こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は261話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
261話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 果樹園②
「私もいずれグンヒルド様のように強くなりたいです」
「私みたいに?諦めろ」
グンヒルドが可笑そうに言うと、ブランシュはそっと手を離した。
なんとなく表情が悲しく見えて、グンヒルドは胸の片隅がヒリヒリする。
「やっぱり強くなるのは無理ですよね?私は魔力もないので、強くなってお母様とお父様を守りたいのですが・・・」
その反応にグンヒルドは当惑した。
自分のせいでブランシュの顔に悲しみが垂れ下がると、まるで幼い亀を苦しめる悪党になったような気分に。
これをどうすればいいのか。
子供をなだめたことがなく、さらに当惑する。
彼女は途方に暮れていたところ、急いで腰に巻いていたポケットを引っ張った。
「おい、お前の国にはこんなものはないだろ?」
グンヒルドはポケットから淡い色の何かを取り出す。
玉のように小さな粒がびっしりついているのが、一見マスカットのようにも見えた。
「これは何ですか?」
生まれて初めて見る物を見ると、ブランシュの顔に垂れ下がっていた憂鬱さが消える。
グンヒルドはニヤリと笑いながら言った。
「ブドウだよ」
「うわぁ。海にもブドウがあるのですか?」
「そうだよ。食べてみて」
「ありがとうございます!」
ブランシュは興奮気味に海ぶどうを受け取る。
その時、護衛騎士の一人が急いで割り込んできた。
「先に毒味をしなければなりません、お姫様」
無礼なことは知っているが仕方のないことだ。
ブランシュは驚いた目で騎士とグンヒルドを皇后に見る。
「で、でも問題ないと思いますが・・・」
グンヒルドは黙々と騎士を睨み、そして海ぶどうを三等分して自分の口に入れた。
「とりあえず私が先に食べるようにしよう。これで足りなければ、あなたも食べてみるか?」
護衛騎士は躊躇いながら、それを受け取る。
銀製の短剣をそっと持ってきても変色しないと、ようやく海ぶどうを少し食べてみて、彼はすぐに妙な表情になった。
「うーん、独特の味がしますね」
毒はなさそうだ。
ブランシュは護衛騎士が頷くと、自分も海ぶどうを口の中に入れる。
海ぶどうを噛むたびにコリコリと音が軽快に響き渡った。
初めて食べる味にブランシュの目が丸くなり、すぐ微妙な表情に。
その表情がおかしくてグンヒルドは爆笑した。
「どうした?イマイチか?」
「ブドウって言うから甘いと思ったのですが、しょっぱいです!」
「そう?陸ぶどうは甘いのか?」
「はい。このぶどうのように黄緑色のマスカットがありますが、とても甘いです」
グンヒルドとしてはよく想像がつかなかった。
甘いぶどうだなんて。
「それはどこで食べられるの?」
「夏の果物なので今は・・・」
残念な気持ちでブランシュの声が小さくなっていく。
そうするうちにブランシュはパッと顔を上げて、良い考えが浮かんだようで表情が生き生きとしていた。
「今度は夏に遊びにきてください!夏に来れば夏の果物が多いですから。桃もあるし、すもももあるし、さくらんぼもあるし・・・!」
ペチャクチャ喋る姿を、グンヒルドはただ見ているだけ。
「あっ、春と秋もいいと思います。春には花がたくさん咲いて、秋には紅葉が染まるんですよ。とても美しいです」
紅葉、それも見たことがなかった。
そして、こんなに愛らしい顔で話をする人間も。
「美味しいものも、美しいものもたくさんあります。今度見に来たら、その時は必ずマスカットを用意しておきますね」
「そうだね・・・」
グンヒルドはハッとして口をつぐんだ。
自分でも知らないうちに「そうしよう」と言ってしまいそうだったから。
(私は今、なんて言おうとした?)
この子の前では何故か気が緩んでしまう。
人間という感じよりはただの子供という感じが強く、憎い気もしない。
しかし、それでも人間だ。
グンヒルドは席から飛び起きた後、冷たく言った。
「この国に二度と来るつもりはない」
「あ・・・」
するとブランシュの瞳がゆらゆら揺れ始める。
その姿を見てグンヒルドは気が弱くなりそうだった。
それでも彼女は歯を食いしばって首を回すと、ブランシュはそれとなくグンヒルドの裾を掴んでリンゴを差し出す。
「・・・いつかまた会えたらいいなと思います。ぶどう美味しかったです。ありがとうございました」
グンヒルドはブランシュが差し出す謝罪すら断ることができなかった。
彼女はそれをサッと受け取って使節団の方に向かってしまう。
天下のブランシュでも、いきなりグンヒルドの心を掴むのは難しかったようです。
それも時間の問題だと思いますが。