偽造貨幣に対する対策を尋ねる。
「流通している偽造貨幣はどうしますか?回収命令を下すようにしますか?」
「原則的に言えば当然回収しなければならないが、それでは銀行が相次いで倒産するかもしれない」
皇太子は重い表情で言った。
「だからといって皇室が損失額を補償することもできない」
「ええ、充当できない金額ではありませんが、財政に大きな打撃があるでしょう」
帝国は税収が多い分、支出も多かった。
常に税収と支出が一定の均衡を成してきたが、172万ペナなら財政に大きな負担を与えることになるだろう。
「何とか対策を講じなければならないね」
一方、彼らの会話を聞いていたマリも悩みに陥っていた。
(何か方法はないの?)
市場の混乱を防ぎながらも、財政負担は最小限に抑える方法。
しかし、容易ではない。
このままでは172万ペナを損する状況だ。
時間が経っても適当な案が見つからないため、一旦解散することになった。
自分の部屋に戻ったマリは考え込んでいた。
「考えてみて、マリ。もしかしたら方法が思いつくかもしれない」
少しでも皇太子を助けたい。
しかし、どれだけ悩んでも方法は思い浮かばなかった。
やがて夜遅くなり、マリはため息をつきながらベッドに横になる。
「どうか方法を教えてください」
彼女は眠る前に窓の外を眺めながら呟く。
そして、その祈りのおかげだろうか?
マリは再び夢を見た。
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「このままでは武器を買うお金はもちろん、兵士たちの給料もあげられない」
軍資金問題で嘆く夢の主人公。
マリはこの前見た夢を引き継いでいることに気づいた。
「何とかお金を用意しないと。このままでは戦争に勝てない」
しばらく考え込んでいた夢の中の主人公は、答えを見つけたかのように閃く。
「我が軍で自主的にお金をもっと作らないと」
「しかし、閣下。私たちの軍にはさらにお金を作成する金と銀がありません」
「金と銀の入っていないお金を作るんだ」
それを聞いた参謀は「とんでもない」という表情を浮かべた。
「閣下、金と銀のないお金はお金としての価値がないのでは?」
マリも参謀の言葉に同意する。
金と銀の混ざっていない貨幣は、貨幣としての価値がない。
しかし、夢の中の主人公は首を横に振った。
「いいや、一つ方法がある。金と銀がなくても貨幣としての価値を持たせる方法が。それは・・・」
マリは夢から目を覚ました。
「これは何の夢だろう?」
いつものように理由もなく夢を見たはずがない。
絶対に今の状況と何らかの形で関係があるのだろう。
「確かに金と銀が混ざっていないお金を作ることができれば、今回の事態を被害なく解決できる。損失額分の貨幣を追加で作って払えばいいのだから」
しかし、彼女はすぐに首を横に振った。
「でも話にならない。金と銀が混ざっていない気配なんて、それはお金としての価値がない」
すべての通貨は金と銀で作られている。
それは帝国だけでなく全ヨーロッパ、いや、シルクロード越しの東方も同じだ。
これがまさに世界に通用する金貨本位制度であり、国家が望むように貨幣を印刷できない理由だった。
「いや、もう一度考えてみよう」
マリは原点から考えてみる。
「金貨と銀貨が貨幣としての価値を認められるのは、まさに金と銀の希少性のため。その希少性から金と銀は貨幣としての権威を持つようになる。それじゃあ?金と銀なしで貨幣としての価値があるためには?」
彼女の頭の中が深い悩みに陥った。
果たしてどんな方法を使えば貨幣としての権威を与えられるのか?
金と銀の希少価値なしに可能ではあるのか?
金と銀を使わない貨幣。
マリと皇太子は答えを見つけることができるのでしょうか?